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巡る世界  作者: 時世
36/58

三十話 精霊達

三十話完成しました


昨日の続きです。

学生課を出た後、私達は強化魔法と風魔法を使って全速で『水精霊の森』跡地に向かいます。

そして、夕方になる頃には騎士団が封鎖しているところまで来ました。


「お前達、止まれ!!」


騎士団の人が高速で移動する私達を慌てて止めます。


私達は素直にその指示に従います。


「ここから先は立ち入り禁止だ。悪いが引き返してもらおう」


騎士団の人がそういいます。


「えっと、私達はリーン学園の生徒で、依頼を受けてきたので通してもらえませんか?」


私はそう言って、学生課で受け取った依頼書を見せます。


「少し待ってろ」


すると、騎士団の人は少し驚いた顔をして、そういうと、どこかに走って行きます。

まぁ、責任者の人を呼びにいったんでしょうけどね。


しばらく待っていると、さっきの騎士が、騎士団の責任者 (面倒なので以下『隊長』と書きます)を連れてきたみたいです。


「お前達か?この依頼を受けた学園の生徒って言うのは?」


「はい、そうです」


隊長がそういったので私が答えます。


「やめておけ、お前達では死ににいくようなものだ」


隊長はそう言って私達を止めます。


「大丈夫です。これでも私、精霊と契約していますから」


私がそういうと、隊長は驚いた顔になります。


「いや、それでもダメだ、この先は本当に大変なことになっている。私達の中にも精霊と契約しているものが居るがどうにもならないのが現状だ」


しかし、隊長はそれでも私達を行かせてくれません。


いっそ気絶させて無理やり通ろうかな・・・・・いや、あとあと面倒なことになりそうですし、なによりこの隊長は本当に私達のことを心配しているみたいなので殴るのは気が退けます。


「危なくなったらすぐ逃げます。それならいけませんか?精霊と契約していることからも分かると思いますが、これでも私達は強いですよ?」


私は妥協案を出すと、隊長さんは悩みます。


「わかった。そこまで言うなら通してやる。その代わり行くのは明日だ。今日はもう遅いのでここに泊まれ、寝るところはこちらで用意してやる。それと、行く時は俺に声をかけろ、俺も着いていってやる」


隊長さんはそう言って、渋々了承してくれました。


ん~~~この人本当にいい人みたいですね。

けれど、一緒にこられると邪魔です。

・・・・・まぁ、口止めしておけばいいか、まじめな人そうなので約束は破らないでしょう。



その日、私達は騎士団の人が用意してくれたテントで3人一緒に寝ました。

軍のテントなのかあまり寝心地は良くなかったですけどね。




翌朝、私達は目が覚めると、亜空間から出した食事を済ませ、隊長のところに行きます。(朝ご飯も分けてくれるといわれましたが、私達はテントで食べたので良いといって断りました)


「隊長さん、居ますか?私達そろそろ行こうと思うんですけど?」


「ん?もう行くのか?」


私がそう声をかけると、隊長はそう言って、やっていた仕事を片付け、私達のところに来ました。


「昨日約束したとおり、危ないと思ったらすぐに逃げるんだぞ」


「「はい」」


隊長がそう言ったので私とティアが返事をします。


「それと、俺の名前はランス=シュア=ワークスだ。ランスと呼べ」


「私はリタ=ロスト=ケミアです。リタでいいですよ」

「私はティアノート=フィル=ローラントです。ティアと呼んで下さい」


隊長改めランスが名前を言ったので私達も言います。


「リタとティアだな、わかった。では行くとするか」


そう言ってランスが歩き出したので、私達も着いていきます。




数十分後



『いない』

『いない』

『王様』

『王様』

『消えた』

『消えた』



私達が歩いていると、そんな声が聞こえてきます。

けれど、聞こえるのは私だけなのか、ランスだけではなく、マキちゃんとティアも気にしていません。


「少し止まってください」


私がそういうと、マキちゃんとティアは普通に止まり、ランスは『なんだ?』という感じで止まります。


「精霊が騒いでます。私が契約している精霊を出しますので少し待ってください」


「そんなことわかるのか?」


そういってランスは不思議そうな顔をしました。


(アクア、アクア、着きましたよ、出てこれます?)


(わかりました~~今行きますね~~~)


私は念話で話しかけると、アクアはそう返事をしました。

ちなみに、契約したのでアクアは亜空間から私のところに出ることだけは出来ます。亜空間は作れないので入れませんけどね。



パァァァァァァァ



私の前に光が現れて、中からアクアが出てきます。


「リタ様~~お待たせしました~~」


それを見たランスが目を丸くしています。

どうしたんでしょ?


