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コインホルダー 〜異世界で生きるガチなヤツ〜  作者: ノープラン
第一章 プロローグ
20/44

第20話 親子の関係と次の世代 石の部屋での会食


 「アーデール・オウル・ガルダお父様と第三夫人フィリーシアが娘、アリシア・エール・ガルダでございます。この度は卒業と就任のご報告も兼ねて、お時間頂きありがとうございます。」



 アリシアがアーデールなる父親に感謝の言葉を述べている。

 第三夫人とな?

 えらく仰々しいが、そんなもんなんだろうか。


 雑談しながら向かった先の冷たい扉の向こうには、食事が用意されていた。

 広い部屋に10人程が座れる長テーブル。

 その上に並んだ食事の数々。

 転生してきてからかなり質素な食事ばかりだった。

 まぁ、今まで愛情こもった温かく美味しい料理だったからな、全然文句ある訳じゃないんだが、今目の前に並んでいる料理を見てしまったら、今までの料理が質素だったと言わざるを得ない。

 その中で皆が席に付くと、アリシアが母であるフィリーシアとのアイコンタクトの後、アリシアが父であるアーデールに挨拶をしたのだ。

 アリシアの言葉にアーデールはそこまで興味を示していないように見えるのは気のせいだろうか。



 「エール・・・あぁ、そうか。うむ。頑張りなさい。」



 親子なのに種族名が違う。

 どういう事だ?

 確か・・・アリシアの種族名はエール。

 アーデールの種族名はアウル。

 ・・・またなんかこの世界特有の事情があるのだろうか。

 夫婦別姓とかもあるし・・・。

 まぁ普通なのかな。



 「はい。お父様のお役に立てるよう、精進して参ります。」



 「アーデール。この子は魔法学科を主席で卒業しまして。今は治癒・蘇生部隊に所属しておりますの。」



 「おぉ、そうだったな。それは聞いておる。大したものだ。あの部隊は優遇されてはいるが、心を病むものも多い。心してかかりなさい。」



 フィリーシアが少しばかり鼻を高くして言った。

 アーデールも思い出したかのように少し興味を示し、テンションも上っているようだ。

 父との再会の時のテンションとは大違いだな。

 この親子物凄く関係がぎこちない。

 何となくだがちょっと俺が子なら耐えられない気がする。



 「本人の努力もありますが、友人であり養母でもあるセレーヌのお陰ですわ。」



 「いえいえ、こちらこそ。アリシアちゃんにはウチの子達の面倒も見てくれていて助かっておりますわ。」



 「セリーヌさん、これからも宜しくお願いします。」



 あー、ウチの母さん養母だったんだ。

 へー。

 友人に養母頼むとかあるんだな。

 じゃぁ、僕は義理の弟みたいなもんか?

 まぁ、血は繋がってないし、そもそもこの世界での結婚の定義みたいなのも分かってないしな。

 アリシアと僕の仲に問題はないだろう。

 それに自分の常識で測るのはやめた方がよさそうだ。

 現にこのフィリーシアって人、第三夫人らしいし。

 偉い人のはこういうのもあるんだな。

 大変だ。

 うん。

 アリシアには優しくしよ。



 「フィリーシアが出産後に体調を崩してしまった時にはどうなるかと思ったが、養母を引き受けてもらって助かった。その後も色々とあったが、この場を借りて改めて礼を言う。」



 「いえいえ。本当に。アリシアちゃんと一緒に居れた時間は幸せでしたわ。こちらこそ、そしてこれからも宜しくお願いします。」



 「アリシアちゃ・・・あー・・・アリシア、おめでとう。今からが楽しくなるぞ?頑張らないとな。」



 「はい。頑張ります。リネイル。」



 なんとなくこの人達の関係が分かってきた。

 けど、フィリーシアって人、普段何やってるんだろうな。

 見た感じ先生って雰囲気するけど、魔術関係の偉い人とかだったっけ?

