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もう何回目の話し合いか分からないくらい年月が過ぎた日、ことは起こった。
母様の夫となれなかった者が母様を亡き者にした。
当時、夫に決まった人も一緒に。
その男は私の夫になろうとした。
母様は生前
「一族の先代と母様の約束だから貴方は気にしなくていいからね?貴方は好きに、自由に生きてね。」
と言われていた。
だから断った。
そうしたら男は
「ならばお前の母親と同じ目に合わせてやる。」
そう言って男は私を追ってきた。
私と母様は不思議な力を持っていた。
その力で私は男から逃げることができた。
母様はこの力を使わなかったのか、使えなかったのか分からないが、母様の亡骸に力の痕跡は無かった。