四十話 交渉?
四十話完成しました。
今回は少し少なめです。
(ティアだけずるいです)
私がティアと『いちゃいちゃ』していると、それを見ていたマキちゃんが念話でそう言います。
けれど、ここは教室です。
他の人には見えてないマキちゃんと『いちゃいちゃ』することはできません。
教室でティア『いちゃいちゃ』するのも問題があるかもしれませんが、私は気にしていません。
(私もここでリタと『いちゃいちゃ』して周りの人に見せ付けたいです)
ふむ、確かに私もマキちゃんを皆に自慢したい気持ちはあります。
何かいい方法はないでしょうか?
ん~~~そうですねぇ・・・・・・・・・・!!。
いいこと思いつきました。
マキちゃんを編入させましょう。
(マキちゃんって普通の人にも見えるようになれますよね?)
私は念のためマキちゃんに聞いてみます。
アンには姿を見せることが出来たので大丈夫だとは思いますけどね。
(ん?できますよ)
(それなら、マキちゃんもこの学園に編入しませんか?)
(編入ですか?)
(そうです。そうすればマキちゃんもここで私達と『いちゃいちゃ』できます)
(なるほど、さすがリタです)
よし、そうと決まれば膳は急げです。
早速学園長を脅しに・・・・・交渉しに行きましょう。
「ティア、そういうことですので、ちょっと学園長室まで行ってきます」
「はい、私もマキと一緒に学園生活を送りたいので大賛成です」
ティアも賛成してくれたので、私はマキちゃんを連れて学園長室に向かいます。
もちろん、マキちゃんは途中で他の人にも見えるようになっています。
トントン
「学園長、リタです。入りますね」
私はそう言って学園長の返事も待たずに中に入ります。
遠慮?そんなもの学園長には必要ないです。
「ふぉ?ちょ、ちょっと待つのじゃ!!」
私とマキちゃんが学園長室に入ると、学園長は私達の担任とお楽しみの最中でした。
これは予想外です。
まさか、私達の担任と学園長がそういう関係だとは・・・・・。
仕方ないので一旦私とマキちゃんは学園長室を出ます。
それにしても、学園長ってすでにかなりの歳ですよね?
アンが15ですから・・・・・両親がアンを20で生んだとして・・・・・少なくても50は越えてますね。
見た目からすると70くらい言ってそうですが・・・・・。
なんというか・・・・・元気なじじいですね。
まぁ、弱みを握れたので私としてはラッキーでしたけどね。
しばらくすると、担任の教師が学園長室から出てきて「このことは内緒ですよ」と言いました。
私はそれににっこり笑って頷いておきます。
すると、安心したのか担任の教師はその場を離れていきました。
それを見送った後、私とマキちゃんはもう一度学園長室に入ります。
「学園長、先ほどは失礼しました」
「な、何のことじゃ?ワシは何も知らぬぞ?」
ふむ、なかったことにするつもりですか・・・・・まぁ、いいですけどね。
そういうことなら早速脅迫・・・・・交渉に入りますかね。
「学園長、マキちゃん・・・・・この子を編入させて欲しいんですけど、いいですか?」
「マキ=クロイです」
マキちゃんが学園長の前に出ます。
「ふむ、編入とな?」
「そうです。いいですよね?」
「試験さえ通れば大丈夫じゃが・・・・・あまり聞かぬ名前じゃの?星名も持っておらぬのか?」
そういえば・・・・・名前のことは考えてなかったですね。
どうしましょうか?
