三話 死神の名前と空腹
タイトル変えました。
思いのほか長くなってしまい一話ではきつくなってしまいました。
すいません。
「ん、まぶし・・・」
私は、窓から差し込む光で目を覚ました。
「・・・ここは?・・・・あ、学園について・・・」
久しぶりにゆっくり寝たので少し寝ぼけてポケーとしていましたが、だんだんと意識がはっきりしてくるにつれ、昨日のことを思い出してきました。
「死神!美少女!私の物・・・痛ッ!!」
私は夢?で起きた出来事について思い至って声を上げると首に微かな痛みが走る。
「寝違えたかな?・・・ってそれより死神は?」
私は部屋をきょろきょろ見渡します。
そして、部屋の隅でぶつぶつ言ってる死神を見つけました。
「夢じゃなかった♪」
私がそういうと、死神は静かにこちらを向いて
「・・・・・今、何ていいました?」
「夢じゃなかった?」
「その前です。私のこと、今なんていったのかな?」
死神が引きつった顔になる。
「私の物?」
「・・・・・あなた・・・死にたいみたいですね?」
「えぇ~、だってあなたはもう私の物でしょ?」
「ふふ、いい度胸です、きっちり殺してあ・げ・る♪」
死神が引きつった笑顔で近づいてくる。
ちょっと怖い。
「そ、それより、名前なんていうのかな?」
「・・・・・ふん、あなたに名乗る名前なん・・・グエ・・・・・く・・・首が・・・・・」
よく見ると死神には白くて可愛い首輪がついて、その首輪が絞まって苦しそうにしているみたいです。
「・・・大丈夫?」
「・・・・・・・・はぁはぁ・・・・・・くぅぅ」
私が声をかけると、すぐに緩んだのか、息を吸い込み涙目で睨んでくる。
けれど、全然怖くないです。
むしろ涙目になっててかわいい?
「・・・・・真貴・・・黒衣 真貴よ」
・・・・・・?
あ、名前のことね。
それにしても・・・・・
「日本人見たいな名前ですね?」
「・・・・・悪い?」
悪いとか悪くないとかじゃなくて、なんで死神が日本人みたいな名前なのか聞いてみたかったんですが・・・・・まぁ、細かいことはいいですか。
それより・・・真貴・・・まき・・・・マキ・・・・・・・マキちゃん、うん『マキちゃん』にしましょう♪
「いえ、悪くないです、ではこれからは『マキちゃん』って呼びます♪」
「・・・・・なれなれしいですね、何が『マキちゃん』ですか、マキ様っていいな・・・・・・・グエ・・・・ま・・・また首が・・・」
どうやら私に反抗するとあの首輪が締まるみたいですね。
「・・・・・・・・はぁはぁ・・・くぅぅぅぅ『マキちゃん』でいいです」
死神・・・マキちゃんは涙目で悔しそうにしている。
うん、やっぱり涙目のマキちゃんかわいい♪
「マキちゃん、マキちゃん、マキちゃん」
「連呼しないでください!!」
「・・・・・ちぇっ」
「『ちぇっ』じゃないです、あぁぁもう、なんなんですかあなたは!!」
「ん?リタ?」
「そういうことじゃなくて!!・・・・・はぁ、もういいです」
ん?あきらめたみたいですね。
「それじゃぁ、これからは、リタって呼んでくださいね、マキちゃん♪」
「はいはい、わかりましたよ、リタ」
やった♪
美少女にリタって呼ばれました。
なんかうれしい♪
さてっと、名前もわかったことですし、色々聞いてみますかね。
まずは・・・・・
「ねぇ、マキちゃん、私の才能ってどうなったの?やっぱりないまま?」
「ん?えっとですねぇ・・・!?」
ーーーーーーー?
どうしたんでしょ、ノートみたいな物をどこかから取り出して見ていたマキちゃんが、なにか驚いてるみたいです。
「・・・・・ごほん、まず、魔力、体力、知力などですが、神と同格になってます。次に、剣術、魔術、弓術、馬術など経験が必要なものですが、すごい速度で上達し、限界もありません。やりようによってはドラゴンだろうと魔王だろうと倒せるようになります。他にも、見たものは全部覚えられますし、精霊との相性も全属性バッチリで精霊王とだって仲良くなれます。」
・・・・・・・・は?
ちょっと待って、神とか魔王とか、聞こえたんですが・・・冗談ですよね?
