二十五話 政務(後編)
二十五話完成しました。
一回消えてしまったのでダッシュで書いたのですが、みなさまにご迷惑をおかけしてすいませんでした。
これからもよろしくお願いします。
今日は宰相含む反乱の首謀者達の処刑が行われました。
はっきり言ってみていて楽しいものではありません。
しかし、これも私が決めたことです。
最後までしっかり見届けましょう。
次に、反乱した人たちの財産の没収です。
これも私がしました。
もうね、すごい目で睨まれました。
貴族たちから没収したお金で国の財政が潤ったので、今まで出来なかったこともやります。
鉄を使った農具の開発、治安維持のため、1キロおきに騎士団の停留所の設置、衛生改善のための地水道工事などです。
それから数日後
私は王様に呼ばれました。
私が王様の部屋に行くと、ティアを含めた王族の人たちが全員いました。
どうやらこれから会議をするようです。
王族の人たちしかいないのは他に国政をしていた人たちが片っ端から捕まったためです。
「おお良く来てくれたリタ殿、貴殿を呼んだのは他でもない、貴族制度廃止についてだ」
王様が、笑顔で私に言います。
「これまでの働きから、ワシはリタ殿になら貴族制度廃止の件を任せていいと思っておる。しかし、この件は国にとっても重要なもの、皆の意見も聞こうと思いこうした集まってもらったわけだ。何か意見があるものは居るか?」
王様はそういって私達を見回します。
「私もリタさんになら任せて大丈夫だと思います」
ティアがそういって賛成してくれます。
王様もうむうむと頷いています。
「父上、お待ちください」
しかし、そこで王子様のなかの最年長である・・・・・(名前は忘れました)が声を上げました。
「俺は反対です。貴族制度を廃止するなど前代未聞です。そんなことをしたら我が国は他国から笑いものにされることでしょう」
王子様(長男)は言います。
「ふむ、ならばお前はどうすればよいと思う?」
王様が王子様(長男)に問います。
「決まっているでしょう、今の体制を維持すればそれで問題はないと思います」
王子様(長男)が自信満々に答えます。
「しかし、公爵、侯爵、伯爵の主だった貴族は皆反乱して捕まって居り政務をするものが居らぬぞ?」
王様が問題点を挙げます。
「ならば、子爵と男爵の爵位を上げればいいでしょう。彼らなら国政もできるはずです」
爵位を上げるって簡単に言うけど・・・・・難しいと思いますよ?
しかも、出来るはずって今までやっていた人たちが居ないのだから出来るはずないでしょう。
王様も少し苦い顔をしています。
「俺も兄上に賛成です」
・・・・・・・・・・・!?
王子様(次男)が賛成した!?
今の話のでこに賛成したんでしょう?
「リタ殿には失礼かもしれませんが、国政を知らないものに任せるわけには行きません。しかも、こんな重要なことならばなおさらです」
王子様(次男)が自信満々に言います。
あの・・・・・初めに王様が言ったこと聞いてましたか?
私の働きがいいので任せようと思うって言ったんですよ?
王子様(次男)は王様の判断を間違っていると取られても仕方ないことを言っているのに気付いてないのでしょうか?
「さすが、我が弟だ、よく言った」
「いえ、兄上こそすばらしいお考えです」
王子様達(長男と次男)がおたがいを褒めあっています。
そのあと、王様が王子様達(長男と次男)に具体的なことを聞こうとしましたが、やれば出来るの一点張りでした。
王様とお妃様が頭を抱えています。
ニアとティアは呆れた顔でそれを見ています。
「王様、私に提案があります」
こうしていても仕方がないのでとりあえず、私が王様に話しかけます。
「リタ殿、なにかな?」
王様がすがるような目で私を見ます。
「王子様達(長男と次男)と私の政策を一緒に行い、より良い結果を生みそうなものを後で決めると言うのはどうでしょう?」
どうせ、王子様たちのは途中で破綻するでしょうしね。
「ははは、リタ殿は自信満々ですな、いいでしょうその提案受けて立ちましょう」
王子様(長男)がそう言います。
その台詞は私のほうだと思うんですが・・・・・王子様(長男)こそ何処からその自信が出てくるんでしょうか?
「うむ、わかった。そなた達二人で競い合うといいだろう。これについて何か意見があるものは居るか?」
皆黙ります。
「ならば今日はこれで終わりとする」
王様はそういって気分が悪そうに部屋を出て行きます。
それを王妃様が支えていました。
王様も大変ですねぇ~~~
そういえば、関係ないけど王子様(三男)一言もしゃべっていない。
すごく影が薄いです。
それから数日がたちました。
予想どうり王子様たち(長男と次男)の政策は破綻しています。
王子様達はまず、貴族達の爵位を上げると宣言しました。
すると、子爵、男爵の人たちが皆、公爵になりたいと申し出ました。
何を思ったか、王子様達はそれを全部了承し、公爵が大量に増えました。
当たり前ですが、侯爵、伯爵、子爵、男爵はほとんど居なくなりました。
次に、王子様達(長男と次男)は「公爵になったのだから国政をしろ」っとなんちゃって公爵の人達に命令をします。
しかし、何のノウハウもない彼らに出来るはずはありません。
むしろ、国政を滞らせました。
しかも、王子様達(長男と次男)は収集をつける事が出来ず、結局私とマキちゃんで何とかしました。
それでも王子様達(長男と次男)は上手くいったと騒ぎました。
流石にそれを見た王様がキレて「お前達は一から勉強をしなおせ!!」っと怒鳴りました。
ただいま、王子様達(長男と次男)は部屋に監禁されてお勉強中です。
その間、私も遊んでいたわけではありません。
まず私は、ローラント王国中の町や村に行き『学あるものは、市民、貴族にかかわらず、国政に登用する』っという立て札を立てました。
ほとんどの人達は字を読むことも出来ませんが、村で子供達に勉強を教えていた人達などそれなりの人が参加してくれました。
中には反乱に参加して財産を没収された人も居ましたがとりあえず放置しておきます。
そうそう、もちろん参加者の中に他国のスパイが混ざっていましたが、私とマキちゃんで徹底的に身元確認をした結果、かなり沢山のスパイを捕まえることが出来ました。
すごく疲れましたけどね!!