 ちょっと忘れた。

 とりあえず、なんか世間体だけで生きているだけのような気がする。

 地位の高い男と結婚し、優秀な子供を育てる事だけに注力しているような。

 それが愛であると思っているんだろうか。

 この世界ではそれが重要な気もするけどな。

 生前でも、都会に住んでいる人間は大学卒業していないと書類審査がまず通らないらしい。

 僕は田舎出身だからいまいち理解出来ない事だったが、他の事は二の次でとにかく学歴だけを追めるという、学歴主義。

 それも立派な愛情表現なのだろうけど、大変だよな。

 田舎の人間は東京に行きたいって目標はあると思うけど、田舎に行きたいって目標は胸を張って言えるもんじゃない。

 都会の親としての子への義務みたいなものかもしれない。

 金もかかるし親子共に並大抵の努力ではなし得ないものだからな。

 否定はしないのだが、それを受け取ったとして、成功したとして、必ずその子が幸せになるとは限らない事は頭に入れておかねばならない。

 どんなに成績が良くても、優秀でも、幸せかどうかを決めるのは本人であり、他人ではないのだ。


 結果的にアリシアはちょっとずる賢くて案外スケベで明るい、優秀な子に育ったと思う。

 僕は大好きだ。

 だが、この両親を見るに愛情が欠けているように見える。

 そこを僕らの家族が補っているって所か。

 母が家族同然に接していてくれたようだからある程度は大丈夫だとは思うが、親の愛情を受けていない子供ってのはガラス細工のように脆い。

 自分は間違いなく親に愛されている。

 世界が敵に回っても母親だけは味方してくれる自信がある。

 そういう絶対的自信がある子は逆境でも前に進める。

 逆にそうでない子は、絶望し立ち止まってしまう。

 一応そういう経験がある。

 というか、人生2回目だからな。

 ほぼ確信している。

 アリシアは何かに躓いたとき、失敗した時、周りに助けてもらえる人が居なくなったとき、目の前に大きな壁が現れた時。

 僕は壊れてしまわないかが心配だ。


 挫折した時、周り全てが敵に見えてしまう時がある。

 そんな時、どんなに深い闇に居たとしても見えて来る光が母親の愛というものなのだ。

 生前僕はうざったい程に愛情込めて育ててもらった。

 それが光なのだとしたらちょっともどかしいが、まぁ結果的にそうなのだと思う。

 そして心にその光がある限り立ち上がりまた前に進めるのだ。

 僕も転生した時には人生終わったなと思ったものだが、セリーヌの愛情を受けまた新たな2度目の人生を歩む事を決めた。

 正直2度目の人生は面倒極まりなかったが、母や姉の、そしてアリシアのお陰もあって楽しく努力出来ているとおもう。

 感謝している。


 親の愛情とはそれ程大事なものだと思う。

 とりあえずこの家族にはそれが望めない印象だ。

 僕がアリシアの心の支えになれればいいのだが・・・。



 さてさて。

 正直この堅っ苦しい空気は苦手だ。

 そして姉の機嫌がすこぶる悪い。

 まぁ、皆からしたら姉の表情は無表情だから分からないと思うがな。

 大人の世間話ほど、子供的につまらないものはないという事だろうか。

 僕からしたら情報が集まってとても助かるのだが、姉は体を動かすのが好きみたいだからな。

 それとも目の前に料理が並んでいるのに手を付けず喋っているからだろうか。

 両方だとは思うが、後者の方が姉の不機嫌を加速させている気がする。



 「さぁ、子供達もお腹が空いているだろう。この時期だからな。食料はマジュ料理が多いが、腹一杯食っていってくれ。」



 アーデール。

 案外空気読めるいいヤツなのかもな。

 フィリーシアも、ただ一生懸命なだけで、不器用なだけで。

 印象あんまり良くないけど。

 実は物凄く良い人なのかもな。


 世の中、悪い事はあっても悪い人は居ないというのが僕の基本理念だ。

 相手を理解しろ。

 可能性を探れ。

 そしてやっとその人が見えて来る。

 そんな感じ。


 どんなに相手が悪いと思っていても、自分の改善点を模索して、自分の落ち度があれば改善する。

 ちなみにこの考えは自己完結出来るから楽なんだ。

 自己犠牲とはまた違う解決法だと思っている。

 まぁ、色々あるが、とりあえずアリシアの両親の正義の心を探って理解せねばと思う今日この頃。

 腹減った。

 食おう。



 「お母さん、コレなぁに?」



 姉の機嫌パラメーターが急回復している。

 モキュモキュと口に頬張っては目を光らせ母セリーヌに聞いている。



 「何かしらねぇ。魔物のお肉かな?美味しい?リン。」



 「うん!」



 「多分それはヘルバローっていう魔物の肉よ。先週うちの隊で群れを討伐した時に持ち帰ったのをこの店の料理人さんに渡したの。ちなみに避難民の方達の食料にもなってるわ。それも私達の任務なの。」



