十七話 ローラント
十七話、ローラント完成です。
私は今、とても豪華な部屋にいます。
(マキちゃん、私、王様っていうのに会うの初めてです)
そう、ここは、とあるお城の待合室です。
(そうなの?でも、リタの家って名門貴族なんでしょ?)
確かに、私の家は名門貴族です。
普通なら、一度や二度王様に会う機会もあるはずです。
その証拠に、私の兄や姉、妹は王様に会ったことがあるらしいです。
しかし、私はありません。
(私は・・・落ちこぼれでしたから、『お前が王族に会うなんて100年早いわ』って親に言われて会わせてもらえなかったです)
(えと・・・ごめんね・・・・・)
私がそう言うと、マキちゃんが謝ります。
(あ、いえ、誤らないでいいです。もう過ぎたことですし、そのおかげでマキちゃんと出会えたのですから、感謝感謝です)
そういえば、私が落ちこぼれていたのは、マキちゃんが私を無理やり転生させたからでした。
マキちゃんが少し落ち込んでしまいました。
(ほら、そんな落ち込まないで、ね)
ちゅっ
私は、落ち込んでしまったマキちゃんを抱きしめて、キスをします。
(リタ・・・・・ありがとう)
マキちゃんは、そう言って笑顔に戻りました。
(ところで、話を戻すけど、謁見の際の礼儀作法知らないんですけど、どうしましょう?)
(謁見っていっても、ティアの親に会うだけでしょ?普段どおりでいいと思いますよ)
(そうかな?)
(はい、いざとなったらティアが何とかしてくれるでしょう)
(それもそうですね)
私はマキちゃんと念話で話していたことで、少ししていた緊張もなくなりました。
さて、もう分かったと思いますが、このお城はティアの家です。
リーン王国の北西、そこに、ローラント王国という小国があります。
そして、ティアの名前は、ティアノート=フィル=ローラント、この国の第三王女です。
つまり、ティアはお姫様でした。
ほんと、ここに来た時は驚きました。
~~~~~~~~~~回想~~~~~~~~~~~~
ティアが、そろそろ家に着くと言ったので、私が外を覗くと、馬車はお城向かって進んでいました。
初めは、お城の近くに家があると思っていたのですが、馬車は速度を緩めず進み、そのままお城へ入ってしまいました。
・・・・・・・・・・・・・?
「ここが私の家です」
私が不思議に思っていると、ティアがそういいました。
「家?」
「はい、このローラント城が私のお家なんです」
「つまり・・・・・ティアはお姫様?」
「そうなりますね」
「頭下げた方がいい?」
「いえ、普段どおりでいいですよ、それより、驚きました?」
「う・・・・うん」
驚いたなんてものじゃないです。
確かにティアからは貴賓を感じることはありましたけど、お姫様だなんて思いもしなかったです。
あ、そういえば、私ティアと契約してるんですけど・・・・・これってやっぱ不味いのかな?
「ティアノート第三王女様おかえり~~~~」
どっかの兵士がそう叫ぶのが聞こえました。
そして、私達が馬車から降りると、ティアは親に挨拶に行くということで、先に行きます。
私はその後、謁見の間で会うことになるそうで、とりあえずは、待合室になっている豪華な部屋に通されました。
~~~~~~~~~~~回想終わり~~~~~~~~~~~~
トントン
「失礼します。リタ様、謁見の準備が出来ましたので、私についてきてください」
ドアをノックして、入ってきたメイドさんがそう言います。
ついに王様とご対面ですね。
・・・・・・・・・・・・・・・
(ねえ、マキちゃん、謁見ってこういうものなの?)
私は、謁見の間に入ると思わずマキちゃんねそう聞いてしまいます。
だって、周りには兵士がずら~~~~~っと並んでて、王様の隣に王妃様、その両脇に王子様や王女様が並んでいます。(ティアもそこにいました)
その近に国の重鎮っぽい人たちがいて、(近衛騎士とか宮廷魔術師とか宰相とか)天上には忍び見たいなのがいます。(これは、マキちゃんが見てきました)
「私がこのローラント王国国王のジークフリート=フォン=ローラントである」
「あ、リタ=ロスト=ケミアです。よろしく」
王様が名乗ったので私も名乗ります。
ただ・・・普通に名乗ったせいか、周りの人たちが私を睨みました。
「そなたの噂は聞いておる。まさか娘の友人だったとな、これでも少々驚いておる」
噂?噂って何でしょう?
