四話 魔物とお風呂
今回はちょっとエッチな場面があります。
R15くらい?
R18ではないと思います。
むしろR15ですらないかもしれません。
さて、学生課を出てから約3時間、私は『近くの森』とやらに着きました。
一言いわせてもらえば
「どこが『近くの森』ですか!めっちゃ遠いじゃありませんか!!」
すでに太陽は西に傾き始めています。
叫んでいても仕方ないので、とりあえず魔物を探すことにする。
「ねぇ、リタ」
私が魔物を探していると、後ろから尽きて来ていたマキちゃんが私を呼びます。
「ん?なに?」
「魔物探すのはいいけど、倒し方わかるの?」
・・・・・わかんないです。
「そういえば、考えてなかったです」
「・・・・・はぁ、まぁいいわ、とりあえずここで魔法の練習でもしてみない?神並みの魔力っていうの私も興味ありますから」
「そうですね、えっと・・・魔法・・・魔法・・・・」
とりあえず私は家で唯一使えた魔法である『ファイアーボール』を唱えてみることにする。
家で使った時はマッチの火みたいな小さいのしか出なかったけど・・・さてさて。
「赤く燃える炎よ
真紅の玉となりて
我が敵を焼け
ファイアーボール!!」
私が呪文を唱え終わると、1メートルほどの巨大な火の玉が出て真っ直ぐ飛んでいきます。
ドーーーーーーン
『ファイアーボール』は激しい音を立てて爆発すると、周りの木を勢い良く燃やし始めます。
私は、あまりの威力に少し呆然としてしまうが、パチパチという木が燃える音で正気に戻りました。
「マ・・・マキちゃん、どうしよう森が燃えちゃう!!」
私と同じように呆然としていたマキちゃんでしたが、すぐに我に返ると、自分と同じくらいの大きさの鎌をどこからともなく取り出して、燃えている木を片っ端から切り倒していきます。
10分後、見事に火は鎮火しました。
「まったく、何なのよ今のは!!」
「私だって知らないよ、家で使った時は小さいマッチくらいのしかでなかったもの」
「・・・・・はぁ、つまり、今のはリタの魔力が異常に上がったせいってこと?」
「そうみたいです・・・・・」
「じゃぁ、次はもう少し威力を落として使ってみて」
「・・・・・・・・・」
そういわれて、私が黙りこむと『?』っとマキちゃんは首をかしげる。
「・・・・・できなです」
「・・・はい?」
「私、魔法自体ほとんど使えなかったから、制御の仕方なんて知らないです!!」
「・・・・・・・・・はぁ」
またマキちゃんにため息をつかれてしまう。
だって、家では使うのに必死で制御まで頭になかったんだもん。
私がマキちゃんに呆れられていると、「グルルルルルル」っという声が茂みの方から聞こえてきた。
私とマキちゃんが同時に声のした方を振り向くと、10匹ほどの狼みたいな魔物が姿を現した。
どうやらさっきの音につられて出てきたみたいです。
「マキちゃん、魔物でた、魔物!!」
「リタ、落ち着きなさい」
私が慌てて言うが、マキちゃんの方は以外と冷静に答えた。
「さっきの『ファイアーボール』魔物の中心に打ち込みなさい。火の方は私が何とかしますから」
「う、うん」
私は、もう一度『ファイアーボール』を唱えるて狼のような魔物に向かって放つ。
ドーーーーン
また、森に大きな音が響いて『ファイアーボール』が炸裂する。
その一発で狼のような魔物の半数は即死、残りも火に包まれ、3匹はそのまま倒れこみ、2匹は逃走する。
2回目とわいえ、相変わらづすごい威力です。
狼のような魔物が逃げて行ったほうを見ていると、「ギャワン、ギャワン」っという鳴き声が2回して、魔物の首を持ったマキちゃんが鎮火を終えて戻ってきた。
鎌を担いで、魔物の首を持っているマキちゃんはちょっと怖いです。
「ほらこれ、依頼の時倒した魔物の部位をもってこいとか言ってなかった?」
そういって魔物の首を私に渡す。
うぅぅ・・・まだ首から赤いものが垂れてます。
私はそれを受け取り、学生証を取り出すと依頼の項目を呼び出す。
「えっと、この魔物は『森ウルフ』ランクはEで必要部位は、爪か牙を1匹に付き4個持ってくることだそうです」
「それなら早く取っちゃいなさい」
「え゛私が取るの?」
「当たり前でしょ、リタの受けた依頼なんですから」
「うぅぅ、気持ち悪いよ~~~」
「それと、今日はもう帰るわよ、リタも疲れてるでしょ?」
「うん」
私はいやいやながらも『森ウルフ』から牙38個と爪30個を手に入れる。
数が少ないのは折れるなどしてどこかへ行ってしまったみたいだからです。
そういえば、なんかマキちゃんと私の立場逆転してません?
