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いくばくかの年月が過ぎた。
あれからここに近づく人はいない。
そう思っていたら2人、この森に迷い込んだようだ。
そう思っていたらある場所に迷いなく進んできた。
昔、少年と話した場所だ。
「本当にここであってるのか?」
「間違いない。何度も行った場所だ。覚えている。」
そんな2人の会話が聞こえた。
1人は紺色のローブを纏い、もう1人は鎧を身につけていた。
鎧の男は籠いっぱいの果物を入れたものをその場所に置いた。
そして、
「数年前に話した者だ。まだ、貴方はここにいるのだろうか?」
と私の家の方を向き、話しかけてきた。
他人からは見えないはずなのに、しっかりこちらを向いている。
私は不思議に思ったが無視した。
少し時間が過ぎた頃、ローブの者が何かを唱えた。
なにを唱えたか分からなかったが結界があることを、知られた気がした。
「ここに何か壁がある。これはお前の話、少しは信じられるな。そっちの方から声が聞こえたんだろ?」
「上からのような隣からのような不思議な聞こえ方だった。ここであることは間違いない。」
「とりあえず、ここに何かがあることは分かったから俺は帰るぞー。」
「分かった。来てくれてありがとう。」
案の定、何とは分からないが何かがあることは知られたようだ。
ローブは帰り、鎧はここに残った。