六話 亜空間魔法とマキちゃんの気持ち
今回は入学式前日までのお話になります。
やっとここまでこれました。
後半少しエッチになってますので気をつけてください。
「純なる透明な水よ
高速で穿つ弾となりて
我が敵を貫け
ウォーターレーザー」
私は呪文を唱えて、きのこ型の魔物『マッシュ』を倒す。
マキちゃんに、魔法について教えてもらった翌日、学生課で『近くの森にいる、魔物の退治』依頼をまた受けました。
今回は強化魔法を使ったので、森まで30分で着く事ができました。
「まだ、魔法の制御が甘いですね、後ろの木にも穴が開いてます」
私は、比較的周りに与える被害が少ない魔法で、マキちゃんの指導のもと、魔法制御の練習をしています。
マキちゃんが言うには「リタの場合、とにかく魔力を抑えて魔法を使えばいい」とのことなので、魔力を抑えるようにして詠唱しているのですが、なかなか上手くいきません。
風魔法の『ウィンドカッター』を使えば、木が数本切れますし、雷魔法の『ライトニングショック』を使えば放電で回りの木に火がつきました。
「次、行くわよ」
マキちゃんはそう言って、魔物のいる場所に案内してくれます。
なんでも、探知魔法で魔物のいる場所が数キロに渡って判るそうです。
「雄大なる大地よ
石の針となりて
我が敵を突け
アースニードル」
今度は、電気を帯びた、ねずみ型の魔物『エレキマウス』を土で出来た巨大な針が突く。
普通は人と同じくらいの大きさの針になるのですが、私が使ったのは森の木と同じくらいの大きさです(というか、これすでに針じゃないし)。
「ん~~~なかなか上手くいきませんね」
「うぅぅ・・・・・難しいです」
森に入ってそろそろ2時間が経ちます。
初めよりは、ましになったものの、いまだに周りに被害を与えています。
初めのころは、『アースニードル』を使ったら巨大な塔ができました。(速攻でマキちゃんが粉々に切り裂きました)
「そうですね、今度は短縮魔法を使ってみましょう」
「短縮魔法・・・ですか?」
「そうです。短縮魔法は詠唱が短い代わりに威力が少ないですからね。」
「わかりました。やってみます。」
そういって、私達はまた、次の魔物がいる場所に向かいます。
「風よ、切り裂け、ウィンドカッター」
角のあるウサギ型の魔物『角ウサギ』を風の刃が切り裂きます。
今回は回りの木は切れていません。(傷はついています)
「ふむ、これくらいなら、もう少し練習すれば被害を出さなくなるでしょう」
そう言って、マキちゃんは次の魔物のいる場所に向かいます。
「あ、ちょ、ちょっと待って」
・・・・・・?
私が待ったをかけると、マキちゃんが振り返ります。
「に・・・荷物が多くてこれ以上もてないです」
私はそう言って、持ってる荷物を見せます。
両手に魔物の色々な部位を持っています。(手が血で真っ赤になっているのは気にしたら負けです)
「あ・・・・・・」
マキちゃんは、『今気付いた』って顔をしています。
「・・・・・亜空間魔法を覚えてみましょうか?」
「亜空間魔法?」
確か、亜空間魔法は古代魔法に分類されていて、今では殆ど使える人がいないはずですが・・・まぁ、マキちゃんなら使えても不思議はないです。
「そうです、亜空間魔法は基本、巨大な魔力で空間に穴を開けて使うので、リタならできるはずです」
「そう・・・・・なんですか?」
いきなりそんなことを言われても、『ファイアーボール』以外、今日始めて使った私には、ピンときません。
「心配しなくても大丈夫です、私が使い方、教えますから」
「わ、わかりました」
私はコクコクと頷きました。
「まず、魔力を集中して、空間に穴を開けます。この時、穴が大きすぎると世界に影響を及ぼすので気をつけてください。次に、あけた穴の中を自分の魔力で満たして、亜空間を固定します。魔力を身体の中で循環させたのと同じような要領で出来るはずです。最後に、空間に印をつけます。これは、作った亜空間がどこにあるか、わかるようにする為なので、自分の血を入れるのが一番簡単です。亜空間はしばらく放っておくと自然に消えます。後は印が感じ取れれば成功です。とりあえず、やってみましょう」
私は、コクコクと頷いて、言われたとおりにやってみます。
まずは、魔力を集めてっと・・・・・あ、何か黒っぽい穴みたいなのができました。
この中に魔力を循環させればいいのかな?
