十話 園外学習の罠(前編)
園外学習の罠(前編)をお届けします。
少し長くなりそうだったので、二つに分けてみたのですが・・・そうでもない?
「ん・・・・さむっ・・・・・」
今日は『園外学習』の日です。
しかし、私が目を覚ますと、隣にいるはずのマキちゃんがいませんでした。
・・・・・・・・・!?
私は、ベットから飛び起きると、マキちゃんを探します。
けれど、私の目に見える範囲にマキちゃんはいませんでした。
「マキちゃん、マキちゃん、どこ!?いたら返事して!!」
私は、叫んでマキちゃんを呼びます。
しかし、どこからもマキちゃんの声は帰ってきませ・・・・・・・・・・
じゅぅぅぅぅぅ
・・・・・・・・・・?
「あ、リタ、おはようございます」
マキちゃんは隣の部屋にある、台所の前にいました。
ぎゅっ
ちゅぅぅぅぅぅぅ
「・・・・・・ぷはぁ、マキちゃん、おはようございます」
私は、抱きついて、キス(ディープ)してから、朝の挨拶を返しました。
「マキちゃん、何やってたんですか?隣にいないから、すごく心配したんですよ」
「あ、ごめんね、リタ。今日の『園外学習』用に、お弁当作ってたのよ」
「お弁当・・・・・ですか?」
「そうですよ、愛情たっぷりのラブラブ弁当です」
「マキちゃん、好きです。大好きです。愛してます」
「私も、リタのこと愛してますよ」
そうして、私はマキちゃんと一緒に『スペシャルラブラブ弁当』を『いちゃいちゃ』しながら作りました。(『ラブラブ弁当』から『スペシャルラブラブ弁当』に変わったのは二人の愛が合わさった結果です)
数十分後、ティアが起きてきたので、私達は食堂に行って朝食を食べました。
そして、現在8時少し前、私達は集合場所である、学園の門に集まっています。
「リタ、ティア、おはよう」
「あ、アリスおはよう」
「アリスさんおはようございます」
私達が集合場所に着くと、そのすぐ後にアリスも集合場所に来たので、朝の挨拶をします。
それにしても、この人たち(クラスメート)園外に行くって自覚あるんでしょうか?驚くほど軽装なんですけど・・・・・。
リュックさえ持っていない人もいます。
まぁ、私達はちゃんと用意してありますから、いいですけどね。
「よし、全員集まったな、いないやつは返事しろ。・・・・・よし、全員いるな、じゃっ、出発するんで着いてくるように」
私達が三人(私は、マキちゃんとも念話してたので実質4人?)でお話していると、オヤジが一方的にそう言って、さっさと一人で出発してしまいます。
いないやつ返事しろって・・・・・相変わらず最低なオヤジですね。
それから、歩くこと約3時間、「そろそろ昼飯にする」っとオヤジが言って昼食になります。
別に、生徒のためにしたわけではなく、自分が食べたかっただけ、みたいですねどね。
その証拠に、すごく高そうなお弁当を取り出すと、さっさと一人で食べ始めていました。
まぁ、オヤジのことは放っておいて、私達もお弁当です。
私はリュックから(といっても、中には何も入っていません。リュックは亜空間に繋げるためのカモフラージュです)お弁当を2つ取り出すと、ティアとアリスも自分のお弁当を出します。
私達は、草の上に腰を下ろして、お弁当を食べ始めます。
さすが『スペシャルラブラブ弁当』、マキちゃんの愛が伝わってきます。
私達は取り留めのない話をしながら(私はマキちゃんの愛を噛み締めながら)楽しいひと時を過ごしました。
オヤジは、高級弁当を食べて、一服した後「よし、出発するぞ、まだ食べてるやつはさっさと片付けろ」といって、また一人でさっさと歩き出しました。
ほんとに、自分勝手なオヤジです。
五時間後
山の麓に着くと、オヤジは「今日は此処で野宿だ」と言って、自分はちゃっかり用意していたテントに入っていってしまいます。
「え~~~~~~~!!」
ほとんどの生徒が、悲鳴の声を上げます。
まぁ、歩きつかれて、フラフラになってるところに野宿ですからね。
ちなみに、私とアリスは強化魔法、ティアは風の補助魔法を使っていたので平気でした。(マキちゃんは何も使ってなかったようですが、特に疲れている様子はないので、大丈夫みたいです)
私達は、他の生徒が叫んでいる間に、薪を集めて焚き火を起こすと、(火は魔法でつけました)私のリュック(亜空間)から、昨日買っておいた保存食を出して、食べ始めます。
私達が3人で(4人で)楽しく食べていると「いいの持ってんじゃん、私達にも分けろよ」っと言って何人かの女子が、私達のところに来ます。
なんなんでしょう、この人たち、貰うにしても言い方ってモノがあると思います。
そのせいで、ティアは振るえ出してしまいますし、アリスも怖がって・・・・・いないですね、完全に無視してます。
あ、マキちゃんは鎌を取り出しました。
「あなた達に上げるエサはないですね、どっかに行って下さい」
私も正直『イラッ』っとしたので、冷たくそういいます。
(私は基本的に、女子には優しいですが、あくまで『基本的には』です)
「はぁ?調子こいてんじゃねーよ、前々からお前のことは気に入らなかったんだよ」
そう言ってその中のリーダー的な女子が掴みかかってきます。
なので、私はそいつに、風の魔法を使ってブン投げてやりました。
その女子は、ブン投げた先にあった木にぶつかって、気絶しました。
いい気味です。
マキちゃんとアリスもすっきりした顔をしています。
ティアだけは、「ま、まずいですよ~~~」っと言いましたが、「大丈夫、大丈夫」と私が頭をなでてあげると、気持ちよさそうにして、それ以上何も言いませんでした。
そうそう、取り巻きの女子達は私が睨みつけてやったら逃げていきましたよ。
ここまで読んでくれてありがとう。
この話は『園外学習の罠』(後編)に続きます
誤字、脱字報告、感想など書いてくれたらうれしいです。
次回は、後編です。
楽しみに待っていてください。
え?一気に書いてくれって?
すいませんすいません