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背徳の愛、神を揺るがす。
「答えろ、人の男」
神の使者の声が夜空に響く。
「その女を選べば、滅びは避けられぬ。それでも――愛すると言えるか」
俺は震えていた。
恐怖か、呪いか、それとも彼女の艶めく吐息に囚われているのか。
だが、彼女の冷たくも熱を帯びた手が、俺を確かに繋ぎとめていた。
「……俺は、彼女を選ぶ」
その瞬間、天が震えた。
神の使者の瞳が大きく揺らぐ。
「愚か者……! その愛は背徳だ! 神に抗うことなど許されぬ!」
しかし彼女は、俺に寄り添いながら、妖艶な笑みを浮かべた。
「見える? これが愛。
神が最も恐れるのは、私たちが互いに選び合うことなの」
神の使者の羽根が砕けるように震え、白い羽が夜に散った。
冷酷な声に、わずかな迷いが滲む。
「愛……? 背徳が……神を……」
俺と彼女の唇が触れ合った時――
呪いの鎖が軋みをあげ、夜の闇を裂くように光が溢れた。
神の嫉妬が、揺らぎ始めていた。




