十五話 テストが終わって・・・・・
この学園には『~~~会』って言うのが沢山あります。
ああ、空が青いなぁ・・・・・隕石でも落ちてこないかなぁ・・・・・
私は今、ティアに引きずられています。
(何時かは行くことになるんですから、あきらめなさい)
マキちゃんが笑いながら言います。
(2ヶ月くらい姿をくらませば、落ち着くと思いません?)
私は抵抗を試みます。
(無理ですね、むしろそれだけ姿を隠し通したら騒ぎが拡大するはずです)
シクシク
私、何も悪いことしてないですよ?
グラウンドに大穴、空けたのだって試験中の事故ですし・・・
なぜ、こんなことになっているかというと・・・・・
~~~~~~~回想~~~~~~~~
テストの結果を見終わり、私達が教室に戻ると、クラスメイトに囲まれました。
「ケミアさん、一番おめでとう」
「ローラントさんも、技術一番おめでとう~」
「『園外学習』の時から思ってましたけど、ケミアさんってすごいんですね」
「特待生を差し置いて、一番取っちゃうんですもん」
「尊敬しちゃいます」
クラスメイトが口々に賞賛してくれます。
私とティアは照れますが、悪い気はしませんでした。
ここまでは良かったです。
問題はこの後です。
「ここにリタ=ロスト=ケミア、及びにティアノート=フィル=ローラントはいるか?」
突然偉そうな態度をした生徒が教室に入ってきます。
「リタは私ですが何か?」
私は、思いっきり喧嘩腰です。
なぜって?
私はこういう態度でかい人余り好きじゃないからです。
「おまえがそうか、我々は特待生の1組だ。一番を取ったからって調子に乗るなよ、今回はたまたま我々の調子が悪かっただけだ」
何処から来るんしょうね、この自信。
調子が良いも悪いも私、パーフェクトですから一番には変わらないんですけど・・・・・。
「なんなら、今此処で勝負してやってもいいんだぞ?ん?」
私が黙っていると、その内の一人がそう言いました。
「そうですね、ここじゃ周りに被害が出るんで、グラウンド出ません?」
私はいい加減ムカついていたので、そう言います。
「そうかそうか、さすがに我らには怖気づいたか」
ん?
何言ってるんでしょうこの人?
人の話聞いてましたかね?
「勝負してあげると言ってるんですけど・・・聞いてます?」
私は哀れむような目で見て言う。
「なに?お前正気か?」
特待生の人たちが睨んできます。
「そうです、さっさとグラウンドにでましょう」
私はそう言ってグラウンドに向かいます。
「いい度胸だ、泣いても知らないからな」
そういって、特待生の人たちも私に付いて来ました。
グラウンドに着くと、私は特待生の人たちと対峙します。(グラウンドに出来た穴は未だに直ってませんでした)
ところが、何故か特待生の人たちは、そのまま攻撃態勢に入ります。
もしかして、一対多数でやるつもりでしょうか・・・・・最低ですね。
「私が審判をする。武器の使用は自由、相手が気絶するか戦闘不能になる、または負けを宣言したら相手の勝ちだ」
いつの間にかどっかの教師が審判をしています。
しかも、何かすごいギャラリーいるんですが・・・この人たちどっから沸いて出たんでしょうね。
「それでは、両者準備は言いか?・・・・・始め!!」
いや、私良いなんていってないんですけど・・・・・。
試合の開始合図を聞くと、特待生の人たちは一斉に詠唱をはじめる。
えと・・・アホですか?この人たち。
それだけ人数いるのに、全員で詠唱したらみんな無防備になるじゃないですか・・・。
とりあえず、そのまま倒しても詰まらないので、結界で攻撃を防ぐことにします。
「基たる4つの属性よ
合わさり巡って
我が周りを遮断せよ
エレメントクリスタル」
私は、火、水、風、土の四属性を合わせて作った結界を張ります。
そこに、特待生達の魔法が襲い掛かりました。
それにしても、私の方が後から詠唱初めて、なんで先に終わるんでしょ?