 母は知らないようだったので、アリシアが答えてくれた。

 


 「明食の時の魔物のお肉って食べれるの?」



 「あぁ、良く知ってるねセレン君。確かに明食が起きた時の魔物のお肉は食べれないかな。でも、明食が終わって1週間もした魔物はもう大丈夫なの。案外おいしいのよ?」



 あ、あぁそうなんだ。

 ついつい疑問を投げかけてしまった。

 今の質問がこの世界の4歳レベルなのか分からない。

 あまり賢いと思われたくないんだけどな。

 アホを演じるのが好きなのに。

 実際アホだし。

 でも1週間か。

 まぁいい事を聞いたかな。



 「お父さんが言ってた。」



 「あぁ、リネイル・・・さんが・・・。良く聞いてるのね。」



 ん?

 ミリダンが言ってたっけか。

 忘れた。

 まぁいいか。

 父の名前が出たが父は反応しなかった。

 アーデールと政治の話で盛り上がっているようだ。


 席は大人グループと子供グループで別れている。

 母はやや子供グループ寄りに座っているように感じる。

 フィリーシアは子供グループにはよそよそしく、どちらかと言うとアーデールとリネイルの話に参加しようとしている。

 フィリーシアさん。

 それは悪手だと思うがね?

 まぁ別にいいけどさ。


 グループに分かれているのは雰囲気だけで、長テーブルに順番に横並びになっている。

 上座にアーデール、脇に僕らが並んでいる感じだ。

 主に母が僕らの面倒を見てくれていて、アリシアも見てくれているが、対面越しに座っているからアリシアは本当に見ているだけだ。

 フィリーシアはあまり話に参加出来ていない。

 居場所が無さそうに見える。

 ・・・。


 さてさて。

 個人的にちょっと難しいこの状況。

 どうしよう。

 とりあえずフィリーシアと話してみたいのだが、テーブル越しに対面していて、ナナメの距離で結構離れている。

 物理的に僕の声が届くだろうか。

 届いたとしても声を大にして子供と話す事はしないだろう。

 そしてなんと言おう。

 娘さんを下さい・・・とか言わないようにしよう。

 ・・・でも4歳だからな。

 逆にアリかもしれない。


 まぁいいか。

 とりあえず食って対面に座っているアリシアの所に遊びに行こう。

 そういやいつも食べる時に母が言ってたの言わなかったな。

 詠唱みたいなやつ。

 父も食べるときは言わない。

 母の出身の宗教的なヤツかな?

 ん~。


 しかしこの料理、確かに美味い。

 美味いのだが、実家で明食前夜に父とミリダンと話しながら食べた肉の方が美味い気がするからまた感慨深いものだ。



 「実はなぁ、一つ頼みがあるんだ。」



 そう切り出したのはアーデールだ。

 夫人や子供達、アリシアの会話がそれ程盛り上がっている訳ではないので、アーデールの声が広い部屋に響く。



 「何だ。もうそんなにロングソードは作れんぞ?ハッハッハ。」



 気がつけば父はお酒が入っており気分上々だ。

 ちょっと空気を読めていない。

 対してアーデールはさほど酔っておらず、表情は真面目だ。



 「アリシアの下の子が今度産まれる予定なのだ。」



 「ほぉ、おめでたか!そりゃめでてぇな!!ハッハッハ。それでいつ頃産まれる予定なんだ?」



 「丁度1年後だ。」



 へ?

 どゆこと?

 妊娠期間って十月十日じゃないの?



 「ほ、本当ですか?お父様、お母様。」



 本当だよ。

 本当に1年後か?

