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コインホルダー 〜異世界で生きるガチなヤツ〜  作者: ノープラン
第一章 プロローグ
19/44

第19話 親心と親の愛と不穏な影 豪華な招待状


 「クソ、クソ、クソッ!!クソつまんねぇ!!結局何もしてねぇぞ!!」



 「盗賊相手に楽しそうにしてたじゃないか。あれで満足しとけ。」



 「そりゃねぇぜテルの兄貴。見てただけだぜ!?それにあんなのよぉ。ゴミムシだろぉ!もっとこう歯応えのあるやつは居ねぇのかって話だ。大体魔物放って見てるだけって何だよ。確かに必死こいて逃げてるのは見てて楽しかったぜ!?だがよ。もっとこうあるだろう。血がたぎるようなよぉ!!」



 「・・・安心しろ。あと何ヶ月かしたら城に攻め込む予定だ。ただ、その時は解放はするなって命令だがな。お前・・・一人で行っていいぞ。」



 「・・・お・・・おいおい、本当か兄貴・・・。」



 「あぁ、本当だ。どうした。怖気付いたか。」



 「ハッハァ!!な訳ねぇだろ。ワクワクが止まらねぇんだよ!!マジかよ・・・いいのか?ぶっ殺しまくって。どんな奴が居るんだろなぁ。全部ぶっ潰してもいいんだよな!?」



 「・・・いいぞ。派手にやれ。」



 「あぁ・・・想像しただけでいっちまいそうだ・・・。ハッハ・・・ハッハッハ・・・楽しみだぜぇ・・・。」



 「・・・フン。」



 ーーセレン視点ーー



 「はっ。」



 気が付いたら夜だった。

 今どういう状況だ。

 やたら腹が減った。

 月夜の明かりが窓から差し込み、見慣れない部屋の中、静かな時間が流れていた。


 あぁ、あの後寝ちゃったのか。

 腹の減り具合からして、もう深夜か。

 結構早めに寝ちゃったからな。

 しばらく寝れないかもしれない。



 「ん?おぉ。」



 えーっと。

 目の前にアリシアが寝ていた。

 月の明かりで照らされた彼女は、無防備な服装と相まって愛おしく、僕の心は暖かくなった。

 見てみると後ろには姉も寝ていて、3人文字通り川の字で寝ていたようだ。

 んー、どゆこと?

 とりあえずキャミソールっぽい服と、太ももがあらわになった短パンしか履いてないアリシアを凝視しながらしばらく考えた。

 とりあえずこの美味しい状況をどうしようかと。


 部屋は窓も扉も無く、布でのれんのように仕切りをしてあるだけだった。

 扉じゃないようだし、アレなら物音を立てずに外に出れそうだ。

 昼間は少し暑いが、夜はひんやりしていて気持ちがいい。

 靴を履き外に出てみると、いくつも同じ様な建物がズラリと横に並んでおり、その一番端に僕らの小屋が並んでいた。

 端にあるなら方向音痴な僕でも間違えないで済みそうだ。

 新天地での不安もあったが、寝る場所が確保出来たという事での少しの安心が僕の心を落ち着かせた。

 1年も野宿みたいな事はしたくないからな。

 それにアリシアも一緒に居てくれるなら他には何も要らない。

 むしろ嬉しすぎる。


 また少し奥を見てみると、カシナ村にある家の裏のように林が広がっている。

 大丈夫か?