「あ、ちなみに不老不死にもなってますよ。ここまで来ると、もう人間じゃないですね・・・・・おめでとうございます」
マキちゃんがニヤニヤして私をみてきます。
「・・・・・・・・・ありがとう?・・・・・じゃなくて、マジですか?」
「はい、マジです。私の首が絞まってないのが証拠です」
「あはは・・・あ・・・う・・・・・せ・・・世界でも征服しますか?」
「いいですね、なんならお手伝いしますよ?」
あぁ、マキちゃんすごくいい笑顔してます。
それにしても、どうしましょうか、人間じゃなくなるなんて・・・・・ん?
私は、あることに気付いて顔をペチペチする。
呆然としていた私が、突然顔をペチペチ叩いているものだからマキちゃんは『?』っとハテナマークを浮かべています。
・・・・・よく考えたら、人間じゃなくなっても別にいいんじゃないでしょうか?
外見が変わったわけではないみたいですし、(相変わらず美少女のままです←これ重要)能力が上がったのはいいことです。(上がりすぎなのはこの際きにしません)
不老不死っていうことは『永遠の美少女』っていうことですし、知り合いがどんどん先に死んでいくのは辛いかもしれませんが、私にはマキちゃんがいます。(死神なら死んだりしないはずです)
なんだ、全然問題ないじゃないですか、むしろいいことだらけです♪
そこまで考えが及んで、ほっとしていると、『くぅ~~~~』っとかわいらしい音がしました。それも、私のお腹辺りから。
そういえば昨日の朝から何も食べてないです。(馬車では、一日二食で、夕方に学園へ着いたので夕飯は食べていません)
とりあえず、ご飯食べに行きましょう。
「マキちゃん、ご飯たべにいきましょ」
「ええ、いいわよ・・・・・ぷくく・・・・」
そういって、マキちゃんの方を見ると、口を押さえながら肩を震わせていました。
まぁ、そんな姿もかわいいんから、許しますけどね。
私たちが寮の食堂に行くと、誰もいませんでした。
仕方ないので、寮の管理人室に行って聞いてみると、今はほとんどの寮生が実家に帰っているので、寮ではご飯を作っていないといわれました。
ピンチです。
外食しようにも、私は家を追い出されるように出てきたので、お金なんて持っていません。
管理人さんに今はお金を持っていないことを話すと、少し考えた後、どこかに連絡しているようでした。
私が『?』ってなっていると「学園の食堂に行ってきなさい。食堂のおばちゃんが待っててくれるそうよ」っと言って、学生証の地図機能の使い方を教えてくれました。
管理人さんはいい人のようです。
歩くこと30分、やっと食堂に着きました。
昨日も思いましたが、この学園広すぎです。
私が、食堂に入ると「お、やっと来たかい、ご飯できてるよ」っと昨日会ったおばちゃんに言われました。
そういえば、食堂にいるとかいってましたね。
「はい、ありがとうございます」
私が、笑顔で答えると、「お、なんだか元気になったみたいだねぇ、よかったよかった」っと言われました。
私のこと心配してくれてたみたいです。
なんだかうれしいですね。
私は、朝ご飯を受け取ると適当にその辺にあるテーブルに着きました。
そういえば、マキちゃんはご飯食べないのでしょうか?
ふと、そう思って後ろを見てあることに気付きました。
マキちゃんの背中には白い綺麗な翼が付いてます。
あれ?なんでおばちゃん驚かなかったんでしょう?
そういえば、管理人さんも驚いてなかったような・・・。
「マキちゃん、マキちゃん、もしかして私以外の人には姿見えてない?」
私が聞くと、マキちゃんは少しキョトンとしました。
「あぁ、はい、見えてないですよ、私は死神ですから、基本的に死んだ人以外には見えないよう認識疎外が掛かってます」
ふむ・・・・・ということは
「もしかして、マキちゃんと話してると独り言いってる変な人になります?」
「・・・・・そう、ですね・・・あ、でも、リタとは一応『契約した』という形になってるはずですから念話でも話せると思いますよ」
念話?
それって心の中で思っただけで相手に伝わるっていうのですよね。
少し、やってみましょう。
(マキちゃん、マキちゃん、こちらリタ、聞こえますか?)
(はいはい、こちらマキちゃんです、ちゃんと聞こえてますよ)
おぉ、通じました♪
これは、以外と便利かも知れませんね。
テストの時にカンニングしたりもできそうです。
(・・・・・リタ、まだ念話繋がってるわよ?)
(あ・・・あはは、冗談ですよ、冗談)
(そうなの?私は良くやってましたけどね)
(え!?マキちゃんやったことあるの!?)
(えぇ、死神にもテストはありますので、これでも私、カンニングのプロですよ?)