 っていや、アリシアも知らんかったんかい。

 しかし見てみるとアリシアは嬉しい顔をしているが・・・、心から喜んでいると言われれば微妙な感じだ。

 色々と思う事があるんだろうか。



 「あぁ。そこでた。また今度も子が産まれた後、フィリーシアの容体が悪くなるかもしれん。」



 「アリシアちゃ・・・アリシアの時は大変だったらしいからなぁ。」



 「そしてまたその時の状況にもよると思うが・・・良ければまた養母を頼まれてやってはくれまいか。ぜひお願いしたい。なに、もちろん金銭面は心配要らない。」



 「僕お手伝いする!!」



 条件反射で言ってしまった。

 アリシアの妹か弟の面倒を見たいという本心からだ。

 ちなみに言って少し後悔している。

 さて、どう転ぶか。



 「ハッハッハ。頼もしいな。それで・・・どうだろうか。」



 「・・・あなた。」



 「お前はどうなんだ?」



 「そうね・・・。フィリーシア。貴女はどうなの?」



 「・・・・・・私・・・は・・・。」



 うっすら涙が浮かんでいるように見える。



 「どうしたフィリーシア。先週話して決めただろう。」



 「私は・・・本当は自分で育てたいという気持ちはあるんです。でも、エルフの血が濃い私は子供を産んだ後、魔力が枯渇して何ヶ月も目覚めない確率が高い・・・らしいの・・・。だから・・・だから・・・。」



 自分は悪くないって言い訳みたいに聞こえちゃうのは僕の性格が悪いだけか、この人のイメージが悪いだけか。

 まぁそういった事があるなら仕方がないな。


 僕は子育て興味あるからな。

 とっさに返事してしまったが、ちょっとまずがったか。

 まぁ子供の言ったことだ。

 誤魔化せるだろう。


 セリーヌは立ち上がり、フィリーシアの隣に座って涙する夫人を慰めた。



 「仕方がないわ。アリシアの時もそうだったでしょう?」



 「あの時は・・・本当に迷惑をかけてしまって。・・・また同じ事をって思うと・・・。」



 「そんな事ないわ。貴女に頼られて、私嬉しかったのよ?今だってそう。大丈夫よ。大丈夫。あなたは1人じゃないわ。」



 僕は産まれた当初の事をまた思い出した。

 そして今見た母の愛情を。

 僕にこの愛情があるのと無いのでは、人生雲泥の差だろう。

 僕も愛を捧げれる人間に、支えになってあげれる人間を目指さねばな。

 そう再確認した。



 「アーデールさん。その時が来たらまた声をかけて下さい。責任を持ってお受け致します。いいわね?リネイル。」



 「俺はなぁ〜ちょっと近くに居れない事が多いだろうが、お前がいいならもちろんいいさ。大丈夫なのか?」



 「ええ。リンとセレンも手伝ってくれると思いますし。」



 「あ・・・。お・・お父様。」



 「おお、何だアリシア。」



 アリシアが勇気を振り絞ってアーデールに話しかけたように見える。

 それがまた彼女の心情が伺えてしまって心が痛い。


 話を要約すると、アリシアも生まれてくる子の面倒を見たいという話だった。

 最初は仕事を優先しなければという話だったが、アリシアの強い希望によって、結果的には任務の間や休日を利用して戻ってセリーヌのお手伝いをするという事で落ち着いた。



 「お父様、お母様のお役に立てるよう頑張ります。」



 「ありがとう、アリシア。でも仕事も大事にしなさい。」



 「はい。お母様。」



 「ハッハッハァ。めでてぇ、めでてぇなぁ。アリシアちゃんも小さな頃はこぉーんなに小さかったのによぉ。今や立派な大人だぜ。なぁアーデール。」



 リネイルは手で豆粒を摘むような仕草で上機嫌に語った。



 「フン。そう思うなら誰かいい相手を探して来てくれんかリネイルよ。最近の男は軟弱でかなわん。年々出産比率も悪くなっておるしなぁ。どうだ?お前が階級上げてアリシアを娶ってくれれば安心なんじゃがなぁ。ガハハハ。」