 怪しい雰囲気出てるけど、まぁこの地は魔物が寄りにくいらしいから大丈夫なんだろな。


 ある程度状況は把握出来た。

 母は父と何か用事で出掛けているのだろう。

 アリシアは僕らの面倒を見る為に招喚されたって感じか。

 思う所は色々あるが、この世界に適応せねばなるまい。


 さてと。

 寝るか。

 直ぐには寝付けないだろうけど。

 外に出て10分やそこらで小屋に戻ると、さっきと同じでアリシアとリンが寝ている。

 ちょっと肌寒いかな。

 姉の寝相はあまり良くない。

 夢の中でも剣を振ってたりするんだろうか。

 薄手の毛布が部屋の隅に追いやられていた。

 リンは体を冷やしていないかと足先や手先を触ってみたがそこまで冷えてはいない。

 大丈夫だろう。

 僕はそっと追いやられていた毛布を手に取り腹を冷やさないようにリンに毛布をかけた。

 アリシアは僕を包み込むように寝ていたのだが、今もその体制で寝ている。

 毛布は体にかけてあるが、入り口に近かったせいか少し冷たかった。

 寒いだろうとアリシアにかけてある毛布と僕にかかっていた毛布をアリシアにかけた。

 さて。

 腹減った。

 まぁ寝るしかないけど。


 腹が減ったと言えば。

 僕はアリシアの横に寝そべりアリシアの寝顔を観察しながらふと思った。

 去年までは母乳で生きてたんだよな。

 僕が腹が減ったとして母乳を求めてもおかしくない。

 赤ちゃんの精霊よ。

 この体に宿りたまえ。

 そして本能のおもむくままに行動するのだ。

 ・・・まぁおっさんのまま本能で行動しても同じ事になるんだけどな。


 あ、アリシアが目を開けた。

 マジでビビった。

 いや、まだ寝ぼけているように見える。



 「ん・・・んー・・・。」



 ・・・と、おうおう。

 寝ぼけたアリシアに抱き寄せられて胸に押しつけられた。

 まぁ、アレだ。

 抱き枕の要領だな。

 そしてまたアリシアは眠りについた。

 いやぁ。

 柔らかくて気持ちがいい。

 抱き枕に就職したいくらいだ。

 結構今の僕の年齢なら需要ありそうだけどな。

 商売始めるか?


 まぁ、冗談は・・・置いといて。・・・その、アレだ。

 ・・・苦しい。

 息が出来ない程ではないが、これでは苦しくて幸せで余計に寝れない。

 首を横にずらしてまた柔らかい胸を堪能する。

 あぁ、このポジションいいね。

 ちなみに彼女はノーブラだ。

 この世界にブラがあるのかは知らんが、母はどうだったか。

 ブラのようなものをしていた気もするが、とりあえず今のアリシアはノーブラだ。

 僕はそのあと試行錯誤しセクハラした。

 もちろんゆっくりと、不自然の無い程度に。

 まぁ僕とアリシアの仲だ。

 彼女も嫌ではないからこの状況なのだ。

 そして僕は彼女の期待に応える。

 そして僕は彼女の喜びそうな事をする。

 というかむしろ僕の方が性奴隷のようなもんだ。

 やれやれだぜ。


 本当は包み込んでハグして温めてあげたいのだが、体が小さいからな。

 セクハラくらいしかしてあげれない。

 彼女はスケベで興味津々なのがかわいい。

 色々と教えてあげれればいいのだが。

 結局あまり何もできず、最後は服の中に手を入れ彼女の背中をさすりながら眠った。

 多分彼女は胸より背中が弱い。

 性感帯はそこだろう。

 よしよし、・・・よしよし。




ーーー



 朝起きると、またあの広場に行くのかと思いきやどうやら違う場所に行く雰囲気だ。

 アリシアは時々見た制服の様なローブに身を包み、髪をとかし口に紅を塗っている。



 「あ、シアネェ、かわいい。似合ってるよ。」



 「あら、セレン君、ありがと。」



 アリシアがほっぺにキスをしてくれた。



 「あ、付いちゃったね。」


 

