七話 入学式
おまたせしました。
入学式です。
リタは、この学園でどうすごしていくのでしょうか?
「リタ、リタ、朝ですよ。起きて下さい」
入学式の朝、私はそんな言葉で起こされました。
「あ、やっと起きましたね、リタ。おはようです、ちゅっ」
目が覚めました。
ええ、覚めましたとも!!
美少女にキスで起こされるって、ついに私はギャルゲーの主人公になったのでしょうか!?
い・・・いや、落ち着け、まずは深呼吸です。
すーーはーーすーーはーー ちゅっ !?
またキスされました。
えっと・・・・・今、私の目の前にいるのは・・・マキちゃん?でも裸ですよ?
・・・・・良く見たら私も裸ですね・・・・・そういえば昨日・・・・・///////
思い出しました。
私はついにマキちゃんと・・・・・きゃっ
でも・・・どうしたのでしょ?マキちゃんからキスしてくるなんて、今まで無かったのに・・・・・。
いや、昨日はマキちゃんからでしたけど、(しかもディープ←これ重要)
「マキちゃん?性格変わってませんか?」
とりあえず、聞いてみることにします。
「ん?私、リタのこと好きになってたみたいです」
告白されました!!
これは、なんですか?
付き合ちゃって良いんですか?
マキちゃん私の嫁ですか?
「私をこんなにしたんですから、責任とってくださいね?」
これは・・・プロポーズ!?プロポーズというやつでしょうか!?
「マキちゃん!!」
「はい」
「結婚してください」
「いいですよ」
やりました。結婚です。
ついに私も素敵な花嫁さんになる時が来ました。
マキちゃんと一緒に、純白のウエディングドレスをきて、バージンロードを歩くのです。
そういえば、今日は入学式でした。
今日から寮で朝ご飯がでます。
あの後「式場を探してくる」っと言って裸で廊下に飛び出ようとした私を、マキちゃんが止めてくれました。
そこで少し冷静になった私は、新しい制服(前のは真っ赤になったので捨てました)に着替えました。
マキちゃんも着替えるの手伝ってくれました♪
着替えをすることで少し落ち着いた私は、改めてマキちゃんを見ます。
かわいいです・・・じゃなくて、これが私のよ・・・・・でもなくて、あぁ・・・ダメです。また冷静でなくなってきました。
そんなことを考えながら私はマキちゃんを見つめます。
すると、マキちゃんの顔が少しづつ赤くなってきました。
「あ・・・う・・・そ、そうです。朝ご飯食べに行きましょう」
私が見つめ続けていると、それに耐えられなくなったのか、マキちゃんがそういいました。
真っ赤になってるマキちゃん、かわいい!!
そんなこんなで、食堂に着きました。
すでに結構な人がご飯を食べています。
ちなみに、今は朝の6時です。
入学式が始まるのは9時からなのですが、寮から校舎までは遠いので仕方ないですね。
「リタ、あ~~ん」
マキちゃんが『あ~~ん』をしてくれます。
もう、ラブラブです。
人の目?
気にしません!!
っというわけではなく、マキちゃんにかかっている認識疎外の範囲を私まで広げてもらっています。
まぁ、ラブラブするだけなら本当に気にしないんですけど、マキちゃんは死神なので人からは見えません。
つまり、私が一人で『あ~~ん』しているかわいそうな人になります。
朝ご飯を食べた私達は、一度部屋に戻って、いちゃいちゃしてました。
なぜって?
もう強化魔法を習得した私は時間を掛けなくても校舎までいけるからです。
なんて思っていたら8時半過ぎました。
やばい、遅刻しそうです。
私は、行ってきますのキスをすると、校舎に向かいます。
まぁ、マキちゃんも一緒に行くんですけどね。
これは、気分の問題です。
校舎に着くと、クラスが張り出されています。
私のクラスはっと・・・てか、全部で23組あるとかおかしくありません?
見つからないです、というか、見つかる気がしません。
他の人も同じなのか、かなり混雑しています。
「リタ、リタ、ありましたよ。1年12組です」
マキちゃんが見つけてくれました。
さすがマキちゃん、ナイスです。
私が教室に入ると、まだ少ししか来ていませんでした。
あと10分ほどで9時なんですが・・・・・大丈夫なんでしょうか?