(あは・・・は・・・マキちゃん、プロなんだ・・・)
(えぇ、なんなら教えますよ・・・・・あ、でもリタは見たもの全部覚えれるので必要ないかも?)
(そういえば、そうでしたねぇ~)
なんて念話で話している間に私は朝食を食べ終えたので、「ごちそうさま」と言って食器をおばちゃんの方に持っていきました。
「お、食べ終わったのかい」
「はい、ごちそうさまでした」
「よし、じゃぁ後は私がやっておくんで、あんたは学生課の方に行ってきな」
「学生課?ですか?」
「あぁ、そこに行けば色々依頼が受けられるからね、お金を稼ぐこともできるんだよ」
「なるほど、何から何までありがとうございます」
「いいってことさ、それよりこの学園は大変だけど頑張りなよ」
「はい、ありがとうございます」
「ありがとうはもう聞いたよ、さぁいっといで」
「はい♪」
私は笑顔で答えて、食堂を後にしました。
そして、30分後、や・・・・やっと着いた・・・なんなんでしょうこの学園広さ・・・いじめですか?
それに、こんなに広いと色々支障がそうですが、大丈夫なんでしょうか?
まぁ、いいです。
それよりも今は、お金です。
「すいませ~ん、誰かいませんか?」
学生課のある建物に入ったのですが、誰もいなかったので、カウンターに行って、呼んでみることにします。
「はいは~~い、今行きま~~す」
返事が来たので少し待っていると、奥の部屋から若いお姉さんが出てきました。
「こんな時期に来るなんてなにかありましたか?」
「いえ、学園に少し早く着いたのはいいんですが、お金を持こなかったんです。ここにくれば依頼が受けられると言われたんですが、私でもできそうなのってありますか?」
「あぁ、もしかして新入生の方ですか?学生証もってます?」
「あ、はい、これですよね」
「そうです、確認しますので少し待っててくださいね」
そういってお姉さんはカウンターの中にある水晶玉みたいなのを使って何か確認しています。
「はい、確認できました。リタ=ロスト=ケミアさんですね」
ん?、ケミア?
・・・・・そういえば、クロスロードは名のれないんでしたっけ。
「はい、そうです」
「あなたが、今受けられる依頼は、この4種類ですね」
私は、出された依頼書を見てみる。
ランクF 学園の草むしり 期間は1日 報酬は銀貨5枚
ランクF 学園で飼っている『昼鳴きニワトリ』の卵取り 期間は1日 報酬は銀貨1枚
ランクE 学園の近くに出る『角ウサギ』を30匹退治 期間は入学式まで 報酬は銀貨10枚
ランクなし 学園の近くにある森で魔物を退治してくる 期間はなし 報酬は倒した魔物の種類、数によって変動
ん~~~草むしりはパス、この学園広すぎですから、卵取りも避けたいですね報酬安すぎです。
となると、『角ウサギ』か『森の魔物』になるけど・・・『角ウサギ』って30匹倒すまでお金貰えませんよね。
さすがにそれは厳しい。
「この森の魔物退治お願いしていいですか?」
「はい、こちらですね」
お姉さんは、水晶玉を使って依頼の登録をすると、預かっていた学生証と小さな水晶玉(ビー玉くらいの大きさ)を渡してくれました。
「では、これから注意事項を言いますので良く聞いてください。まず、あなたはFランクですので森の奥には入らないでください。森には奥に行けば行くほど強力な魔物がいます。もし、入ってしまったり迷った時はその水晶玉を擦ってその場から動かないでください。場所にもよりますが10~15分で迎えが来ます。
次に、もし倒せないような魔物に出会ったら、迷わず水晶玉を割ってください。すぐに助けが向かいます。ペナルティは発生しますが、命を落とすよりはましです。
そうそう、水晶玉は意外と割れやすいので気を付けてくださいね。
魔物を退治した時ですが、退治した証として、必ず指定されている部位を持ち帰ってください。詳しくは学生証の『依頼』で確認できますので、後でよく見ておいてください。
以上で注意事項は終わりです。
最後に、このことを踏まえて、この依頼を受けるかもう一度聞きます。この後、依頼をキャンセルするとペナルティが発生するので慎重に答えてください。」
「あなたは、この依頼を受けますか?」
私は、迷わず答える。
「はい」
「では、これで依頼の登録を終わります。頑張ってくださいね」
ここまで、読んでくれてありがとうございます。
書くのに時間が掛かってしまいすいませんでした。
誤字、脱字、感想など書いてくれるとうれしいです。
次回はモンスターとお風呂です。ご期待ください。
え?またタイトル変えるつもりだろうって?
ほんと、すいませんでした。