「そなたがあの『残虐の悪魔』を壊滅させたのであろう?『漆黒の魔術師』よ」
私が疑問に思っていると王様がそう言いました。
あ、ティアがごめんって言ってるみたいです。
つまり、周りに兵士が並んでるのはそういうわけですか・・・・・。
ところで『漆黒の魔術師』ってなんでしょう?
「はい、一応そうなりますね」
「うむ、娘とはこれからも仲良くしてやってくれ」
そのあとは、なんか王様が形式的なことを言っていたので、私はそれに「はい」とか「ありがとう」とか答えていました。
私が答えるたびに周りの人が睨むのは気のせいですね。
そういうことにしておきましょう。
「では、そなたをこの城の客人として認める。部屋を一つ用意する、存分に楽しんでいかれよ」
「うん、ありがとう」
「では、これにて謁見を終わる」
王様がそう言って、謁見が終わりました。
トントン
「リタ、いますか?」
私がさっきの豪華な部屋に戻ってしばらくすると、ティアが来ました。
「いるよ~~」
私が答えると、ティアが入ってきました。
「リタ、ごめんなさい、ついお父様に山賊のこと話してしまいました」
そういって、入ってくるなりティアは誤りました。
「いいよいいよ、それより『漆黒の魔術師』ってなんです?」
「あ、それはリタのことです。なんでも山賊から助けてもらった人たちが、黒い髪をしたすごい魔法使いに助けてもらったとかで『漆黒の魔術師』と呼んでいるそうです」
・・・・・・・・・・・・・・
まぁ、なんとなく予想はしてたけど・・・・・面と向かってそういわれると恥ずかしいですね。
「そうそう、私がリタさんの部屋まで案内することになったので着いてきてください」
「は~い」
「あ、一部屋しかないですけど、マキさんも部屋も用意した方がいいですかね?」
「一緒の部屋でいいですよ」
私は、マキちゃんに確認せずそう答える。
答えは決まってますからね。
「そうですか?では、案内しますね」
そう言ってティアが部屋まで案内してくれました。
さっきの部屋も豪華でしたけど、この部屋はさらにすごいですね。
天蓋付きのベットとかはじめて見ました。
「もう少ししたら夕食になりますから、着てくださいね」
私が部屋に入るとティアがそういいます。
「ほんとは、それも私が案内したかったのですが、またお父様達に呼ばれてまして・・・ごめんなさいです」
ティアは少し悲しそうにする。
「いいですよ、それでは夕食の時にまた会いましょう」
「はい・・・・・」
そういってティアは少し残念そうに部屋から出て行く。
トントン
私が部屋のベットでマキちゃんとゆっくりしていると、またノックの音がしました。
たぶん夕食の準備が出来たのでしょう。
「はぁ~い」
私がそう答えると、私と同い年くらいのメイドさんが入ってきました。
「失礼します、私はあなた様のお世話を仰せつかったメイドで、レイチェル=ミィル=シエスタと申します」
「あ、リタ=ロスト=ケミアです。リタって呼んでください・・・レイチェル?」
メイドさんが自己紹介したので、私もします。
「畏まりました、リタ様」
わぁ~~~、さま付けで呼ばれたの初めてです。
「そろそろ、夕食の準備が整いますので、ドレスに着替えていただきます」
レイチェルはそういうと、この部屋にあるクローゼットからいくつかドレスを出すと、私の服を脱がせ始めます。
「ちょ、ちょっと待って、一人で着替えれるから」
「いえ、これもメイドの仕事ですから」
私が慌てて声をかけますが聞いてくれません。
「あ、ちょ、やめて」
私はそう言って逃げます。
「すぐに済みますから、逃げないでください」
レイチェルさんはそういいます。
「自分着れますから、今日のところはあきらめてくれません?」
「ダメです」
私は説得しますが、どうしても一人では着替えさせてもらえないみたいです。
それならいっそ・・・・・
「分かりました、着替えさせてあげてもいいです。その代わり私にもレイチェルを着替えさせてください」
「・・・・・・・・・?」
「だから、私一人だけ着替えさせられるのは不公平だから私にも着替えさせなさいって言ってるの」
