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巡る世界  作者: 時世
41/58

三十五話 ドラゴン

三十五話完成しました。


今回は戦闘です。


(リタ、リタ、聞こえますか?)


私達が『竜の卵』を手に入れて、走っていると、ティアから念話が届きました。


(聞こえますよ、何かありましたか?)

(少し不味い事になりました。今、この町の近くにドラゴンが現れたそうで、貴族の人たちが退治に向かうそうです)


むぅ、これはやばいですね。

下手すると私達が付く前に何人か死んでしまうかもしれません。


(ティア、私達もすぐにそちらに行きますので、貴族達を守ってあげてください)

(わかりました。何とかやってみます)


(あ、もちろんティアの無事が第一ですので無理はしないでください。危ないと思ったらバカ貴族達を何人か見捨てても良いです)

(リタ・・・・・ありがとうございます。リタも出来るだけ早く来てください)

(もちろんです)




「アリス、今ティアから連絡があってバカ貴族達がドラゴンと戦うみたいです」

「え?本当に?」


私は、ティアとの念話が終わると、すぐにアリスに話しかけます。

突然私にそういわれたアリスは驚いた顔をしていましたが、今はそんなことにかまっていられません。


「はい、なので今から私は全力で走ろうと思います。この『竜の卵』お願いして良いですか?」

「え?あ、うん。ティアのことよろしく」


私が『竜の卵』を渡すと、アリスはそう言って笑いかけてくれました。


「もちろんです。では、行きますね」


私もアリスに笑顔で答え、強化魔法と風魔法を全力で使い、今までの5倍ほどの速さで走り出しました。

私とアリスの話を聞いていたマキちゃんは、もちろん私に着いてきます。






グワァァァァァァ


ドーーーンドーーーン


私とマキちゃんがティアの居た町に付くと、遠くからドラゴンの鳴き声と、爆発音が聞こえます。


当然ですが、もう戦いは始まっているようです。

私は『レッドキャンパス』を取り出し、マキちゃんは鎌を取り出します。

私とマキちゃんは一度頷き合って、音のした方に向かいます。


「ギャァァァァ」

「た・・・助けて~~~~」

「来るな来るな来るな」


私がドラゴンの所に辿り着くと、バカ貴族達が泣き叫んでいました。


ゴォォォォォ


ドラゴンが炎のブレスを吐き出します。

それを、ティアが魔法障壁で防いで、逃げ惑うバカ貴族達を必死に守っています。


「ティア、お待たせ。ドラゴンは私達が抑えるので、邪魔なバカ貴族達の避難をお願いします」

「リタ、マキ!!助かりました。ドラゴンはお任せします」


私とマキちゃんが隣に行って話しかけると、ティアは少しホッとした顔をしてそういいました。


「さて、ドラゴンさん。今度は私達がお相手します」


ティアがバカ貴族達の避難をはじめたのを見て、私とマキちゃんもドラゴンに攻撃を始めます。



フッッ


ヤァァァァァァ


私は飛び上がり、ドラゴンの顔を切りつけます。


キィィィィィン


しかし、硬い鱗に弾かれてしまいます。


カパッ


ゴォォォォォォ


私の剣をはじいたドラゴンがブレスを放ってきます。


クッ


ハァァァァァ


私に放たれたブレスをマキちゃんが鎌で切り裂きます。


さすがに強いですね。

生半可な攻撃ではビクともしません。

けど、これならどうでしょう?


私は基本属性全てで剣を覆います。


「エレメンタルブレイド!!」


私はそう言って今度はドラゴンの首に切りかかります。


ザシュッ


今度はドラゴンに少し傷をつけます。


ブンッ


けれど、たいした効果はなく、ドラゴンはシッポで私を攻撃してきます。


「わっと」


私はそれを間一髪で避けます。


「いまです」


ザンッ


私が避けたシッポが振りぬかれたところでマキちゃんが思いっきりそのシッポに鎌で切りつけます。

しかし、マキちゃんの鎌は弾かれ・・・・・あれ?ドラゴンのシッポの方が切り落とされました。


ガァァァァァァァ


ドラゴンが叫び声をあげます。


マキちゃん、いったいその鎌、何で出来てるんですか?

私の『エレメンタルブレイド』でさえちょっとしか傷つけられなかったなに・・・・・。

っとそんなこと考えてる場合じゃないです。

今ならドラゴンを押さえつけるチャンスです。



・・・・・・・・・へ?



私はそう思い、ドラゴンに向き直ると、思わず変な声を出してしまいます。

なぜなら、叫び声を上げているドラゴンのシッポが見る見る再生しているのです。


何なんですかこのドラゴン?