 まぁこの歳だからな、キスではなくチュウって言った方がニュアンスは正しいと思う。

 僕にアリシアの口紅が付いてしまったようでアリシアが拭ってくれた。

 ちなみにアリシアが口紅をしているのは初めて見た。

 ちょっと慣れない初心な感じで、ちょっと背伸びしているような印象だ。

 大事な事があるのだろうか。


 昨日の僕のイタズラはバレているのかいないのか、まぁバレていた方が個人的にはエロくて好みなのだが、まぁ気にしている素振りは無い。

 大丈夫そうだ。

 むしろイキイキしている。

 元気そうで何より。

 愛してるよハニー。


 女性は身だしなみに気を使うからな。

 そして他者の価値観でもって自信が出るものだと僕は認識している。

 自分の見た目に女性はいつも不安がついて回ってるって感じか。

 何処かに出かける度にその不安を拭い去ってあげるのは男の義務である。


 って事で口に出したらやはりアリシアは喜んでくれた。

 まぁ実際かわいいと思ったから口に出しただけだけどな。

 思うだけと言葉に出すのとでは女性にとって雲泥の差だろう。

 それに今日はイキイキはしているのだが、加えて緊張もしているようだから尚更だ。



 「お姉ちゃんは・・・カッコいいね。」



 「まぁ・・・ありがとう。」



 姉のこの服は初めて見た。

 道場での正装みたいな感じだろうか。

 色合いは巫女のイメージの赤と白と、加えて紺色で、和風な道着のような、袴のようなデザインだ。

 細い薄手の赤い帯に金の刺繍が幾つも縫い付けられていて勲章みたいに見える。

 何だあれ。



 「お姉ちゃん、この金色の何?」



 「あぁ、大会で貰うの。優勝したら縫ってもらえるのよ。刺繍増えるのはいいけど、やたら帯が結びにくくなるのよね。これもう要らないんだけど。」



 あー、なんとなく分かった。

 超強いのな。

 けどまぁ、カシナ村だけの話だろ?

 そんな長期で大会とかに出張はしてない筈だ。

 田舎のガキ大将って感じだと思う。

 にしても強いのは強いだろうから、逆らわないようにしよう。


 で、俺はと言うと、特に何もしてない。

 ボロの服のままだ。

 まぁ、服で人間判断されるのは好きじゃないからな。

 あえてボロい服を好んで着ていた生前を思い出す。

 が、今回はさすがにそれなりの服装で行きたい。

 ボロの服は基本、不評で舐めれる。

 まぁ、その舐められるからこそいいのだが・・・、今日は不評とかじゃなくて場違いに相当する。

 さて。

 どうしたものか。



 「リン、セレン、アリシアちゃん。準備出来てるかぁ?」



 「あ、お父さん!」



 「リネイルさん。ご無沙汰しております。セリーヌさんもおはようございます。」



 おいおい。

 ノックくらいしろよ。

 着替えてんだから。

 ちなみにアリシアとリン、2人ともめっちゃスタイルいいのな。

 そして全部見た。

 子供の特権ってヤツだ。

 隠さない2人が罪深く、僕に罪は無い。


 そしてアリシアとリネイルが対面しているのを初めて見た。

 リネイルが帰ってくるのとすれ違いだったからな。

 正直色々どうなっているのか何も知らん。

 大人の事情ってヤツか?



 「リネイルさん、ちゃん付けはもう辞めてください。アリシアでお願いします。」



 「あ、そう?じゃぁ俺のこともリネイルで宜しく。アリシア。それにしても学校、調子いいみたいだな。」



 「あ、はい。リ・・・リネイル。お陰様で。」



 あー、アリシアの頬が少し赤い。

 ・・・アリシア、リネイルの事好きなのな。

 そんな気がしてだいぶ嫉妬する。

 まぁ、リネイルは個人的にはいい男だと思うからな。

 アリシアは人を見る目があると言う事にしとこう。



 「セリーヌ。セレンはどうするんだ?」



 「はい。さっき借りてきました。ちょっと着せますね。」



 「そうか。じゃぁ・・・リン。外でお父さんと剣で遊ぼう。」



 「うん!!」



 「強くなったか?」



 「分かんない!!」



 姉がめっちゃいい顔で返事をしている。

 父親の力って凄いのな。

 いつも2人の時は大人びているリンが少女の表情だ。

 姉が剣を好きなのが分かった気がする。

 しかし分かんないってなんだ。

 服を汚すなよ?


