十四話 テスト
この話で、いきなり時間が飛びました。
ご容赦してください。
静まり返った教室に、物を書く『カリカリ』という音だけが響きます。
同じクラスの、ティアとアリスもみんなと同じで、真剣な顔をしています。
そんな中、私だけは机に突っ伏し、『カリカリ』という音をBGMに気持ちよく寝ています。
「カーン、カーン、カーン」
突然、今までの静寂を破って、鐘の音が聞こえます。
その音を聞くと、大半のクラスメイトはホッとしますが、中には頭を抱えている人もいます。
そう、今はテスト中でした。
「リタ・・・・・始まって10分ほどで寝てましたけど、大丈夫なんですか?」
私が鐘の音で目覚め、「ん~~~~」っと伸びをしていると、隣の席のティアが聞いてきます。
「ん?大丈夫、大丈夫、問題ないです」
私は、そう答えて笑います。
「それなら良いんですけど・・・」
ティアは釈然としない顔をしていましたが、とりあえずそういいました。
「それより、次は実技ですよ、早く行きましょう」
私は、そうティアに言うと、アリスも呼んで、3人で更衣室に向かいます。
(リタ、いい加減クラスメイトの着替えを『ジロジロ』見るのやめませんか?)
私が、更衣室でクラスメイトの下着姿を堪能していると、マキちゃんが念話でそういいます。
(いいじゃないですか、減るものでもありませんし)
私はそう答え、見るのを続けます。
「リタはエッチだねぇ」
アリスはそう言って笑っていますが、ティアは真っ赤になって、なかなか着替えが進みません。
ティアは、部屋で着替えを見られている時は平気そうにしているのに、更衣室だと真っ赤になるのは何ででしょうね?
まぁ、顔を赤くしているティアはかわいいので問題ないですけどね。
私達は、着替えが終わると、グラウンドに行きます。
ちなみに、ほとんどの女子はスパッツですが、私はブルマを履いています。
理由?かわいいからに決まっているじゃないですか。
「では、今から技術の試験を始める。一人ずつ順番に前に出なさい」
授業が始まると、技術担当の教師が来てそういいます。
まずは、魔法の威力テストです。
生徒が『測定用強化案山子』に魔法を当てると、その威力に応じて、グラウンドの隅に置いてある、大きな水晶玉に数字が表示されます。
「そろそろ、私やってくるね」
ある程度、時間が経った時、まずはアリスがテストを受けに行きます。
「「頑張ってね(ください)」」
私とティアはそう答えます。
アリスが魔法を撃つと、113という数字が表示されます。
今までの平均が85くらいだったのでこれはかなりいい数字です。
「「おつかれさま(です)」」
アリスが帰ってくると私とティアはねぎらいの言葉をかけます。
「ありがと」
アリスはそうお礼を言いました。
さて、他の生徒が全員終了したところで、私とティアもテストを受けに行きます。
なぜ最後にしたかというと、マキちゃんが(二人は最後にした方がいい)と言ったからです。
私達は良くわかりませんでしたが、とりあえず言うとおりにします。
先に、ティアが得意な風の魔法を放ちます。
ドーーーン!!
どの生徒が撃った魔法より大きい音がします。
水晶玉には835という数字が表示されていました。
・・・・・・・・・・・・・
教師も含め、みんな呆然とします。
まぁ、ティアは私と一緒にマキちゃんの指導を受けてましたからね。
教師が我に返ると、慌てて「つ、次」っといいます。
「リタさんも、がんばってください」
私がティアとすれ違う時、そう声をかけられます。
「負けませんよ」
私はそう答えて、気合を入れなおします。
さてっと、最近覚えた光の大魔法でも使ってみますかね。
私は『測定用強化案山子』の前に出てそうつぶやくと、呪文を唱えます。
「あぁ、世界を包む眩しき光たちよ
天まで上る一束の柱となりて
我が前に蠢く愚かなる者達を消し去りたまえ
ジャッジメント オブ レイ!!」
パァァァァァァ、ズドーーーーーーーーーン
私がそう唱えると、『測定用強化案山子』を中心に光の柱が現れ、半径10メートルほどの穴を作る。
しかも、そこが見えないほど深い穴です。
水晶玉には『エラー』と表示されています。
もちろん、『測定用強化案山子』なんて跡形もありませんでした。
・・・・・・・・・・・
あれ?やりすぎました?
「えへ、案山子無くなっちゃいました」
私は、そうおどけて見ましたが、さっき800台の高記録を出した、ティアも含め、みんな唖然としています。
そんな中、マキちゃんだけは、このことが予想できたのか、自慢げに胸を張っていました。
「カーンカーンカーン」
授業の終了を告げる鐘が鳴ります。
案山子なくなりましたけど、次のクラス、授業どうするんでしょ?それと、この穴も。
ちなみに、私とティアは次の魔法制御の試験でパーフェクトを出し、その次の詠唱速度のテストでは、無詠唱魔法を使いました。
これは、結果が楽しみですね。
さて、テストから一週間、ついに結果が廊下に張り出されます。
結果表は2種類張り出され、一枚目は剣術科、戦術科、治療科、魔法科、4つの校舎を合わせた筆記の成績表です。
もう一枚は、魔法科だけの技術による成績表です。(他の科もそれぞれの成績表が張られています)
私とティアとアリスは、まず技術の成績表を見に行きました。
まずは、アリスの成績です。(何処にあるかは学生証を成績表に当てると判ります)
アリス=ピュア=リューン 12組
合計得点 433/500 順位 387/4357位
これはかなりいい成績です。
次は、ティアです。
ティアノート=フィル=ローラント 12組
合計得点 500/500 順位 1/4357
・・・・・・・・
1位でした。
けれど、その上にも名前があります。
リタ=ロスト=ケミア 12組
合計得点 500/500 順位1/4357
・・・・・・・・
私でした。
まぁ、あれだけのことをやれば、トップにもなりますか。
さてっと、気を取り直して、次は筆記です。
今度はティアから見ます。
ティアノート=フィル=ローラント 12組
合計得点 756/1000 順位 3578/10598
十分いい成績ですね。
次はアリスです。
アリス=ピュア=リューン 12組
合計得点 885/1000 順位 857/10598
おぉ、三桁です。
さてと、私はどこかな?
リタ=ロスト=ケミア 12組
合計得点 1000/1000 順位 1/10598
・・・・・・・・
トップですね。
「「リタ(さん)、テストの時、寝てたよね(ましたよね)!!」」
ティアとアリスの声が重なる。
「あ・・・あはははは・・・・・」
とりあえず笑っておきます。
かなり出来たと思いましたが、まさかパーフェクトとは・・・・・。
「納得いきません」
ティアがそういいます。
「ほんと、非常識です」
アリスもこう答えます。
そんなこと言われましても、私にどうしろと?
(リタなら当然ですよ、だって私の恋人ですから)
マキちゃんのその言葉だけが救いでした。
あ~~~~教室戻ると大変なことになってるんでしょうね。
・・・・・このまま、サボっちゃいましょうか?
テストどうでしたか?
学生のころ、私は1位どころか上位にもなった記憶がありません。
え?そんなことはどうでもいい?
すいませんすいません
次回は・・・また未定です。
あ、ごめんなさい、物を投げないでください。