三十二話 天界
三十二話完成しました。
この話入れるの忘れてたというのは秘密です。
「お久しぶりです『元』死神の真貴さん」
その日、私達が寮の部屋に戻ると、大きな鎌を持った女性がいて、そういいました。
鎌を持っていることと、翼があることから見てこの人は死神みたいですね。
「マキちゃん知り合い?」
私はマキちゃんに尋ねます。
「えっと・・・たぶん・・・どっかで見た覚えは歩けど思い出せない」
マキちゃんがそういうと、死神の表情が変わります。
「な・・・あ、あなた私のこと忘れたとでも言うつもり?」
死神は少し怒った顔でそうマキちゃんに尋ねます。
「・・・・・ごめん、覚えてない」
ブチッ
あ、何かキレた音がしました。
「音無 魅影です!!あなたのせいで私が何度悔しい思いをしたか・・・忘れたとは言わせませんよ!!」
魅影がそう叫びます。
「そうなの?」
私はマキちゃんに聞きます。
「ん~~~わかんないです。正直、心当たりは沢山あるんですが・・・・・ありすぎて特定できない」
何か・・・マキちゃん沢山恨みを買ってるみたいですね。
「それならしょうがないですね」
私はマキちゃんにそう言ってあげます。
「キィィィィィ。もう何なんですかあなた達は!!私を馬鹿にするつもりですか!!」
なにやら魅影がキレています。
「あの、落ち着いてください。私達に何か用があってきたのではないですか?」
ティアが魅影を落ち着かせようとそういいます。
「・・・・・『元』死神の真貴さんとそこの人間を神様がお呼びよ、出来るだけ早く来いってさ」
魅影は私とマキちゃんを指差し、少し意地の悪い顔で『元』を強調してそういいます。
「どうせまた何かやったんでしょ、そんなだから人間の奴隷になんてされるのよ」
「違います。マキちゃんは奴隷じゃありません。私の恋人です」
魅影がそう言ったので、私はそういってマキちゃんを抱き寄せます。
マキちゃんは最初、少し驚いた顔をして、その後うれしそうな顔になりました。
「うわ、マジ!?キショイ」
キンッ
魅影がそう言うと、マキちゃんが鎌を振り、魅影の鎌の柄が真っ二つになります。
「次変なこといったら首がそうなるよ?」
マキちゃんが冷たい声でそういいます。
自分の鎌の柄が真っ二つになっているのを見て魅影が青い顔になります。
「と、とにかく、伝えたからね。『元』死神の真貴さん」
そう言い捨てると、魅影は部屋から逃げていきました。
「いったい、何だったのでしょうか?」
「ただの使いっ走りよ」
ティアが首をかしげていると、マキちゃんがそう切り捨てます。
「ところで、神様が呼んでるって言ってたけど、どうするの?」
「・・・・・無視したいところですけど・・・・・じじいの呼び出しだから行くしかないですね」
私が尋ねると、マキちゃんがそういいます。
「じじい?」
「そう、神の『じじい』です」
マキちゃんが神様に向かって酷いことを言っています。
ティアの顔が少し引きつってるのは気のせいですね。
「どうやっていくの?」
「この鎌で次元を切れば天界に繋がります」
マキちゃんがこともなげに言います。
「次元を切るって・・・・・大変なことじゃないの?」
「そんなことないですよ。リタの亜空間だって次元に穴を開けてるじゃないですか、それとたいして変わりませんよ」
そういえば、そんな話を前に聞いたような聞いてないような・・・・・。
「とりあえず、リタさっさと『じじい』に会って用件を聞きましょう。あ、それと、ティアは待っててもらって良いですか?呼ばれてるの私とリタだけみたいですから」
「え?私も天界って少し行ってみたいかも・・・・・」
マキちゃんがそういうと、ティアも行きたそうにします。
「行きたいだけなら、今度私が連れて行ってあげますよ。今日は呼び出しみたいなので留守番お願いします」
「わかりました。今度絶対連れて行ってくださいよ。約束ですからね」
ティアは渋々といった顔で了解します。
「では、リタ着いて来て下さい」
マキちゃんはそう言って鎌を振ると、次元が裂けて穴が開きます。
「はい♪」
私はそう言ってマキちゃんの後についていきます。
次元の穴を抜けると、近未来的な世界に出ました。
ここが天界でしょうか?
思っていたのとずいぶん違うんですが・・・・・。
「リタ、こっちですよ」
周りを見て少しボーっとしていた私をマキちゃんが呼びます。
「マキちゃん、マキちゃん、ここが天界ですか?」
「そうですよ、ここが天界です。ちなみに、普通はリタが想像しているような綺麗な場所なんですけど、『じじい』が「歳を取ると辛いワイ」とか言ってこんなにしちゃいました」
それを聞いた私は、目を丸くします。
良いんでしょうか?そんな理由でこんなにしちゃって・・・・・まぁ、神様だから良いんでしょうけどね。
・・・・・・・ん?普通は?