 その時アリシアの顔が赤くなるのを僕は見逃さなかった。

 ・・・落ち着け俺。



 「やめとけやめとけ。4年に1年しか会えない旦那だぞ?苦労するぜぇ?」



 「だとしたらワシは何だ。流れ星みたいなもんか?リネイル。お前も変わらんなぁ。ガッハッハッハ。」



 「あぁそうか。そうだったなぁ。ハッハッハ。」



 リネイルとアーデールはお互いの肩や背中をポンポンと叩きながら二人で笑っていたのだが、途中で女性陣の冷やかな目線に気が付いたようだ。



 「あー・・・。セリーヌ。肩はこってないか?寒くは無いか?」



 「フィリーシア。今日のドレスも似合っているぞ。そうだな。今度また靴でも見に行くか。」



 「大丈夫よ。気にしないで。」



 「ありがとうアーデール。ええ、楽しみにしておきますわ。」



 微妙な空気が流れ、そのあと10分もして少し落ち着いた頃にアーデールは会議があるとかで席を後にし、その後しばらくはセリーヌとフィリーシアの話が主になった。



 僕は彼女らの話に集中していたが、姉は腹も膨れ機嫌が戻り、リネイルに遊ぼうとおねだりしている。

 終いにはアリシアも巻き込み鬼ごっこみたいな遊びに発展したのだが、僕はまだモジモジゆっくりと食事をしながら2人の話を聞いた。


 どうやらフィリーシアとセリーヌは学生時代ライバル関係にあったらしい。

 セリーヌはいつも第一席でフィリーシア次席だったそうだ。

 フィリーシアは母の事を良く思ってなかったとも言っていた。

 母の周りにはいつも友達が溢れて羨ましかったとか、赤裸々な話もしていた。

 お互い笑いながら話している事もあって重苦しい感じではない。

 話は馴れ初めの話になった。

 アーデールとの出会いはセリーヌ経由でのリネイルの紹介だったようだ。

 フィリーシアもセリーヌもはまだ若かったが、学校を卒業したら結婚相手を探すのがこの世界の常なのだそうだ。

 考えたら男がそもそも少ないからな。

 競争率が高いのだろう。

 2人共同級生に言い寄られる立場だったが、同世代の女からの嫌がらせや、変な噂を流されたりで、女の戦いに敗れたというか、特に同級生に魅力を感じていなかったのもあり譲った形になったと愚痴のように言っていた。

 そんな中、セリーヌは珍しくモテない男、リネイルと出会い、リネイルに魅力を感じ恋仲となったそうだ。

 その後リネイル経由でアーデールとフィリーシアが出会うのだが、フィリーシアの一目惚れだったそうだ。

 その時既にアーデールは妻子持ちだった。

 が、ただの妻子持ちではなく既に2人の嫁を迎えていた事もあって、2人も3人も変わらないという感じで第三夫人でもいいからと猛アタックし嫁に迎えてくれる事になったそうだ。


 僕がチョイチョイ質問を挟むと2人は思い出したかのように楽しく会話を弾ませていた。

 案外この二人は相性いいのかもとさえ思えて来た程だ。


 しかし色んなことが起きるんだな。

 現実は小説よりも奇なりって言うけど、確かにそうなのかもしれない。


 結婚当初からアーデールには星という位が付いていたらしい。

 星の数で階級が分れるらしいが、今回の明食が終われば星が2つに増えるかもと嬉々として話していた。

 セリーヌは凄いねと羨ましという風に話をしていたが、目の奥では本心でない事が見て取れた。

 アーデールというよりも、星という称号に一目惚れしたのかもな、この人。

 幸せになれないパターンだぞ。

 大丈夫か?

 まぁ知った事ではないが。

 いや、義理の母になるから知っとかねばか。

 確か、ミリダンも星がどうのこうの言ってた気がする。

 今度詳しく誰かに聞いてみよう。


 気まぐれか本音か、気が付いたら、僕も妹か弟が欲しいと子供っぽく言っていた。

 こういう話題は4歳の僕でも発言権があるようで、その後2人の会話が更に盛り上がった気もする。



 そんなこんなで会食はお開きになり、僕らはカオス会場へと行き、母達はまたどこかへ行ってしまったのだが、会食の終わりにリネイルとセリーヌが、「私達も・・・」と話しているのが聞こえた。



 妹か弟が2人増えるのかなぁ・・・。

 子供ながら責任を感じる。

 ・・・頑張ろ。


 そんな中、後半はリネイルが全く酔っていなかった事に少し驚いたが、まぁそんなに気にすることも無いだろう。

 器用な男だ。

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