え~~~~いっっっと。
後は、私の血を入れてっと・・・・・痛っ、私は風の刃で指を少し切る。(あ、これって無詠唱魔法かも・・・・・)よしっと、穴も消えましたね。印はっと・・・ちゃんと感じ取れますね。成功かな?
「できました!!」
私は、思わず叫んで言います。
「じゃあこれ(魔物の部位)を入れちゃいましょ」
「うん♪」
私はそう言って、もう一度さっきの亜空間に繋げる。
「・・・・・何かえらく広い亜空間ですね。どれだけあるんですか?」
「えっと・・・・・わかんないです。とりあえず思いっきり魔力を入れて循環させてみました」
「・・・・・・・・・この星と同じくらい広かったりして」
「え゛・・・・・ま・・・まさかぁ・・・・・」
私の顔が引きつる。
うん、そのことは考えないようにしておこう。
その後、私達は夕方まで魔物を倒しながら、魔法の練習をしました。
とりあえず、短縮魔法では周りに被害を出ないようになりました。(詠唱魔法だと時々被害が出ます)
それと、今日の成果は、『森ウルフ』の爪と牙合わせて72個、『マッシュ』の傘8個、『エレキマウス』の帯電袋3個、『角ウサギ』の角13本です。
学生課に持っていくと昨日のお姉さんが少し引きつった顔をして、銀貨24枚と銅貨70枚をくれました。
寮に帰った私は、手についた血を洗うと、速攻で新しい制服を買いにいきました。
だって、制服、真っ赤になってるんですもん。
通報されなくて良かったです。
それから数日は魔物を倒しながら魔法の練習をして、手に入れたお金で普段着や部屋の小物などを揃えました。
そして、明日はいよいよ入学式です。
けれど、何故か朝からマキちゃんの様子がおかしいです。
キスしても全然怒りませんし、(今まではキスすると怒って文句を言われてた)魔物を倒している時もボーーーっとしてました。
極めつけに、いつもはお風呂で私がマキちゃんの身体を洗おうとすると、(特に前)すごい抵抗・・・というか罵倒?(『バカ』とか『消えろ』とか『変態』とか)したのに今日は素直に洗われてました。
さすがに気になって、私は寝る前に聞いてみることにしました。
「マキちゃんどうしたの?何か今日変ですよ?」
マキちゃんは、しばらく黙って私の方を見ていましたが、何か決心するみたいな顔をしました。
「・・・・・・・・・リタ、私のこと好き?」
突然のことに少し驚きましたが「もちろんです」っと私ははっきり答えます。
初めは『かわいいから』とか『私の才能が無かったのはマキちゃんのせい』なんて思ってましたけど(だから『私の物』にしたわけですしね)今はほんとに好きです。私はここ数日で思いっきり惚れてしまいました。
「なら、エッチなこともしたい?」
私は動揺しまくりました。
だって、マキちゃんからそんな言葉が出てくるなんて夢にも思いませんでしたから。
「そ、それは・・・・・・う、うん・・・思う・・・けど・・・・・ /////」
私は真っ赤になって答えます。
「なら・・・・・しましょう?」
「え?え?・・・・・な・・・なに?・・・・冗談?・・・冗談ですか?」
もう、完全にパニックです。
「本気」
そういってマキちゃんは私にキスをしてきました。しかもディープです。
「ん、・・・・んっ・・・・ぷはぁ・・・・」
マキちゃんは、キスが終わると私をベットに押し倒して、パジャマを脱がせ始めます。
「ちょ・・・ちょっ・・・・まっ・・・・」
何かいつかと逆の立場な気がします。
「嫌では・・・・・ないのよね?」
そういわれたら、「う・・・うん」としか答えられません。
「よかった」
そう言ってまた私の服を脱がせ始めます。
この日、私とマキちゃんは一線を越えてしまいました。
ここまで読んでくれてありがとう。
ついにマキちゃんとの関係が・・・・・ /////
誤字脱字報告、感想など書いてくれるとうれしいです。
次回は閑話の予定です。
え?まだ入学式にならないのかって?
すいませんすいません。