しかも、すごく弱いです。
これなら、ティア一人の魔法のほうが全然強いです。
結界張らなくても防げたかも・・・・・。
まぁいいです。
なんか特待生たちが驚いていますが、今度はこっちの番です。
私は亜空間から『レッドキャンパス』を取り出すと、炎を纏わせます。
そして、真横に一閃、炎の波が特待生達を襲います。
私は二撃目の攻撃のため今度は冷気を纏わせます。
しかし、炎の波が消えてみると、特待生達は全員倒れていました。
「し、勝者、リタ=ロスト=ケミア!!」
審判がそう言います。
「ワァァァァァァァァァァ」
すると、ギャラリーから歓声が上がります。
・・・・・・・・・・・
何か拍子抜けですね。
この人たち弱すぎです。
私が、特待生達を倒して、教室に戻ると、今度は生徒会と名乗る人たちが来ました。
「リタ=ロスト=ケミアくん、我が生徒会に来たまえ、あなたの力は生徒達の役に立ってこそ意味がある!!」
生徒会長なる人がそう言います。
正直、私はそんなものに興味はありません。
それに、生徒会なんて入ったら、マキちゃんと『いちゃいちゃ』する時間が減っちゃうじゃないですか。
「すいません、お断りします」
なので、私はきっぱりと断った。
「なぜだね?生徒会は多くの特権が与えられるし、単位も貰える。何より生徒達を守るのは名誉なことですよ?」
ふむ、さっきの『特待生』やらと比べると以外にまともそうな人たちですね。
けど、それとこれとは別です。
「私にも、色々事情がありまして・・・すいません」
私はそう言って、もう一度断ります。
「ふむ、なら仕方ないか、だが、私達は諦めたわけではない、気が向いたら、いつでも生徒会に来てくれたまえ」
そういって『生徒会』の人たちは帰っていきました。
しかし、その後も、『貴族会』だとか、『学生院付属会』だとか、『魔術師育成会』だとか次から次えといろんな人たちが来ました。
いったい、この学園いくつこんなのがあるんでしょう?
いい加減、うんざりした私は、教室の窓に足をかけ・・・
「アイ、キャン、フラ~~~~イ」
っと言って空に飛び立ちました。
~~~~~~~~~回想終わり~~~~~~~~~~
そして、一週間部屋に閉じ籠るって、マキちゃんとずっと『いちゃいちゃ』していた所、ティアがキレて、私を引きずり出したというわけです。
あの温厚なティアですが、キレたらとても怖かったです。
「リタさん、いい加減観念しましたか?」
ティアが私を引きずりながら言います。
「うぅぅぅ、勧誘嫌です~~~、私は部屋がいいんです~~~~」
私は抵抗します。
「部屋にいると、マキさんとずっと『いちゃいちゃ』してるじゃないですか!!」
ティアがそう言います。
「私はその方がいい・・・・・すいません」
マキちゃんが私に同意しようとして、ティアに睨まれて誤ります。
「勧誘は全部私が断っておきましたから、確りして下さい」
ティアはそういいます。
「ほんと?もう『何たら会』とか言うの来ないですか?」
「こないですよ、だからちゃんと歩いて下さい」
「うぅぅぅぅ・・・・・わかった。でも、またいっぱい来たら逃げますからね」
「それでいいですから、ほら、もう校舎に着きましたよ」
私は仕方なく教室に行きました。
私が(というかティアが、でしょうか?)教室に入ると一瞬教室が静まり返りました。
・・・・・・・・・・・?
どうしたのでしょう?
しかし、ティアは気にせず自分の席に行きます。
(みんなどうしたんでしょう?)
私は念話でマキちゃんに聞きます。
すると、見えないことを利用してクラスメイトのヒソヒソ話を聞いていたマキちゃんが戻ってきました。
(ティアが勧誘にキレて暴れたそうです)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ティア、いったい何したんですか?
ちなみに、勧誘はほとんど来ませんでした。
来た人たちも、ティアに睨まれると、そそくさと帰っていきます。
ほんとに、何したんでしょう?
ここまで読んでくれてありがとう。
リタが力を見せ始めましたね。
(ティアも何かやったようですが・・・・)
誤字、脱字、感想など書いてくれるとうれしいです。
次回は『一学期終了』になる予定です。
え?早すぎだろうって?
すいませんすいません