 母が持って来た服を着ている間、外からバチンバチンと激しい音が聞こえて来る。

 多分姉が打ち込んで、父が受けているんだろうけど、聞いただけで分かる。

 勝てる気がしない。

 生前、反射神経皆無だったからな俺。

 そのスペックが引き継がれているのなら、絶対に到達出来ないレベルに姉はいる。

 姉は父と戦うのがとても楽しそうだ。

 正確には父に認めてもらえるのが嬉しいって事だろうか。

 どちらにせよ2人とも楽しそうで何よりだ。


 そして僕も美女2人に丸裸にされいじくり回されて幸せだ。

 何処から借りてきたかは知らんが、姉の道着の白黒バージョンみたいな服を僕に着付けてくれている。

 正確に言うとデザインは全然違うのだが、まぁ似たような雰囲気はあると思う。



 「よし。セレン君、カックイイ!」



 アリシアの笑顔がかわいい。

 僕も自然と笑顔になった。



ーーー



 「今から何処に行くの?」



 「アリシアちゃんのお父さんとお母さんの所よ。」



 へーーーーーーーーーーー。

 マジか。

 全然知らんかった。

 僕はどうすれば?

 娘さんを僕に下さいって言えばいいのか?


 僕達は城壁の入り口付近に移動し、用意してあった馬車に乗り込んだのだが、装飾がやけにキラキラしていたのがとても気になりつつ、馬車はガタゴトと進んでいる。



 30分か1時間か。

 もしかしたら15分とかかもしれない。

 そんな時間を馬車の中で過ごしている。

 人混みの中を突き進んだようで、更には馬車の振動のせいで馬車の中では声を張らないと会話が弾まない。

 そんな事もあって馬車の中は微妙な空気が流れていた。

 父は特にいつもと変わらず皮の肩当てやらベルト、茶系のマントに無精髭だ。

 まぁいつもより髭が長い気もするが。


 馬車は止まり扉を御者の人から少し先に案内され待つ事数分。

 城のすぐふもとにあるデカイ建物の中から、2人のお偉いさんみたいな雰囲気を醸し出した男女が出てきた。

 歳を食った男と、比較的若く見える女性。

 ・・・間違いなくアリシアの両親だろう。



 「おお、リネイルリネイル。元気だったか。ハッハッハ。」



 「まぁアンタよか元気じゃねぇよ。それより腰は大丈夫なのか?え?ハッハッハ。」



 白い軍服とマントを着た白髪の男とリネイルがお互いにポンポンと叩きながらを話をしている。

 白髪の男のマントには装飾品が付いておりやたら輝いていて、白い服には勲章が所狭しと胸に張り付けてあった。

 おじいさんと言うにはまだ早いだろう。

 背も高い。

 ミリダン程だろうか。

 そしてミリダン程細くはなくガタイがいいように見える。

 実はマントのせいでそのガタイはよく分からないのだが、威圧感があるからそう思ってしまうのだろうか。

 そして声もテガイ。

 とりあえず将軍って感じだ。

 小柄の父と比べたら父の小ささが目立つな。

 だが父があまりにも自然体でいる為、白い服の男の威圧感が目立たない。

 今日は父の背中が少し大きくみえる気がした。



 「あぁ、セレーヌ。今日もまたお美しい。今日はようこそ来て下さった。」



 「ご無沙汰しております。アーデール様。この度はお招き頂き嬉しゅうございます。」



 「あー、あー、まぁ・・・、そうだな。とにかく中に入ろう。お嬢ちゃんとボウズもおいで。」



 あーあーと、何か言いたがだがとりあえず場所を変えたいようだ。

 ボウズ?

 まぁ、僕の事だろうな。

 ボウズか・・・。

 嬢ちゃんとは姉の事だろう・・・。

 そしてアーデールって言うのね。

 このおじさん。

 普通に偉い人なんだろうな。

 多分父がフレンドリー過ぎてアレだが、母の反応の方が普通なんだろう。

 そして一緒にいた女の人がアリシアのお母さんか。



 「フィリーシア。」



 「はい。さぁ皆さん、お食事のご用意が出来ております。奥にどうぞ。」



 アーデールなり男が、一緒に出て来た女性に声を掛け、その女性がまた応えた。

 どうやら今から食事をするようだ。

 フィリーシア。

 まぁ、名前からしてアリシアの母なのは間違いないだろう。

 しかしこの人目が細くて垂れ目で独特な雰囲気があるな。

 そして見れば見るほどにだんだん美人に見えて来る。

 色んな美人がいるのな。



 僕らは雑談しているアーデールと父の後をついて行く。

 その間にフィリーシアは言葉を交わすでもなくアリシアの服装を正している。



 「その紅はどうしたの。」



 「市場で買ってみました。ど、どうでしょうか?」



 「・・・あなたにはまだ早いわ。」



 ・・・厳しいのな。



 「フィーリシア。この子は成人して立派にお勤めしているわ。それに私が見ているから大丈夫よ。・・・そうね、アリシア。少し色が濃かったかもね。少しコレでとって薄めた方がいいわ。フィリーシア。ごめんなさい。似合ってたもんだから。」



