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巡る世界  作者: 時世
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三十三話 貴族のバカ息子達

三十三話完成しました。


ついにドラゴン退治(?)です。

ピンポンパンポン


「魔法科1年12組リタ=ロスト=ケミアさん、及びティアノート=フィル=ローラントさん。学園長がお呼びです至急学園長室までお越しください。繰り返します。魔法科1年12組リタ=ロスト=ケミアさん、及びティアノート=フィル=ローラントさん。学園長がお呼びです至急学園長室までお越しください」


ピンポンパンポン



私達が『天界』に行ってから数十日がたったある日、私とティアは放送でいきなり呼ばれました。


なんでしょう?

最近は特に目立ったことはしてないはずですが・・・・・。


「ティア、心当たりありますか?」


私と同じく、今の放送を聞いて不思議そうにしているティアに尋ねてみます。


「いえ、私は無いですよ。リタもないのですか?」


「えぇ、最近はおとなしくしていたからね」


そうなのです。

私は『水精霊の森』の事件の後、高ランク依頼などもせず、授業もまじめに出ていました。

というか、神様から貰った『特殊魔法の使い方』という本を読んで練習してるので、そんな暇ないだけなんですけどね。



私とティアは考えていても仕方ないので、とりあえず学園長室に行くことにしました。


トントン


「「失礼します」」


私とティアはドアをノックして学園長室に入ります。

学園長室には4人の校長と、数人の教師が難しい顔をしていました。


「おぉ、リタ君にティアノート君良く来てくれた」


私達が部屋に入ると、学園長がそういいます。


「私達に何か用でしょうか?」


私はとりあえず疑問に思っていたことを聞いてみます。


「実はのう、昨日のことなんじゃが、100人ほどの生徒がパーティを組んでランクSの依頼を受けて行きおったのじゃ」


学園長はそう言って依頼書を見せてくれます。



ランクS 最近アガト山付近で暴れている竜退治 期間は王国の討伐隊が退治するまで 報酬は王国金貨15枚



私が依頼書を見るとそう書いてありました。

普通竜を退治するには王国騎士が1万人ほど向かって倒せるかどうかというものです。

一度ランクSの依頼を受けている身としてはなんですが、100人で行くなんて無謀な気がします。


「問題はの、この依頼を受けた生徒にあるのじゃ。実はこの依頼を受けた生徒というのはのう、門閥貴族の子息達でな、なんでもお前さん達に対抗意識を燃やしていて、この依頼を受けたそうなのじゃ」


ふむ、つまり、貴族のバカ息子共が私に対抗意識を燃やして無謀な依頼を受けた。けれど、仮にも門閥貴族の息子、死んでもらっては学園としては困るわけだ。


・・・・・いやな予感がしますね。


「もちろん、生徒の両親や騎士団にはすでに報告してある。じゃが、騎士団が動くにしても、貴族の私兵団が動くにしても、それなりの時間が掛かりおる。下手をするとついたころには生徒達は全員死亡しているなんて事態にもなりかねないのじゃ。そこでじゃ、一度Sランクの依頼を達成したことがあり、授業でもずば抜けた力を出しているリタ君とティアノート君に先に行ってもらい、彼らを守ってもらいたいのじゃ」


はぁ、やっぱりですか・・・・・なんで私が貴族のバカ息子共を救出に行かなければならないんでしょう?

正直断りたいです。


「断ったらどうなるんでしょう?」


私はとりあえずそう聞いてみます。


「この学園がつぶれるかのぅ」


学園長はあっさりそういいます。

つぶれるって、そんなことになったら何人の人が路頭に迷うことになるか・・・・・。


「つぶれるって・・・・・私達が行かないだけでですか?先生達が行けば良いのではないですか?」


「君達が行ってくれなければ確実に数人は生徒が死ぬからのう。それと、一応救出に向かうよう教師達にも要請したが、「救出に向かうくらいなら辞職した方がましです」と言われてしもうた」


なんていうか・・・・・もう私達が行くしかない状況じゃないですか・・・・・。


「報酬は出るんでしょうね」


仕方がないので私はあきらめてそう聞きます。


「もちろんじゃ。ちゃんと救出できたらワシの孫娘をやろう」



・・・・・・・・・・・は?



「えっと・・・・・どういうことですか?」


私は思わず変な声を出してしまいます。


「実は依頼を受けた貴族のリーダーの中にワシの孫娘がおってのう。こんな事態を引き起こしたのじゃ、当然孫娘は家から縁を切られて・・・・・というより縁を切らねば家の方が潰れてしまいかねん。じゃが、孫娘は今までたいした苦労もせず育ったからのう。いきなり家を放り出されたら死ぬのが落ちじゃ。そこで、君達に託そうと思ったわけなのじゃ。なに、君達の噂は聞いておる。孫娘のことは好きにすれば良い。ただし、死ぬことだけはないようにな」



・・・・・それって報酬になるんでしょうか?



「ティア、どうします?」

「受けるしかないんじゃないですか?断ると後味が悪いですからね」


私がそう聞くと、ティアはそういってあきらめた顔をしました。


(マキちゃん、報酬で学園長の孫娘が付いて来るみたいなんですがいいですか?)

