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私はいつも通り森で過ごしていた。
しかし、今日は珍しいことが起こった。
家の周りをぐるぐるする少年がいる。
最初は不思議に思っていたがよく見ると私の力の痕跡がうっすらとあった。
私は数日前の出来事と認識していたが、数年経っていたのだと少年を見て気がついた。
何者か分かったのはいいがなぜまたぐるぐるしているのだろう?
また迷子なのかと思ったがそうでは無さそうだ。
無視していたが、ここ数日毎日ここをぐるぐるしている。
鬱陶しく感じたので話をしてみた。
「なぜ毎日ここに来るの?」
と問いかけるとびっくりしていた。
「昔ここで迷子の俺を助けてくれた人がいた。その人を見つけたくて記憶を頼りに歩くとこの森には着く。だが何も手掛かりがないため思案していた。貴方が私を助けてくれた人なのか?」
とどこからか聞こえてくる声に少年は応えた。
「森の気まぐれだから。もうここには来ないで。」
と伝えると少年は森を出て行った。