結局、先生が来た時、席は半分しか埋まってなかったです。
毎年のことなのか、先生は気にした様子もなく、今いる人たちを廊下に並べると、そのまま講堂に向かいました。
何気にひどいです。
講堂について、しばらくすると、校長とかいう偉そうな人が出てきて、難しいけど余り意味のないようなことを何回も繰り返ししゃべっていました。
これはあれですか、あの校長のみが使えるという伝説の睡眠魔法ですか?
マキちゃんなんて、すでに私に抱きついて寝ています。(隣の席は空いていました)
入学式が終わると私達はまた教室に戻ります。
あの後、生徒代表とか先輩の挨拶とかあったらしいですが、私も睡眠魔法で眠らされたので覚えていません。
校長の睡眠魔法、恐るべしです。
話を戻します。
私たちが教室に戻ると、残りの生徒が来ていて、席に座って待っていました。(まだ5人ほど迷子になっていて来てないそうですけど)
その生徒たちに向かって先生は入学早々弛んでるとか何とか言ってます。
何なんでしょうね、このオヤジ、あんなの張り出しても、探すのに時間かかって、教室までこれないことくらい、わかりそうなものですが。
ん?先生じゃないのかって?こいつはオヤジ十分です。マキちゃんも同意してくれました。
長々と説教みたいなこと言っていたオヤジは、最後に「教科書は各自購買部で購入しておくこと」っと言って教室をでていきました。
あの・・・・・明日の時間割聞いてないんですが?
そのあと、購買部に行って教科書を買ったのですが、なんか30冊くらいありました。
みんな一回で持てなくて寮と購買部を往復してるみたいです。
寮と購買部は強化魔法なしだと往復で1時間は掛かります。
これ、なんていじめ?
まぁ、私は亜空間に突っ込んでおきましたけどね。
購買部で教科書を揃えた私は、とりあえず学生課にも顔を出しておきます。
学生課のお姉さんには、結構世話になっていたので、入学の挨拶です。
私が「入学しました。これからもよろしくお願いします」っと挨拶すると、「入学おめでとう、こちらこそよろしくね」っと笑顔で言ってくれました。
あのオヤジとは大違いです。
さてっと、あいさつも済ませましたし、寮に戻りますかね。
「リタさん、少しいいですか?」
学生課を出るところで、お姉さんに呼び止められます。
「なんでしょう?」
私が聞くと、お姉さんは一つの依頼書を出して、「これやってくれませんか?」っと聞いてきました。
内容はと、『ランクD 学園の近くで繁殖してしまった『角ウサギ』を退治する 期間は出来るだけ早く 報酬は銀貨30枚』っと書かれてました。
前見た時より報酬が増えてますね。
数も書かれていませんし、嫌な予感がします。
私が受けようか迷っていると「私からも報酬出しますから、お願いできませんか?」っと言われました。
なんでも、『角うさぎ』の数が増えすぎて誰も受けてくれない(受けてもキャンセルされる)みたいで、困っているようです。
仕方ないですね、他ならぬお姉さんの頼みです。
「わかりました。やってみます」
私がそういうと、お姉さんは「ありがとう」と言って握手して来ました。
相当困っていたみたいですね。
え~~~依頼された場所に来ました。
・・・・・なんですかこれは?