 「すみません、お母様。」



 あーー。

 違和感が凄い。

 別に悪い人ってわけじゃないんだけどな。

 アーデールって人はアリシアに一言も絡まなかったし、フィリーシアもアリシアにやたら厳しい。

 ちょっと気になるな。

 愛情不足だろ。

 厳しさも愛情かも知れんが・・・。

 アリシアは昼間は明るく接しているけどたまに夜寝てるとき泣いたりするんだ。

 2人は公務的なので忙しいのは分かるけどさ。

 んー。



 「セレーヌ。そのドレスかわいいわね。」



 「ええ、お古を縫い直してみたの。アリシアにも手伝ってもらったのよ。アリシアは縫い物も上手なんだから。」



 「そんな事をしなくても、言ってくれれば新しいのを用意したのに。」



 「・・・フィーリシア。私はこういうのが好きなの。知ってるでしょ?」



 あぁ、この人少しおかしいんか。

 それにアリシアの事も少しは褒めてやれよ。

 んー。



 「へー。お姉ちゃんお洋服作れるの?僕のも作れる?」



 「セレン君のを?ん~~~・・・そうね・・・。」



 アリシアは少し困った顔をしながら母とアイコンタクトを取っているようだ。



 「よーし、頑張って作ってみようかな。」



 「あー、私もお手伝いするー!」



 何かしらの母からの返事を汲み取ったのか、アリシアが返事をしてくれた。

 リンもそれを手伝ってくれるらしい。

 一瞬フィリーシアの表情から不機嫌な様子が見て取れた。

 このおば・・・じゃなかった。

 この人・・は何が不満なんだ?

 母のドレスを褒めたのもトゲを感じる。

 見た目だけにこだわって自分が無いタイプか?

 かなり偉い人を旦那に出来たようだが、特別夫婦仲がいいって訳でもなさそうだし。


 ・・・この人幸せなのか?


 あぁ、出世の事しか頭に無いのかもな。

 だからか縫い物とか無駄だと思ってるのかね。

 まぁ、まぁ、100歩譲って分からんでも無いが。

 確かに僕の服を作ってて、睡眠不足だったり勉強が疎かになったりでアリシアの任務に支障きたしたら嫌だもんな。

 そんな暇があったら魔術の特訓でもしてアーデールの役に立てって感じだろうか。

 正直吐き気がするが、まぁ一理ある。

 ・・・よその家族だ。

 口出しすまい。



 「シアネェ。お父さんみたいなマントが欲しい!!」



 これなら時間も掛からず簡単に出来るだろう。

 まぁ、それは二の次で、本当に欲しかっただけなんだけどな。

 っていう事にしとこう・・・。

 これなら文句無いだろう?



 「んー、分かった。カッコいいの作ってあげるね。」



 アリシアの笑顔が見える。

 少しホッとした。

 君には僕が居る。

 世界が滅びようとも、世界が君を裏切ろうとも。

 僕が君の心の支えになりたい。

 そしてエロい事をしたい。



 父とアーデールは昔話に花を咲かせている。

 どうやら昔、アーデールのパーティーで専属の鍛冶屋として旅に同行していた事があるようだ。

 多分だが。

 お前がいなけりゃあの時死んでただとか、お陰で未だに剣の手入れが苦手だとか言っているので推測したのだが、まぁあらかた当たっているだろう。

 野宿、穴を掘る、スイートルームとかの単語も聞こえて来た。

 まぁ確定だと思うが。


 やたら長い大理石の廊下をコツコツと歩き、ちょっと不安な空気の中、大きな冷たい扉の前で皆立ち止まった。

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