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巡る世界  作者: 時世
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四十四話(裏) リリー(前編)

四十四話(裏)完成しました。


つい長くなってしまったので前編と後編に分けることにしました。

すいません。



真っ白なテーブルの上には、豪華な料理が置いてあって、部屋の隅には大勢のメイドさんがズラーーと並んでます。

そこで、お父様、お母様、お兄様、お姉様、私の5人がお話をしながら食事をしています。

お話と言っても、お兄様やお姉様の仕事ぶりや私の勉強の出来などです。

本当はもう1人、私には大好きなお姉ちゃんがいるんだけど、今は家をでちゃってて、そのことを話すと、みんな「リタのことはもう忘れなさい」といいます。

私は、お姉ちゃんのことが心配です。


お兄様とお姉さまのお話が済むと、お父様はワインを一口飲みました。

お父様がワインを飲む時は、機嫌がいい時です。

今日は何かいいことがあったのかな?


「お前達、私は明日から王立リーン学園の方に行くことにした。どうやらあのリタが頑張っているようなのでな、少し様子を見てこようと思う」


ちょっとびっくりです。

私が名前を言うだけで、いつも不機嫌になっちゃうお父様の口から、お姉ちゃんの名前が出てくるなんて思わなかったです。


「お父様、リタって誰ですか?」


私が目を輝かせている隣で、お兄様とお姉様が不思議そうな顔をしてます。


「リア、何を言ってる?お前の妹のリタのことだ」


お父様が困った顔で言うと、「そういえば、そんなのもいたわね」とお姉様は呟きました。

お兄様も、『今思い出した』って顔してます。

お姉ちゃんのこと忘れるなんて2人とも酷いです。


「そんなことより、何でお父様があいつのためにわざわざ学園まで行くんですか?様子を見に行くくらいなら、その辺のメイドにでも行かせれば良いのでは?」

お兄様の言葉に、お父様は苦笑します。


「確かにそのとおりなのだがな、今回は少し確かめたいこともあるんだ、何でも『あのリタ』がゴードン公爵の息子を病院送りにして、王国大会で優勝したそうなのだ」


それを聞くと、私も含め、みんな目を見開いちゃいます。

優勝したと言うのは私も少し信じられません。

お姉ちゃんは優しかったですが、『強い』という風には見えなかったです。

もしかして、強いこと隠してたのかな?


「ふはははは、冗談でしょう、『あのリタ』が王国大会で優勝?そんなことあるわけありません」


急にお兄様が笑います。


「確かに私も初めはそう思ったのだがな、このことはゴードン自身から聞いたのだ。この前奴が、「おい、クロスロード!!お前の領にいるケミアとか言う姓の連中をよこせ。そこの娘が、鷲の息子を病院送りにしやがった。全員同じ目にあわせてやる」と怒ってきたのだ。しかし、この領に、『ケミア』なんて姓の連中は住んでおらん、そこでよくよく話を聞いてみると、どうやらリタのことを言っているらしいのだ。私も忘れていたが、ケミアというのはリタがこの家を出る時、くれてやった姓だ」


お父様は、一気にそこまでしゃべると、もう一口ワインを飲みました。


「きっと何かの間違いだとは思いますが、そういうことなら仕方ないですね。まったく、何時までも面倒をかけるやつだ」


お父様の話を聞いたお兄様が『やれやれ』と言った感じで手を振ると、お姉様も苦笑しました。


本当にお兄様とお姉様は酷いです。

けれど、これは私にとっては大好きなお姉さまに会うチャンスかもしれません。


「お父様、それなら私も連れてってくれないですか?学園と言うところも見たいです」


私は、あえて『お姉ちゃんに会いたい』ではなく、『学園が見たい』と言いました。

だって、そうじゃないと連れて行ってくれないかもしれないですから。


「ふむ、リリーは学園が見たいのか・・・・・いいだろう連れて行ってやる、あの学園は王国一だしな、いい経験になるだろう」


やった、これでお姉ちゃんに会えます。

明日が取っても楽しみです。


「お父様、ありがとうございます」


こうして、私はお姉ちゃんの居る、王立リーン学園に行くことになりました。






翌朝、私が準備を終えて外に出ると、とても豪華な馬車が家の前に止まっていました。


「リリー来たか、そろそろ出発するから早く乗りなさい」


私が馬車に驚いていると、お父様が馬車の中からそういいました。


「お父様、こんな豪華な馬車で行くの?」

「そうだぞ、私だけならいいが、リリーを粗末な馬車に乗せるわけにはいかんからな」


どうやら、お父様は私のためにこの馬車を用意してくれたみたいです。

私は大喜びで馬車に乗りました。






学園に向かってから数日、お父様の話では今日のお昼には着くそうです。


もうすぐ、お姉ちゃんに会えます。

私はワクワクしながら馬車の外を見ていました。



ヒヒィィィィィン



その時です。

急に馬が悲鳴をあげ、馬車が止まると、周りが騒がしくなりました。



キンッキンッ



外から剣のぶつかり合う音が聞こえます。

盗賊でも出ちゃったのかな?


「リリー、何かあったようだ、私は外を見てくるからお前はここでおとなしくしていなさい」


お父様がそう言って馬車から降りていきます。

怖いです。

護衛の人もいるので大丈夫だと思うけど、それとこれとは話が違うのです。



ドーーーン



しばらくすると、お父様が使う魔法の音が聞こえてきました。

どうやら、お父様も戦っているみたいです。

お父様まで戦っているということは、もしかして私が思っている以上に状況は悪いのかな?