ウサギウサギウサギウサギウサギどこを見ても『角ウサギ』ばっかりです。
「リタ、すごいことになってますね」
マキちゃんも唖然としています。
「ですね。依頼がキャンセルされたのも納得できます」
とりあえず、こうしていても仕方ないので、魔法を唱えます。
「厳選なる神の雷よ
幾重もの柱となりて
我には向かう者共を殲滅せよ
ディフュージョンサンダー」
私が魔法を放つと、8割方『角ウサギ』が倒れる。
「マキちゃん、いきますよ」
「はい」
私は、マキちゃんにそう言うと、短縮魔法を連続で撃つ。
「ウィンドカッター」
「アイスニードル」
「ファイアーボルト」
私が『角ウサギ』が固まっている場所に魔法を撃って、マキちゃんが逃げ出した角ウサギを、鎌で切り裂く。
最高のコンビネーションですね。
約30分で『角ウサギ』の殲滅終了です。
倒した証に『角ウサギ』の『角』をもぎ取ります。
最初の魔法で『角』のほとんどが使い物にならなくなっていましたが、それでも無事なのが100本ほどあってもぎ取りのほうが大変でした)
学生課に戻った私は、持ってきた『角ウサギ』の『角』と学生証をお姉さんに渡します。
お姉さんは驚いた顔をしてそれを受け取ります。
どうやら、一日で倒せるとは思ってなかったみたいです。
「おつかれさまです」
そういってお姉さんは銀貨30枚を私にくれます。
「あと、おめでとう、あなたは今日からEランクに上がったわ」
そう言って、ランクアップした学生証を返してくれます。
「私は、もうDにしてもいいと思うのだけど、規則なので、ごめんなさいね」
「いえ、気にしませんよ」
私は、笑顔で答えます。
「それと、これは私からのプレゼントね」
お姉さんは『武器交換権』なるものを私にくれます。
そういえば、お姉さんからも別で報酬をくれるとか言ってましたね。
「ありがとうございます」
「これからも頑張ってね」
私がお礼を言うと、お姉さんも、笑顔で答えてくれました。
さて、私はお姉さんから『武器交換件』なるものを貰ったので、もう一度購買部に戻って、今度は『武器、防具屋』に入ります。
私は一応、魔法科なので、とりあえず杖でも見てみます。
木で出来てる物や、鉄で出来てる物と色々ありますね。
(リタ、リタ)
私が杖を見ていると、マキちゃんが念話で話してきます。
(リタに、杖は必要ないわよ)
(ん?どういうこと?)
(杖って言うのは魔法の補助なの、つまり魔力の底上げや制御補佐をするの。だけどリタは魔力を沢山持ってますし、制御も、もう問題ないです。だから杖は必要ないですよ)
(なるほど・・・ならどうしましょうか?)
(そうですね、剣でも買いませんか?)
(剣ですか?)
(そうです、リタには剣の才能もあるので、魔法剣士になれます)
(魔法剣士・・・いいですね、それ!!)
(でしょ、リタならきっとカッコイイです)
面と向かって『カッコイイ』なんて言われると少し恥ずかしいですね。
剣は・・・こっちですね。
えっと、ロングソード、エストック、クレイモア、色々ありますね、どれにしましょうか。
(リタ、リタ、これなんてどうでしょう?)
そう言って、マキちゃんが指したのは赤い刀身をした両刃の少し小さめの剣でした。
(これは?)
(これは剣その物の切れ味はないんだけど、魔法耐性が高くて、全属性をまとえる特殊な剣です。名前は・・・『レッドキャンパス』ですね)
(ふむふむ、なら魔法剣士には最適ですね)
(はい♪)
私はその剣をカウンターに持って行って、『武器交換権』と一緒に武器屋のおじさんに渡しました。
すると、おじさんが「ん?譲ちゃんの制服、魔法科だろ?なら、剣じゃなくて杖の方がいいんじゃないか?」っと言いました。
商売なんだからそんなこと気にせず売ってしまってもいいのに、このおじさんは意外といい人かもしれないですね。顔怖いですけど。
「大丈夫です。この剣も魔法使いようみたいですし」
私がそう答えると。
「ほぅ、譲ちゃんわかるのかい!!新入生なのにやるじゃないか!なら俺が口出しすることはなかったな、がはははは」
っと笑って、剣をくれました。
うん、笑った顔も怖いです。
武器を買った、(貰った?)後は、そのまま真っ直ぐ寮に帰りました。
けれど、寮に着くと空が赤くなり始めていました。
以外と時間が経っていたようです。
「リタ、おかえり」
部屋に着くと、そう言ってマキちゃんがキスしてくれました。
「ただいま」
私もそう言ってマキちゃんにキスを返します。
その日はもう、特に用事もなかったので部屋でマキちゃんといちゃいちゃしてすごしました。
そういえば、この部屋は二人部屋なのですが、ルームメイトがまだ来ていません。
荷物は届いているので、いるとは思うのですが、どうしたのでしょう?
まぁ、気にしてもしょうがないので今は放置しておきましょう。
いなければマキちゃんとラブラブしていられますしね♪
ここまで読んでくれてありがとうございます。
思いのほか長くなってしまいましたが、その辺はご容赦ください。
誤字、脱字、または感想など書いてくれるとうれしいです。
次回は、ルームメイトです。
え?ただ書くのを忘れてただけだろうって?
ソ・・・ソンナコトナイデスヨ?