集まった人達には試験を受けてもらいます。
しかし、この試験は少し変則的です。
道徳と主にした試験で、中には心理テストも含まれています。
なぜこんな試験にしたかというと、ぶっちゃけある程度の学さえあれば後はこちらで教え込むので問題ないからです。
さて、試験も終わり、この頃には王子様達(長男と次男)は部屋に監禁されていました。
私は試験の合格者の中から以前国政にかかわっていた人達を集めます。(まだ合格したことは言っていません)
さまざまな理由で国政から離れていた人達、彼らは問題ありません。
問題は反乱に参加して財産を没収された人達です。
「この中に、反乱に参加した人達がいますね。あなた達はなぜ今回の募集に参加したのですか?」
私は彼らに問いかけます。
「私にはこれしかなかったからです。財産を没収されはしましたが、命があっただけありがたいと、農民として過ごしていましたが、その生活はとても空虚なものでした。確かに農民の生活は辛かったのですが、それ以外の何か、上手くいいあらはせませんが大切なものを失ったような気がしていました。そんな時です、『貴族、市民問わず学あるものには国政を任せる』という立て札を見ました。私は『これだ!!』っと思いました。その時、私はこれまでにないほどのやる気が満ちたのを感じました。だから私は恥を忍んで今回の募集に参加させていただきました」
集まっていた人の一人がそう熱く語りました。
「私は農民の暮らしをしてみて、自分が如何に無知だったかを知ったからです。農民の暮らしは辛く、朝から晩まで必死に働いても、その日のご飯を食べるのがやっとでした。しかし、他の農民達は違いました。皆笑顔でいたのです。私は不思議に思い、あるとき「なぜこんな苦しい生活をしているのに笑顔で居られるのですか?」っと聞きました。すると彼らは、「毎日食べるものがあるのだからこんなにうれしいことはない、少し前まではその日食べることが出来るかどうかもわからず、何時飢えて死んでしまうか分からなかったのですから」っと言ったのです。私は衝撃を受けました。今まで私は国の中心に居たのにいったい何をしていたのだろう?彼らがそんなに苦しんでいるとなぜ気付かなかったのだろう?と嘆きました。そんな時です『貴族、市民問わず、学があるものは国政に登用する』という立て札を見つけたのです。出来ることならもう一度国政に携わり、彼らの暮らしをもっとよくしてあげたい。私はそう思いました。ですので、今回私は恥を忍んで参加させていただきました」
さっきとは違う人が熱く語ります。
その他にも、多くの人がなぜ参加したのかを熱く語ったりしています。
一度全てを失って、曇っていた目がはれたのでしょうね。
彼らの目は今、キラキラと輝いていました。
「分かりました。あなた達は合格です。今この国は国政に携わっていた人達がほとんどいません。なので国政のノウハウを持っているあなた達が中心になってこの国をよりよい国にしてください」
私がそう言うと、「『漆黒の魔術師』様ありがとうございます」そういって私に感謝します。
中には涙を浮かべているものまで居ました。
えと・・・・・その呼び方やめてもらいたいのですけど・・・・・そんなこと言える雰囲気ではありませんね。
はぁ、こうしてどんどんその呼び名が定着していくんでしょうね・・・・・シクシク。
「最後に、皆さん合格おめでとう」
私はそう言ってその場を去りました。
ふぅ、これで一通り問題は片付いたかな?
後はゆっくり時間をかけてやっていくしかないですね。
「リタ、リタ、民主主義になったらティア達って用済みですか?」
私が一段落ついたとホッとしているとマキちゃんに聞かれました。
「ん?大丈夫ですよ、厳密に言うと民主主義とは少し違いますから」
・・・・・・・・・?
私がそういうと、マキちゃんが首輪傾げます。
「いうなれば、『王制民主主義』って感じのものです」
「聞いたことない言葉ですね。それってどういうのですか?」
「簡単に言うと王様が一番上で、その下に民主主義を置くというものです。つまり、基本的には国政は国民の代表が行うのですが、王様がOKしないと決定は出来ないというものです」
「それって王様の権力強すぎないですか?」
私の言葉にマキちゃんが疑問を投げかけます。
「今の王様なら無理なことはしないと思うから大丈夫でしょ。痛い目にもあっていますしね」
「今の?なら王様が変わったらどうするの?」
マキちゃんが当然の質問をします。
「ん~~~~一応そのことについても考えてはいるんですけどね・・・・・正直なところそんな先のことなんて知ったこっちゃないです。っていうのが本音かな」
私はそういって笑います。
「それもそうですね。私とリタに危害を及ぼさなければどうでもいいことでした♪」
マキちゃんもそういって笑いました。
そういえば、もうすぐ長期休暇もお終いですね。
全然休んだ記憶がありませんけど、まぁいいです。
後期は色々なイベントがあったはずですから・・・・・楽しい学園生活になりますように♪
ここまで読んでくれてありがとう。
やっとローラントから帰れそうです。
誤字、脱字、感想などあったら書いてくれるとうれしいです。
次回は・・・・・学園に戻る予定です。
え?やっとかって?
すいませんすいません。