私が学生課に牙と爪を持っていくと、お姉さんは少し驚いた顔をして銀貨8枚と銅貨50枚をくれた。
なんでも、『森ウルフ』は群れで行動するので一人だと大変なのだそうです。もちろん、Fランクでは、だそうですけどね。
その後、一旦寮に戻って手を洗うと(手にはまだ血が付いていました。お姉さんは慣れてたみたいですけど)貰った(稼いだ?)お金を持って食堂に行き、ちゃんとお金を払って夕食を食べました。
ちなみに、移動にすごく時間が掛かって、食事を終えて寮に戻ったらもう真っ暗でした。
さて、寮に戻ってきたのはいいですがマキちゃんとは主従が逆転したままです。
このままでは、私の『マキちゃんとラブラブしよう計画』に支障をきたしかねません。
これは由々しき事態です。
「っということで、お風呂に入りましょう」
「・・・・・は?」
私がそう告げると、マキちゃんは疑問の声を上げます。
「だから、私と一緒にお風呂に入りましょうって言ってるんです」
「・・・嫌よ、恥ずかしいじゃな・・・・・グエ・・・首が・・・・」
「はい、残念でした、それでは服を脱ぎましょうね~~~~」
「あ・・・・ちょ・・・や・・・やめなさい、この変態!!」
マキちゃんは抵抗しようとしますが、そうすると首輪が締まるのでできません。
その間に、私はマキちゃんの服を脱がしにかかります。
「女の子同士なんだから恥ずかしがらなくてもいいじゃないですかぁ~~」
「・・・や・・・ちょっ・・・まっ・・・・わ・・・わかった、入る、入るからやめて、自分で脱ぎますから!!」
「ほんと?」
「ほんとです、これもありますしね」
そう言ってマキちゃんは首輪をつつく。
「・・・・・・はぁ、すぐ行くので先に入っていてください」
「うん。わかった♪」
さぁ、楽しいお風呂タイムのはじまります。
トントン、「入るわよ」
そう言ってマキちゃんがお風呂の中に入ってきました。
ん?なにか違和感がありますね?なんでしょ?
「・・・・・もう、ジロジロみないでください」
「あ、ごめんごめん」
マキちゃんは顔を少し赤くして言うと、お湯の中に入ってきました。
マキちゃんとってもかわいいです。
ん?そうか!羽!!
「マキちゃん、羽どうしたの!?なくなってますよ!!」
「あぁ、それなら外してきましたよ?」
!?
外した!?
「え?え?羽って外せるものなんですか?」
?
「えぇ、外せないと寝るときとか不便でしょ」
「そ・・・そうなんだ・・・・」
衝撃の事実です!!
「あ、もしかして背中から直接、羽が生えてると思ってた?」
「え!?違うんですか!?」
「えぇ、あの羽は天界で売ってる道具の一つよ、魂って空飛んでっちゃうから、死神には必須のアイテムなの」
なんか、天界のイメージがわからなくなりました。
まぁ、そのことはとりあえず置いておいて、
「マキちゃん、身体洗うので手伝ってください」
「じ・・・わかった」
何か言おうとしましたが、あきらめて洗ってくれるみたいです。
マキちゃんに背中をゴシゴシしてもらうと、すごく気持ちいいです。
「終わったわよ」
「ありがと、前もお願いするね」
私はクルっと半回転してマキちゃんの方を向きます。
「・・・・・本気?」
「もちろん」
「・・・・・わかったわ」
平気な振りして答えましたが、実はかなり心臓がドキドキいってます。
顔も赤くなってるかもしれません。
まぁ、マキちゃんの顔も少し赤くなってますけどね。
一通り洗ってもらうと、お湯をかけて石鹸を落とします。
「それじゃ、次は私の番ね。後ろ向いて」
私がそう言うと、マキちゃんは素直に半回転してくれました。
まぁ、向き合っているのが恥ずかしかったからかもしれませんけどね。
私はマキちゃんの背中をゴシゴシと丁寧に洗います。
それにしても白くてすごく綺麗な肌です。
「背中終わったよ、次は前ね」
「ありがとう・・・・・って、前はいいわ、自分でやります」
「まぁまぁ、遠慮しないで」
私はそう言いながら後ろから手を回して、抱きつくような形でマキちゃんを洗いに掛かります。
「遠慮なんてしてな・・・・あ、ちょ・・・やめ・・・・ぁんっ・・・・」
それから数分後
「私は汚されてしまいました・・・・もうお嫁にいけない・・・・・」
なんて言ってるマキちゃんが一人。
「大丈夫です。いざとなったら私がもらってあげます。というか、マキちゃんはだれにも渡しません!!」
私は、大声でそう宣言してあげました。
「さぁ、こっち来て、一緒に寝ましょう♪」
ちなみに、この部屋にはまだ1つしかベットはありません。
「うぅぅぅぅ・・・・・」
マキちゃんはフラフラしながらこっちにきます。
「おやすみなさい、ちゅっ」
ベットまで来たところでキスしてあげました。
頬とかじゃなくて唇にね♪
!?
「ファーストキスまで奪われました!!」
その日、私はマキちゃんに抱きついて眠りました。
とても幸せな気持ちです。
ふぅ、やっと四話完成です。
ここまで読んでくれた方ありがとう。
誤字、脱字、感想などくれるとうれしいです。
次回は入学式・・・までいけるといいなぁ・・・・
え?そのあいまいな態度はなんだって?すいませんすいません。