「リタが契約している精霊ってこんなに大きいのか?」


ランスが私に聞きます。

なるほど、そういうことですか。

つまり、騎士団の隊長でもあるランスは精霊くらいは見たことがあるんでしょう。

でも、それはアクアと比べればたいしたことのない大きさだった。

だから驚いたんですね。


「まぁ、アクアは特別ですから」


私はランスにそう言っておきます。

いくらなんでも『精霊王です』なんていえませんしね。



『王様』

『王様』

『見つけた』

『見つけた』



急に周りの精霊が騒がしくなります。


「あらあら~~皆さん~~どうしたのですか~~~?」


アクアがそう言って精霊に話しかけています。



『報告』

『報告』

『王様』

『王様』

『見つけた』

『見つけた』



「あら~~皆さん来てるのですか~~~案内してください~~~」


ん?来てる?

なんのことでしょう?



私達がしばらくアクアの後を付いていくと、前から岩を巻き上げ炎を纏った真っ赤な竜巻が現れました。


アクアが居るので大丈夫だとは思いますが、私はとりあえず『エレメントクリスタル』を全員にかけます。


アクアはその赤い竜巻に向かってフラフラ歩いていきます。


「あ、危ない!!戻れ!!」


ランスがそう叫びますが、アクアはまったく気にしません。


そして、アクアが赤い竜巻の前に来ると、急に竜巻は消え、アクアそっくりの精霊が現れました。


それぞれ、赤い髪、緑の髪、茶色の髪をしている美少女です。

たぶん3人とも精霊王なのでしょう。



アクアは少しその人達と話をすると、3人を連れて私のところに来ます。


「あなたがリタ様ですね。アクアが危ないところを助けてくれたようでありがとうございます」


茶色の髪をした子がそういいます。


「いえ、まぁ・・・・・なりゆきですけどね」


「それでもすごいです。アクアが勝てないようなのに勝っちゃうなんて驚きです」


今度は緑の髪をした子が言います。


「それで、アクアが言ってるとても住みやすい場所ってのはどこにあるんだ?」


今度は赤い髪の子が聞きます。


「住みやすい場所って・・・・・ここのことですか?」


私はそう言って亜空間を出します。


「うぉ、なんだそこ、不純物がなくてめちゃくちゃ住みやすそうじゃないか」


それを見て赤い髪の子がそう言います。


「私もそこ住みたい」


緑の髪の子がいいます。


「私もそこに住み移りたいですね」


茶色の髪の子も言います。


そして、3人で目をキラキラさせながら私を見ます。


「えっと・・・それはいいですけど・・・その前に名前教えてもらえます?」


「これは失礼しました。私は地の精霊王でリーフェレリアと言います。どうぞリーフェと及びください」


私がそういうと、まずは茶色い髪の子がそういいます。


「私は風の精霊王でシルフィリアっていうの。シルフィーって呼んでね」


次に、緑の髪の子がいいます。


「私は火の精霊王でフレイディアって言う。フレイでいい、よろしくな」


最後に赤い髪の子がそういいました。


「リーフェにシルフィーにフレイですね。私はリタ=ロスト=クロスロードです。よろしくお願いします」


「はい」

「うん」

「おお」


私も自己紹介します。


「ところでリタ様、私とも『契約」しましょ」


シルフィーがそういいます。


「お、そうだな、私ともしようぜ」


フレイもそういいます。


「では、私からお願いしますね」


そう言ってリーフェがキスしてきました。


アクアの時もそうでしたが、精霊って皆こんなに強引なんでしょうか?

まぁ、『契約』しても私には特に害がないのでいいですけどね。


そして、私はリーフェ、シルフィー、フレイの3人と契約しました。


「そういえば、この辺で精霊が暴れてたって聞いたけど、それってリーフェ達なの?」


ふと、ここに来た目的を思い出して、私は聞いてみます。


「あぁ、そうか、すまんな、アクアが急に居なくなったんで探してたんだ」


「それで、ここに来て見たら森は無くなちゃってるし、人間はいっぱい居るし」


「それでその・・・・彼らがアクアを隠してると思って攻撃してたんです。すいませんでした」


なるほど、やっぱり原因は私ですか・・・・・。


「あぁ、いいですよ。急に精霊王が居なくなったらそれは大変ですからね」


私はそういいます。


「いえ、そうではないです。その・・・・・アクアは私達の妹でして、精霊王が居なくなるだけでは普通はここまでしません」


リーフェがすまなそうにそういいます。


妹?精霊にもそんなのあるんでしょうか?


