二十三話 パレード
二十三話完成しました。
今回は少し少なめです。
ワァァァァァァァァ
『漆黒の魔術師』様バンザーーイ
ローラント王国に栄光あれ~~~~~
私とティアは今、豪華な馬車の上で、ローラント王国の人たちに手を振っている。
なぜ私がこんなことになっているかというと・・・・・
~~~~~~~~~回想~~~~~~~~~~~~
デートをした次の日から私とマキちゃんは『ティアの手伝い』と言う名目で雑務をやらされていました。
初めはティアもそれほいど沢山雑務を持ってこなかったのですが、私とマキちゃんはそれをほんの1時間たらずで終わらせ、町に遊びに行ってしまいました。
それを知ったティアが怒って、今度は山ほど雑務を持ってきたのですが、それもたいして時間をかけずに終わらせると私とマキちゃんは今度は『いちゃいちゃ』してました。
ところが、ティアもあとで冷静になり、雑務を渡しすぎたと思ったのでしょう、私達の手伝いに来てくれました。
しかし、そのにはすでに雑務を終わらせて『いちゃいちゃ』している私とマキちゃんがいるわけです。
もう、想像できますよね。
さらに怒ったティアが「リアさん達は私の部屋で一緒に仕事しましょうね」っとすごく怖い笑顔で言いました。
それからです、私達がすごい速度で雑務をを終わらせるのがばれて、次から次へと大量に雑務を押し付けられるようになりました。
なぜ私とマキちゃんがこんなに早く雑務を終わらせられるかと言うと、私は家を追い出されたとはいえ、仮にもリーン王国の名門貴族クロスロード家の娘であるからして、こういう雑務の仕方を一通りは知っている。
家では才能がなかったのでまったく役に立たなかったけれど、今は違います。
すごい速度で雑務を終わらせることが出来ます。
そして、マキちゃんです。
マキちゃんも元死神なので、こういう雑務はすごく得意らしいです。
なんでも、毎日何百人という人の転生手続きをしていたので嫌でもなれたそうです。
さらに、その私とマキちゃんが組んで雑務をすると、普通の人の10倍近く早く処理できてしまいます。
そして、雑務をやるようになってから5日後のことです。
国王が私の部屋をいきなり訪ねてきました。
「国民が今回の事件で多くの不安を抱えている、どうしたら不安をなくせるかいい知恵はないだろうか?」
国王は私にそう尋ねます。
なぜこの国王は部外者である私に尋ねるのでしょうか?
そんなのそちらで考えることでしょうに・・・・・。
私は思ったことをそのまま言います。
「なんで私にその言うな事を聞くのですか?そういう重要なことはもっと相応しい人に聞けばいいと思いますよ?」
まぁ、ぶっちゃけ、そんな面倒くさそうなこと私に相談しないで欲しいというのが本心です。
しかし、王様は少し黙り込み
「・・・・・・・・・いないのだ」
・・・・・・・・・?
「今までこういう事を相談していたものたちが今回の事件で全員捕まり、相談できる相手がいないのだ」
王様がそういいました。
え~~~っと、ティアには悪いけどこの国大丈夫ですか?
国政の重要な部分を決めている人たちがみんな反乱起こしたって・・・・・。
「はぁ・・・・・・・」
思わず私はため息をついてしまいます。
すると、王様はなにかすごく悲しそうな顔をしました。
仕方ないですね、とりあえず国民の不安とやらを無くす、もしくは紛らわす方法でも考えますか。
う~~~~ん、そうですね、こういうときはお祭りでもするのが一番なんですが、どんな理由でお祭りをしましょうか・・・・・。
んっ!!そうだ、良いこと思いついた。
「王様、お祭りをしましょう」
「む、お祭りだと?」
王様は情けない顔から真剣な顔に変わります。
「そうです。ちょうどティアの病気・・・・・不治の病が治ったと言うことで、奇跡が起きたとでも言うことにしてお祭りをしましょう」
ちなみに、ティアが不治の病でそう長くないと言うのは、悲劇の姫君としてローラント王国では有名な話です。
「これなら国民の不安もやわらげられると思いますよ」
「なるほど、それは良い考えだ!!」
王様が笑顔になります。
「リタ殿、ありがとうございます。早速準備をするので、私はこれで失礼する」
そういって王様は部屋から出て行きました。
しかし、なぜかこの後『ティアの病気が治った』お祭りではなく、『ティアの病気を治した私を歓迎する」お祭りに変わっていました。
~~~~~~~~~~~~~回想終わり~~~~~~~~~~~
まぁ、そんなわけで、私は今作り笑顔を浮かべて国民に手を振っていると言うわけです。
ただ笑顔で手を振るだけですが、以外と辛いです。
そかもかなり恥ずかしい。