「しかし、私はメイドなので・・・・・」
「ダメ、じゃないと着替えない」
レイチェルは言いよどみますが、私は断固として譲りません。
「はぁ・・・・・分かりました、着替えさせていただきますので、着替えさせてよろしいですか?」
「うん」
こうして、私はレイチェルに着替えさせられ、私もレイチェルを着替えさせました。
私は綺麗なドレスですで、レイチェルは何故か部屋にあったフリフリの付いている、かわいらしいドレスです。
ちなみに、着替えさせる時、胸を揉んだりさせていただきました。結構大きかったです。
私が食事をするための部屋に着くと、すでに王様、お妃様、王子様×3、王女様、ティアの7人がすでに席についていました。
「リタ、にあってますよ」
「ありがとう、ティアもかわいいよ」
ドレス姿を褒めてくれたので、私もティアを褒めます。(もちろん、ティアは本当にかわいかったですよ)
「ところで、お前は何でそんな格好をしているんだ?」
王子の一人がレイチェルを見て言います。
「そ・・・それは・・・・・」
レイチェルが赤くなります。
「私が着替えさせたんですよ、かわいいでしょ」
私はすかさずそう言います。
「ふふふ、確かにかわいいですね」
王女様が言います。(たぶんこの人はティアのお姉さんですね)
そのことばを聴いて、レイチェルはますます赤くなります。
「全員集まったようなのでそろそろ夕食を始めたいのだが・・・よいか?」
私達が話していると、王様がそういいました。
「いいですよ~~」
私はそう答えます。
「うむ、ではティアの帰還と友人に乾杯」
「カンパ~イ」
こうして夕食が始まりました。
初めは学園のことなど楽しく話していましたが、ティアの体調のことになると、周りが暗くなります。
「そうだな、リタ殿には話しておくか・・・実はティアは病弱でな、医者の話では後半年持たないそうだ」
王様がそういって切り出します。
「学園に行くのも初めは反対していたのだが、「どうせ死ぬなら外の世界を見たい」とせがまれてな、渋々承諾したのだ」
王妃様たちは涙をこらえています。
「学園に行くのが遅れたのも、行く前日にティアが熱を出して寝込んでしまったからなんだ」
なるほど、それで来るのが遅かったんですね。
「まぁ、そんな娘だが、よろしく頼むぞ、リタどの」
王様はそういって寂しげに微笑みます。
「あ、はい、それと、ティアはもう治っていますよ?」
とりあえず、私はティアが治っていることを教えます。
「そうか、ではこれからもティアをよろしく・・・・・今、なんと言った?」
王様は言葉を途中でやめて、聞き返してきます。
「ですから、ティアが病弱なのはもう治りましたよ」
「それは、真か!!」
王様はそう大声を出して私に聞き返します。
「はい、もう十分元気です」
王様だけでなくお妃様や王子様たちもティアの方を見ます。
「はい、リタさんに治してもらいました」
ティアはそう言ってにっこり微笑みます。
「医者だ、すぐに医者を呼んで参れ!!」
「は、はい」
王様がそう言うと、メイドの一人が走って医者を呼びに行きます。
「リタどの、すまぬが今日はここまでにしてくれぬか、そなたが言ったことが本当かすぐに調べたいのでな」
「わかりました。私は部屋に戻ってますね」
王様がそう言ったので、私はレイチェルに連れられて部屋に帰ることにしました。
私は部屋に戻ると、ベットに横になります。
とりあえず、今日はティアのことで手一杯でしょうからもう寝ますかね。
私はそう思い、着替えます。
もちろん、マキちゃんと楽しんでからね。
その夜は、大きなベットのせいもあってか夜遅くまでマキちゃんと楽しみました。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
どうでしたか?
ティアは実はお姫様でした。
なんとなく分かっていた人もいたかもしれませんね。
誤字、脱字、感想など書いてくれるとうれしいです。
次回は、題名は未定ですが、お城のなかで色々あります。
え?そんなことは分かっているって?
すいませんすいません。