「私はかなり遠くにある村から来たので名前が変わっているのはそのせいです。星名も私が生まれた村にはありませんでした」
私がどうしようか考えていると、マキちゃんがそういいました。
ふむ、ここはマキちゃんにまかせましょう。
「なるほどのう、しかし、そんなに遠くからどうしてこの学園に来ようと思ったのじゃ?」
「それは・・・・・実は私、ある事情で村を追い出されてしまい。困っているところをリタに拾われたんです。今はリタの部屋に置いてもらってますが、ここを出ると行く当てもないんです。そのことを話したらリタが「それなら一緒に学園に通いましょう」と言ってくれたんです」
マキちゃんは、少し悲しそうな顔をして学園長にそういいます。
さすがマキちゃん、すごい演技です。
学園長も『しまった』って顔をしてます。
「それは悪いことを聞いてしまったのう。わかった、とりあえずこの書類を書くのじゃ、あとの手続きはワシがやっておこう。試験だけは受けてもらうことになるが、なに、安心するが良い、もし落ちてもリタの部屋に住むことの許可だけは出してやるワイ」
お、学園長が編入を認めてくれました。
しかも、試験落ちても部屋に住むことを認めてくれるとか、学園長を少し見直しました。
ただのエロじじいではなく、優しいエロじじいだったんですね。
まぁ、マキちゃんなら試験に落ちることなんてないでしょうけどね。
マキちゃんが書類を書いて学園長に渡します。
これで後は試験に合格するだけですね。
あ、そうです。
「学園長、ついでにもう1つ聞いて良いですか?」
「ん?なんじゃ?」
「アンって今どういうことになってるんですか?」
私が聞くと、学園長は少し暗い顔になりました。
「家からの授業料が止まって居るから今は休学扱いじゃ。しかし、このままではそのうち退学になるじゃろう。奨学金がもらえるほど出来のよい孫でもないし、ワシとも縁が切れてしまって居るのでどうしようもないんじゃ」
ふむふむ、今のところ退学にはなってないんですね。
それならどうにかなるはずです。
「それなら、これでどうにかなりませんか?」
私はそう言って金貨を50枚ほど出します。
それを見て学園長が目を見開きます。
「こ、これだけあれば大丈夫じゃが、おぬしこんな大金どうしたのじゃ!?」
学園長が叫びます。
「この前Sランク依頼クリアしたじゃないですか、そのときの報酬ですよ」
私がそう言うと、学園長は『そういえば、そうじゃったな』って顔をしました。
本当は盗賊から盗んだお金ですけど、黙っておきます。
「ほ、本当によいのか?ワシは孫が学園に通い続けられるのなら大歓迎じゃが、おぬしは損するだけじゃぞ?」
「もちろん、無条件ではないです。マキちゃんとアンを私のクラスに入れてくれることが条件です」
いわゆる、一種の裏金ですね。
「それくらいなら問題ない、アンは落第扱いにすれば良いしの。退学になるよりはずいぶんましじゃ」
「交渉成立ですね」
私はにっこりと笑ってそういいます。
ふぅ、上手くいってよかったです。
結局、脅す必要もなかったですしね。
さてさて、私達のクラスになったのを知った時のアンの反応が楽しみです。
「リタ君、孫のこと、何から何まですまんのぅ」
「いえいえ、では、私達はこれで失礼しますね」
編入手続きが終わった私達が学園長室を出ようとした時、学園長がそう言ったので、私は笑顔でそう答えておきました。
「アン、アンちょっと来てください」
私は部屋に戻るとすぐにアンを呼びます。
「なんですか?私、今忙しいんですけど?」
アンはそう言って、お菓子を食べながら私のところに来ます。
全然忙しそうに見えません。
最近アンがニート化してる気がします。
「アンは来週から私達のクラスに編入することが決まりました。おめでとうございます」
「・・・・・・はい?」
私がそう告げると、アンは間の抜けた顔をしました。
どうやら理解が追いつかないようですね。
「ですから、アンは来週から私のクラスメートになるんです」
「何言ってるんですか?私は2年ですよ?もうボケましたか?かわいそうに」
むぅ・・・・・こんなかわいい私に向かって『ボケてる』なんて言うとは失礼ですね。
これはお仕置きが必要です。
「ボケてませんよ、退学になりそうだったアンを『わざわざ私が』学園長を説得して『私達のクラスに入るなら』ということで認めさせたんですよ?」
『わざわざ私が』と言うのを強調しておきます。
本当はお金さえあれば私達のクラスに入れる必要はなかったのですが、それは内緒です。
お金のことも含めてね。
「え?そ、そうだったの・・・・・その・・・・・あ、ありがとう」
アンが少し照れくさそうにお礼を言いました。
けれど、私を『ボケてる』といったのは許してあげません。
「そうそう、アンは私のメイドですので、学園でもメイド服でお願いしますね」
私がそう言うと、アンが『ピキッ』と固まります。
「大丈夫です。私が誰に文句言わせませんから」
「そ、そういう問題じゃないです!!・・・・・け、けど、リタがそう言うのなら仕方ないですね、メイド服で通ってあげます」
あ、あれ?
なんだか思ったより素直にメイド服を了解しました。
てっきりもっと反論するかと思いましたが・・・・・。
しかも、少しうれしそうに見えるのは私の気のせいでしょうか?
むぅ、時々アンのことが分からなくなります。
まぁ、学園でもアンのメイド服が見れるということで良しとしますかね。
こうして、マキちゃんとアンは私のクラスに編入することになりました。
そうそう、マキちゃんですが、編入試験をパーフェクトで通過したそうです。
さすがマキちゃんです。
クラスに来る日が待ち遠しいです。
ここまで読んでくれてありがとう。
なんか、また話だけで終わってるような・・・・・。
誤字、脱字、感想など書いてくれるとうれしいです。
次回は、編入です。
え?今回短すぎだろって?
すいませんすいません。