「マキちゃん、普通はってことは天界ってここだけじゃないの?」
「ん?・・・・・あぁ、そうですよ、天界はここだけじゃなくて沢山あります。ちなみに、神様は『じじい』以外にも沢山います」
「え?神様も沢山いるんですか?」
「はい、だって世界は次元を通してすごく沢山あるんですよ?じじい一人でどうにかできるはずないです」
そういわれればなんとなく納得できますが・・・・・なんというか・・・・驚きの連続ですね。
「着きました。ここが『じじい』の拠点です」
マキちゃんにそういわれて見ると、目の前にはすごく大きな建物がありました。
なんか・・・・上の方見えないんですけど・・・・・。
「転送装置で『じじい』の所まですぐいけるので心配しないでください」
私の考えていることが分かったのか、マキちゃんがそう言います。
私は少しホッとしました。
トントン
「『じじい』入りますよ」
マキちゃんは『神様の部屋』と書かれているドアをノックして、返事を待たずに中へ入っていきます。
それを見て、私も慌ててマキちゃんに続いて中に入ります。
「おお、黒衣真貴よ、やっと来たか。それで、そちらがリタじゃな」
「はい、リタ=ロスト=クロスロードです」
私はとりあえず挨拶します。
「『じじい』リタに気安く話しかけないでください。ハゲが移ります」
「真貴よ、久しぶりに会ったと思ったら酷いいいぐさじゃな」
「もう私は部下でも何でもないですからね。『じじい』に『じじい』と言って何が悪いですか?」
「むぅ、前はあんなに素直じゃったのに・・・・・」
「前のはただの社交辞令ですよ。それより早く用件を言ってください」
なんか・・・・・マキちゃんが神様にむちゃくちゃ言ってますね。
「うぉほん、それでは本題に入るとするかの」
神様はそう言って咳払いを一つして、話し出しました。
「お前達を呼んだのはな、『冥府帰り』の件じゃ。普通なら死神100人で始末するやつをたった二人で倒してしまったのを見ての、褒美をやろうと思ったのじゃ」
そういえば、そんなのも倒しましたね。
でも、あれから結構経ってるような・・・・・まぁ、いっか。
「『じじい』にしては気前がいいですね」
「安心しろ、お前にはやらんことにしたから」
「そう、せっかく貰ってあげようと思ったのに・・・・・まぁ別にいらないですけどね」
「ふん、強がりおってからに・・・・・」
なにやら、またマキちゃんと神様が険悪な雰囲気に・・・・・
「まぁ、真貴など放って置いて、リタよ、お前にはこの『特殊魔法の使い方 初級偏』と『通貨変換機』をやろう。『特殊魔法』とは時間を操ったり、無から有を作ったりする魔法のことじゃ。『通貨変換機』というのは名前のとおり、自分の持っているお金を様々な世界のお金に変えることが出来るという優れものじゃ。次元旅行するときにすごく便利じゃぞ」
神様はそう言って私に本と変な機械をくれました。
「ありがとうございます」
とりあえず私はお礼を言っておきます。
「用事はそれだけ?なら私達は帰らせてもらうけどいい?」
私が褒美を受け取ると、マキちゃんがそういいます。
「帰れ帰れ、真貴はさっさと帰れ、リタはまた来てくれていいぞ、歓迎するからのぉ」
「そう、なら帰らせてもらいます。リタ、帰りましょ」
マキちゃんはそう言って私の手を掴むと、神様の部屋から出ました。
「まったく、ムカつく『じじい』ですね。リタ、後で消毒しましょ、『じじい』菌がついていたら大変です」
「あ、あはは」
とりあえず、私は笑っておきました。
その日はそのまま帰った私とマキちゃんですが、後日、ティアも一緒に天界に来て、お買い物をしました。
いきなり『通貨変換機』が役に立ちました。
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某部屋
「あの子が候補生ですか?」
「そうじゃ、なかなか面白い子じゃろう」
「私には少し頼りなく思えるのですが・・・・・」
「そんなことはないぞ、ああ見えて他の候補よりずば抜けておるワイ」
「そうなのですか?」
「そうじゃ、これからが楽しみじゃのぅ」
ここまで読んでくれてありがとう。
実はこの話、もう少し前にいれるい予定だったのですが・・・すっかり忘れてました。
次回は、ドラゴン退治にすることにしました。
え?最後の会話がわざとらしいって?
すいませんすいません。
スルーの方向でお願いします。