どうしよう、すごく怖いです。

でも、こうしていてもどうにもならないです。

私は勇気を振り絞ると、念のために持ってきた剣を抜いて、外に出ます。


「お父様、私も戦います」

「・・・・・リリー無茶はするなよ」


馬車から私が出ると、状況は最悪でした。

護衛の人達はすでに皆やられていて、お父様が1人で盗賊と戦っていました。


「分かっています。その辺の輩に負けない自信はありますが、この人数相手に突っ込んで無事で済むと思うほど未熟なわけでもありませんから」


私はそう言って、お父様の背中につきます。

うぅぅ、血の臭いで吐きそうです。


そこへ、1人の盗賊が切りかかってきました。

私はその盗賊を一刀の元、切り殺します。


戦い方は身体が覚えているようです。

でも、人を殺すのは生まれて初めてです。

手に、人を切った感触が残っています。

うぅぅ・・・・・気持ち悪い・・・・・。



しばらくの間、嫌悪感を必死に抑えて戦っていると、お父様が私を抱えて飛びました。



ドーーーン



さっきまで私が居たところに岩が落ちてきました。

お父様が助けてくれなければ、私は潰ちゃってたでしょう。

助かりました。

お父様にお礼を・・・・・!?

お父様が怪我をしています。

ど、どうしましょう?


「リリー、私が時間を稼ぐ、お前は逃げるんだ」

「そんな、お父様を見捨てて逃げるなんて出来ません」


私はとっさに言い返してしまいます。

確かに、お父様が時間を稼いでくれれば、私だけなら逃げれるかもしれないけど、怪我をしているお父様を置いていくなんて私には出来ません。


私は、お父様の前に立って、盗賊を睨みつけます。


「元気なお譲ちゃんだ。きっと高く売れるだろうよ」


偉そうな盗賊がそういうと、周りにいる盗賊達が私に襲い掛かってきます。

私は必死に応戦しますが、すぐに組み敷かれてしまいました。


悔しいくて、目に涙が溜まります。


私の顔を組み敷いている盗賊がニヤリと笑い、拳を振り上げます。


私は、これから来る痛みに備えて、目を強くつぶりました。



ザシュ



・・・・・?

おかしい、衝撃がこないです。


私は恐る恐る目を開けました。

するとそこには、黒い髪をしたお姉さんが立っていました。

私を組み敷いていた盗賊は、首がなくなっています。


お姉さんは何か言うと、すごい速さで盗賊達を倒してしまいました。

その光景を私は呆然と見つめました。


「娘に向かってそれはないんじゃないですか?お父さん」


お父様が何か言うと、お姉さんがそう答えました。


お父さん?

私は、『ハッ』としてお姉さんの顔を良く見ます。

間違いありません。

このお姉さんは・・・・・私のお姉ちゃんです!!


「お姉ちゃん!!」


私は、お姉ちゃんに飛びつきます。

すると、お姉ちゃんが抱っこしてくれました。

お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん。

本当に私の大好きなお姉ちゃんです。


「リリー久しぶりね」

「うん、久しぶり~~~」


私は、顔を輝かせていました。


「リタ、馬車は大丈夫みたいです」


私が、お姉ちゃんに抱っこされていると、馬車の方から、金色の髪をした綺麗な人が出てきました。

お姉ちゃんの友達でしょうか?




馬車が無事だったので、私はお姉ちゃんと一緒に馬車に乗ります。

馬車でも私はお姉ちゃんの隣に座って、腕に抱きついています。

久しぶりのお姉ちゃんは、前と変わらず、良い匂いがします。


「ん?マキちゃんのことですか?私の恋人です」


私が抱き付いて、匂いをかいでいると、不意にお姉ちゃんがそういいます。


え!?

どういうことですか?

お姉ちゃんの恋人?

この人が?

女の人なのに恋人?

ダメです。

お姉ちゃんは私のものです。


「お姉ちゃんの恋人?女の人だよ?」


お姉ちゃんに不思議そうな顔で聞きますが、内心はすごく焦っています。

どうしよう、どうしよう、どうしよう、お姉ちゃんが取られちゃいます。


「女の人でも愛さえあれば恋人になれるのよ」


私の言葉はお姉ちゃんに簡単に返されちゃいます。

お姉ちゃんはそんなにこの人が好きなの?

いやいやいやいやいや。


「そうなの?私もお姉ちゃん好きだから恋人になれる?」


あ・・・・・抵抗のつもりで、つい本音を言ってしまいました。

どうしよう・・・・・お姉ちゃんに振られたら私は生きていけません。


「もちろん、なれますよ、愛の前には性別も年齢も関係ありませんから」


いやいや、お姉ちゃんに振られ・・・・・え?

今、お姉ちゃん、私を恋人にしてくれるって言った?

え?え?

これって夢じゃないよね?


「じゃぁ、私もお姉ちゃんの恋人になる~~」


私がそう言って、お姉ちゃんにキスをします。

お姉ちゃんはそれを、笑顔で受け入れてくれました。











その後、私達は学園に着きました。

お姉ちゃんの恋人になれるなんて今日は人生最良の日です。






あれ?

でも、金色の髪の人も恋人なんですよね?

どういうこと?





ここまで読んでくれてありがとう。


何か後半リリーが壊れています。

子供目線で書くのは難しいかったです。


誤字、脱字、感想など書いてくれるとうれしいです。


次回は後編です。


え?リリーの行動に違和感を感じる?


すいませんすいません。

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