(仕方ないですね。扱き使ってあげましょう)


私が念話で確認を取ると、マキちゃんも賛成してくれるようです。


「なんじゃ?何か問題でもあるのかの?・・・・・そうか、報酬の孫娘のことが心配なんじゃな。安心しろ、ちときつい性格をしておるが、ワシに似ずかわいい顔をしおるぞ」


私がティアとマキちゃんに確認をしていると、何か勘違いした学園長がそう言って一枚の写真を出しました。


私が写真を見ると、そこには、ピンクのウェーブがかったロングヘアーに黒い瞳、背はティアと同じ位だけど胸は私より小さそうです。


ふむ、確かに学園長が言うようにかわいい子です。


「わかりました。助けに行きます。けど、全員の命の保障は出来ませんよ?私だってドラゴンとなんて戦ったことないんですからね」


「おぉ、やってくれるか!!もちろん全員無事だなどと期待はしておらんよ。よろしくたのんだぞ」


私がそう言うと、学園長は笑顔でそう言いました。


「では、私達は準備もあるのでもう行きますね」


「ちょっと待つのじゃ、これを持って行け、これがあれば購買部の物は全て無料で手に入る、もちろん無料なのは今回だけじゃが、その後も全商品2割引になる。それと、一般生徒の立ち入りを禁止している一部の施設にも入れるようになるぞ」


私が部屋を出て行こうとすると、学園長がそう言って私とティアにクリスタルをくれます。


「ありがとうございます。では、失礼しますね」


私とティアはクリスタルを受け取り、そう言って学園長室を後にしました。









私達は学園長室も出て、一旦教室に戻った後、準備をするために購買部に向かいます。


「リタ~、ティア~待って~~」


私達が教室を出て購買部に向かっていると、後ろからアリスがそう言って走ってきました。


「アリス、どうしたんですか?」

「リタ達ってこれからドラゴン退治に行くんですよね?」


私が聞くと、アリスはそういいました。


「何で知ってるんですか?」

「ん?学園中で噂になってますから、皆知ってるよ」


なるほど、確かにこんな話隠す方が難しいですね。


「違いますよ、私達は退治に行った人たちを助けに行くだけです。別にドラゴンを倒しに行くわけじゃないですよ」

「そうだったんですか・・・・・あの、それって私も付いて行ったらダメですか?」


私が倒しに行くわけじゃないというと、アリスがそう言いました。


「付いて来るって・・・・・別に良いですけど、危ないですよ?」


私はそう言って忠告します。

普通の人だったらダメって言うところですが、アリスは別です。

最近気付いたのですが、どうもアリスはいつも手を抜いて授業を受けている節があります。

といっても、気付いているのは私くらいでしょうけどね。


「大丈夫、自分の身は自分で守りますよ」


アリスはそう言って笑います。


「ならいいですよ、今から準備しに行くので一緒に行きますか?」

「うん♪」


私が聞くと、アリスはそう言いました。



「ねぇリタ、アリスさん連れて行って大丈夫なのですか?」

(私もやめた方がいいと思いますよ?)


私がアリスを連れて行くのにOKすると、ティアとマキちゃんが心配そうに聞きました。


「たぶん大丈夫でしょ、いざとなったら私がどうにかしますよ」


私はそう言っておきます。

ティアとマキちゃんは、『リタがそういうなら・・・』と言って納得しないながらもOKしました。












私達は薬草などを一通り買うと、(亜空間にいっぱいあるので特に買う必要はなかったのですが無料なので買っておきました)学園長にもらったクリスタルを使って購買部の9階に行きました。




・・・・・・・・・なにこれ?




購買部の9階に着いた私達は思わず固まってしまいました。

なぜなら、そこには一般には出回らない軍用の装備が売っていたからです。


『ドラゴンプレート』に『ドラゴンメイル』、『魔剣』に『聖剣』、『世界樹の葉』に『悪魔の木の実』、『竜の血』に『精霊の涙』どれも危険な品ばっかりです。


「この学園ってこんなの売ってたんですね・・・・・」

「どうりで、一般生徒の立ち入り禁止なわけだよ」


ティアとアリスが思わずそう言っています。


「とりあえず、気にしないで買い物しましょ」

「そうですね、そうしましょう」


私はいち早く立ち直ってそう言うとティアもすぐに立ち直って同意してくれます。


「なんか・・・・・二人とも順応性高いですね」


しかし、アリスだけはそう言って顔を引きつらせていました。




私達は9階を一通り見て周り、『ペガサスローブ』と『魔除けのマント』、『ドラゴンファング』に『風神の杖』、各種高級薬草などを買いました。


『ドラゴンファング』はアリス、『風神の杖』はティアが使います。

防具もティアとアリスは装備しましたが、私は制服のままです。

なぜなら、そんな物を装備するより、魔力で身体を覆う方が遥かに丈夫だからです。


ちなみに、買った量は私が一番多く、全て亜空間に放り込んであります。

だって、ただですから♪










準備を整えると、今日はもう暗くなっていたので、出発するのは明日にします。

貴族のバカ息子達も1日2日で『アガト山』までいけるわけないですしね。




私達は寮でアリスと別れ、部屋に戻った後、明日に備えてすぐに寝ました。


















なんてことはなく、今日もいつもどおりベットで楽しみましたとさ。






ここまで読んでくれてありがとう。


なんか、1人予定していない人が出てきましたが・・・・・気にしないでおきましょう。


誤字、脱字、感想などあったら書いてくれるとうれしいです。


次回は・・・ドラゴンが出る予定です。


え?そんなことより予定していない人ってアリスだろうって?

それは秘密です。


あ、ごめんなさい、調子に乗りました。

物を投げないでくださ~い。

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