雨上がり小道 1
7限が終わり、僕は涼介と学校を出た。
「ちょっと夢霧神社行こうぜ」
「なんで?」
「最近雨ばっかだろ?」
確かに最近雨ばかりだ。それに夢霧神社には天気に関するお願い事が叶うと、よくここらでは有名だ。
夢霧神社はうちの近くだからちょっとした寄り道には最適なところだ。
まだ雨の降る中、僕と涼介は夢霧神社に向かった。その道中、僕ら何気ない会話を始めた。
「なぁ、リョウ、お前彼女いるだろう、霧峰さん?
だっけ、どうなんだ最近?」
「どうって、いつも通り。強いて言えば、最近喧嘩した」
「どこがいつも通りなんだよ」
「でも珍しいな達海が俺にそんなこと聞いてくるなんて、お前も色心ついてきたのか〜」
「色心は前からあるってんだよ。 別にただ気になっただけだよ。僕はお前みたいに気さくに女の子と話せないからな」
「なんだ?好きな子でもできたのか〜」
「好きな子なんて前からいるよ」
「お前、そういうの照れもせずにいうから面白くないよな〜、なぁやっぱりまだあの人なのか?柏原舞香」
不意に名前を言われ、ついドキッとしてしまった。
「そ、そうだ、、なんだ?悪いか?」
「別に悪いとはおもはないけど、あんな美人さん、狙ってるのはお前だけじゃないんじゃないか?」
そうだ、実際のところきっとそうだろう。柏原さんは容姿端麗、成績優秀まるで学園ドラマのお嬢様だ。
でも、女子含め学校で親しく話している人なんていないほど、寡黙で不思議で、、
でもそこがまた惹かれる要因でもあった。
「俺はな、別にお前にとって高嶺の花だなんていってるわけじゃない。ただな、話したこともない相手のことをずっと思ってたって仕方がなくないか?」
普段はバカしてる涼介にど正論言われぐぅの音も出なかった。
「まぁ、今の僕は恋愛どころじゃない。クラスでの立場だってよくないし、変な噂だってまだやまないだろう」
「あぁ、まぁ、それはなー・・・」
*******
制服のズボンを雨に濡らしながら、僕たちは夢霧神社についた。
「よし!雨が止むよう、お願いするか!!」
僕ら2人で賽銭を入れ、手を合わせた。
、、、、、、かし、柏原さんと、話せますように
恥ずかしながらも心の中でそう呟いた僕は。目を開け横を見ると、まだ涼介が手を合わせていた。
何をそんなに考えているのだろうか?
涼介が目を開けた
「ふぅー・・・、達海はなんてお願いしたんだ?」
「ご想像にお任せしな」
「やっぱり、柏原舞香か?なぁ、そうだろ!」
「分かってんなら、わざわざ言うな、」
僕らは来た道をまた戻った。
涼介はとT字路で分かれて僕は家に向かった。
今日のご飯はなんだろな
本当、それぐらい何気ないことを考えていた
そんな何気ない時に、僕は何かうずくまっておるものを見つけた。
近寄ってみると人だった、僕の家の前に誰かが座っていた。
黒い長い髪をもったその人は、突然僕に気づいて振り向いた。
僕はしばらく呆気に取られた。少し立ちくらみがした。
その人は紛れもなく、、柏原舞香だった。