この再生力は反則です。


まぁ、そんなこと言っても再生するものは仕方ないです。


「フルエレメンタルブレイド」


私はそう言って剣に光と闇の属性も追加します。


ヤァァァァァ


ザシュッザシュッキンッザシュッキンッ


ハァァァァァ


ザシュッザシュッザシュッザシュッキンッ


私とマキちゃんは再生しているドラゴンに攻撃を加えます。

今度は私の攻撃もマキちゃんに負けないくらいの威力です。

どうやら、顔や首の周りは他より固いらしく、攻撃が弾かれてしまいます。


ドスンドスン


ブオンブオン


ゴォォォォォ


もちろん、ドラゴンもおとなしく攻撃されているわけではありません。

再生したシッポを振り回したり、大きな羽ですごい風を起こしたり、さっきよりも強力なブレスで反撃してきます。



ピキッ・・・・・ピキピキピキッ・・・・・パリーーーン


そんな攻防を数分続けていた時、私の剣『レッドキャンパス』にひびが入り、粉々に砕けてしまいます。

壊れ方からして、ドラゴンに攻撃したのが原因ではなく、私の魔力に耐えられなくなったのでしょう。


「エレメントシールド」


ゴンッ


ビュゥゥゥゥン ズドドドドドド


剣が折れた時、ドラゴンはその隙を見逃さず、シッポを叩きつけてきました。

私はとっさにバリアを張ってそれを防ぎますが、数百メートルは吹き飛ばされます。


「リタ!!」


マキちゃんが叫びます。


「大丈夫です」


私はすぐにそういいます。

バリアのおかげで私は無傷でした。


「・・・・・こちらが手加減していれば調子に乗って・・・・・ブチ殺します」


私が無事なのを見て安心したマキちゃんは、ドラゴンに向き直ると殺気を出してそういいます。

そうです。私とマキちゃんはこれまで手加減して攻撃していました。

私が魔法ではなく剣で攻撃していたのもそれが理由です。

なぜなら、ドラゴンとは本来高い知能を持っていて、こちらから何かしなければ襲ってくることはまずないからです。

今回このドラゴンが暴れていたのも、あの大商人が『竜の卵』を盗んだのが原因でしょう。

私が魔法ではなく剣で攻撃していたのもそれが理由です。


「マキちゃん、ダメです。殺さないでください」


私は大声でそういいますが、マキちゃんには聞こえていないみたいです。


まずいです。

マキちゃん、本気で怒ってます。



ビリッ・・・・ビリビリビリッ



マキちゃんの魔力で周りの空気が悲鳴を上げ始めます。

そして、放出する魔力に合わせて、マキちゃんの鎌が見る見る大きくなっていきます。


マ、マキちゃんってば、こんな力隠していたんですね・・・・・いや、いままで使う機会がなかっただけかな?


マキちゃんの鎌はドンドン大きくなっていき、ついにはドラゴンすら両断できる大きさになって止まります。

良く見ると、ドラゴンもそれを見て少し脅えている気がします。


「覚悟は良いですか?」


マキちゃんが冷たい声で言います。


「では、さようなら」


そう言ってマキちゃんが巨大な鎌を振り下ろします。



ドンドンドンドンドン



その時、今まで戦っていたドラゴンとは反対の方向から、マキちゃんに向かってドラゴンの火炎弾が襲い掛かります。


ズッッッッッドォォォォォォォォォォォォォン


まったく警戒していなかったところからの攻撃で、マキちゃんの攻撃はドラゴンを外し、地面に大きな亀裂を作ります。


私は、急いでマキちゃんの隣に行って攻撃があったほうを見ます。

そこには、真紅色の少し小さいけれど、私達が戦っていた緑のドラゴンより遥かに大きな魔力を持ったドラゴンがいました。

ちなみに、私達が戦っていたのは緑色のドラゴンです。


「マキちゃん、あのドラゴンって・・・・・」

「えぇ、たぶんリタが考えているとおりだと思います」


私は真紅のドラゴンを指して言うと、マキちゃんも同意してくれます。

何の話かというと、私達は真紅のドラゴンの魔力に覚えがあるのです。



グォォォォォ



真紅のドラゴンが叫び声を上げると、緑のドラゴンが頭を下げます。


「リタ~~~マキ~~~~」


真紅のドラゴンがバサバサと緑のドラゴンに近づき、その隣に降り立った時、後ろからティアの声が聞こえました。


「これ、アリスさんがリタに渡してください出そうです」


ティアはそう言って『竜の卵』を私に渡しました。


「アリスはどうしました?」


私はなんとなく予想はつきましたが、ティアにそう聞いてみます。


「はい、アリスさんは全力で走ってきたそうで、向こうで貴族達の手当てを兼ねて休憩しています」

「そうですか、ありがとうです」


私はティアにそうお礼を言うと、『竜の卵』を持ってドラゴンに近づいていきます。

ティアは少し心配そうに見ていたので、「大丈夫」と私は笑っていいました。




「あなたが暴れていたのは『これ』を盗まれたからですね」


私は緑のドラゴンに話しかけます。


『そうだ、我は不覚にも人間に卵を奪われ、怒りで我を忘れて暴れていたのだ』


すると、緑のドラゴンがそういいます。

『言う』といっても、喋っているわけではなく、直接頭の中に声が響くといった感じです。

念話に似ていますが、少し違う気がしますね。


「これはお返ししますね」


私はそう言って『竜の卵』を前に出すと、緑のドラゴンは魔力でその卵を浮かべて持っていきました。


『人間の少女よ、迷惑をかけてすまなかった』


緑のドラゴンはそう言って一度頭を下げ、真紅のドラゴンに顔を向けます。

それを見た真紅のドラゴンが頷くのを確認して、緑のドラゴンはアガト山の方に飛び立っていきました。

それを見て、真紅のドラゴンも緑のドラゴンとは反対方向に飛び立っていきます。







ふぅ、これで一件落着ですね。

後は、バカ貴族達を学園に連れ帰るだけです。




私はマキちゃんとティアの所に戻り、一息つくと、辺りが夕焼けで赤くなり始めていることに気が付きました。



思ったよりも時間がたっていたみたいですね。





ここまで読んでくれてありがとう。


戦闘シーン上手くかけていたでしょうか?


誤字、脱字、感想など書いてくれるとうれしいです。



次回は、この事件の後処理です。


え?前にも後処理みたいなのがあった気がする?


それは気のせいです。

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