「妹って、精霊にも姉妹とかあるんですか?」


私は不思議に思って聞きます。


「普通はないな、私達が特別なだけだ」


フレイがそういいます。


「あのね、私達は元々1つの元素精霊だったの。だけど、この世界が出来る時に4人に分かれたの、だから私達は姉妹なの」


シルフィーがそう言って教えてくれます。


元素精霊?初めて聞く言葉ですね。


「元素精霊と言うのは言わば全ての元になる特別な精霊です。この世界では存在することすら出来ない特別な精霊のことです」


リーフェがそう言って補足をしてくれます。


ふむ・・・・・まぁ精霊の親見たいなものですかね。




「ねぇねぇ、それより私、早くその中入りたい~~~」


シルフィーがそう言って私の亜空間を指します。


「わかりました。今大きくしますね・・・・・あ、そういえば、いきなり精霊王が3人もいなくなって大丈夫ですか?また今回みたいなことになったら大変なんですけど・・・・・」


私はすぐにOKしようと思いましたが、ふとそう思い尋ねてみました。


「あ、それなら大丈夫だ、他の精霊にちゃんと言っておくからな、アクアの時は周りの精霊ごとみんないなくなっていたんで状況がわからなかったんだ」


フレイがそう言ってアクアを見ました。


しかし、アクアは良く分かっていないのかキョトンとしています。


まぁ、それならいいんですけどね。


「そうでした~~、せっかっく~~全員いるので~~この森を直しませんか~?」


私が結界を張って亜空間を広げ準備をしたらアクアがそういいました。


「そうですね、このままでは少し問題がありますからね」


リーフェがそう言うと精霊王達が輪を作ります。



パァァァァァァ


ドドドドドドドドド


すると、見る見るうちに森が再生して行き、1分足らずで森は元に戻りました。


なんていうか・・・・・非常識ですね。


「よし、終わったな、それじゃぁ行こうか」


フレイがそう言って、精霊王達が私のところに来ます。


「では、亜空間を広げますね」


私はそう言って亜空間を広げると、精霊王達4人は喜んで中に入っていきました。


なんか、中を見たら普通に地面とかあったんですが、何時の間に作ったんでしょう?




さてっと、これでこの依頼は終了ですね。


「お疲れ様です」


私が戻るとティアが笑顔でそう言ってくれます。

マキちゃんは何故か少し不機嫌になっていました。


問題は・・・ランスです。

何か唖然として固まっています。


さて、どうしましょうか・・・・・。


「ランス、ランス大丈夫ですか?」


私はそう言ってランスを揺すります。


「も・・・森が・・・いや、それより精霊王って・・・いや、俺は夢でも見てたのか?」


ランスは混乱してるみたいですね。


「そうですよ、ランスどうしたのですか?夢でも見たんじゃないですか?」


「そんなわけあるか!!」


混乱してるのをいいことに誤魔化せないかと思いましたが・・・・・やっぱり無理ですか。


まぁ、仕方ないです。


「良いですかランス、このことは秘密ですよ。私が精霊を説得したってことにして置いてください」


私はランスにそういいます。


「そんなことは出来ない。私はこれでも騎士団の責任者だからな、ちゃんと報告させてもらう」


む・・・正気に戻ったのかランスがそういいます。


「ランス、良く聞いてください。これは精霊にとってとても重大なことです。もし精霊王がこんなことしたと広まったら世界中の精霊が暴れて大変なことになります。だからここは黙っていてくれませんか?」


私はそう言ってランスを説得します。

もちろん嘘ですけどね。

精霊にとって重要なことではあるけど、それを知った精霊が暴れることはありません。


「そ・・・そうか・・・確かにそれは困る・・・・・しかし・・・・・俺は責任者だし・・・どうすれば・・・」


ランスは数分ブツブツ言っていましたが、あきらめたのか、最後は「わかった。黙っている」と言ってくれました。














ふぅ、これで一段落ですね。



さっさと学園に帰って報酬を貰いますか♪







ここまで読んでくれてありがとう。


どうでしたか?

思いつきで書いたので上手くかけてるか心配です。


誤字、脱字、感想など書いてくれるとうれしいです。



次回は・・・『後処理』になるはずです。


え?まだ続くのかって?


すいませんすいません

ネタがないんです。

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