「ティア、手が疲れてきました。休んでいいですか?」
私は国民に笑顔で手を振りながらティアに小声で尋ねます。
「ダメです。まだパレードは半分も終わってませんよ」
ティアも国民に笑顔で手を振りながら小声で答えます。
あぁ、早く終わらないかなぁ・・・・・・
私がそんなことを考えていた時です。
国民の中から私達に殺気を向けている人たちがいました。
魔術師1人に、暗殺者3人に雇い主であろう貴族が1人か。
とりあえず、今は放っておきますか、それほど強い人たちでもないみたいですしね。
それから数分後、殺気を出している人たちが動き出します。
「炎よ
燃え上がり
蹂躙せよ
ファイアー」
魔術師が私達に向かって魔法を撃ってきます。
キャッァァァァァ
パレードを見ていた民衆から悲鳴が上がります。
「ウィンドシールド」
ティアがすぐに風の盾を張ります。
普通なら火の魔法に風は不利なのですが、相手が弱かったのでしょう、簡単に防げています。
民衆はパニックになりそうでしたがティアが魔法を防ぎ笑顔で無事をアピールすると、少し落ち着きを取り戻します。
「死ね」
そこに、魔法に紛れて暗殺者3人が私達に襲い掛かります。
「ブロンズチェーン」
しかし、暗殺者3人は初めから気付いていた私に魔法で捕縛されます。
それを見た貴族が逃げようとしましたが、マキちゃんがそいつを私達のほうに蹴り飛ばします。
そして、飛んできた貴族を私が足元に殴り落とします。(もちろん気絶しました)
しかし、それを見ても魔術師だけはあきらめず、次の呪文を撃ってきます。
「アイスランス」
「マジックキャンセル」
私はその魔法をかき消します。
『マジックキャンセル』は相手の魔法を無理やり『なかったこと』にする魔法で相手との実力が相当ないと成功しません。
私に魔法をかき消された魔術師はそれを見て慌てて逃げようとしますが、私が『ブロンスチェーン』で捕まえます。
殺気を出していた人たちを全員捕まえた私達は、彼らを衛兵に渡し、なごともなかったかのようにパレードを再開します。
ワァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『漆黒の魔術師』様バンザーーーーーーーーーーーーーーイ
ティア王女様バンザーーーーーーーーーーーーーーイ
ローラント王国に栄光あれ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんか、さっきより盛り上がったみたいですね・・・・・。
まぁ、パニックになるよりはいいですか。
そのあと、私達はたっぷりと民衆に作り笑顔をプレゼントしました。
「はぁ、すごく疲れたです」
私は部屋の中でうなだれています。
「おつかれさまです」
ティアがそう言って労ってくれます。
「そういうなら、何かご褒美頂戴~~~~」
私はその言葉に適当に答えます。
「そうですね、特別ですよ?」
ちゅっ
そう言って、ティアは私の唇にキスしました。
私のファーストキスです。(前に私とマキちゃんにしたときはホッペでした)
「ありがたく思ってくださいね」
ティアはそう言って、顔を赤くしながら私の部屋を出て行きます。
「リタ、浮気ですか!!ずるいです、私もします」
ちゅぅぅぅぅぅぅ
私がしばらく呆然としていると、嫉妬したマキちゃんが、キスしてきました。
それもすごいディープなやつをです。
「マキちゃんにはいつもしてるんですから焼餅やかないの」
私はそう言って、マキちゃんの頭を優しくなでてあげます。
すると、マキちゃんは私の膝の上に乗ってうれしそうにします。
バタン
私がマキちゃんをなでていると、いきなり扉が開きます。
「そうそう、リタさんは明日から大変なことになると思いますが、頑張ってくださいね」
ティアが戻ってきて、笑顔でそういいます。
「え?え?何があるの?」
私は思わず聞き返します。
「それは明日のお楽しみです。今はせいぜいマキさんと楽しんで置いてくださいね」
そういって、ティアはまた部屋から出て行きます。
もしかして・・・・・ティア怒ってた?
なんででしょ?
その夜、私はティアの言葉に少し不安を抱えて眠りました。
なんてことはなく、いつもどうり、マキちゃんと楽しく寝ましたとさ。
ここまで読んでくれてありがとう。
このパレードは初めからやる予定でしたが、その前に宰相が反乱を起こすとは・・・・・
実は、宰相が反乱を起こす予定なかったんですが・・・・・なんで起こしたんでしょ?
さて、そんなことは置いておいて、
次回は『国政』の予定です。
楽しみに待っていてくださいね。
え?今回少なすぎだって?
すいませんすいません。