表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第1話 家電量販店販売員転生する!

山田 太郎【主人公 29歳 独身 家電量販店勤務】は家路を急いでいた。

商戦中に見れなかったアニメを見るために。

(明日は休み!今日見ないと絶対もう見ん・・・!)

そこに悲劇が待っていた。

山田が住むアパートは築25年の三階建ての安アパート。

エレベーターはなく階段のみ。

そして、三階の踊り場にはなぜかバナナの皮が。

「ッッッ?!?!?!」

運悪くバナナの皮をピンポイントで踏んでしまった山田は、3階から1階へと転げ落ちていた。

(何だ?!何がおきてる?!)

全身を強く打ち付け、朦朧とする意識の中、山田は周囲の慌ただしい声を聞いていた・・・。



(俺はどうなったんだ・・・?)

何もない暗闇の中、山田は考えていた。

(ここはどこだ?何も見えん・・・。たしか、階段を上ってる際中何か踏んだような・・・。思い出せない・・・!)

いくら時間が経っても暗闇から解放される事はなかった。

(もしかして俺は死んだのか?はぁ・・・。俺の人生って何だったんだ・・・。)

山田は後悔していた。

就職活動中、中々内定が貰えず、何となく受けた家電量販店にあっさり内定がおり、大学卒業後そのまま7年間勤務していた事を。

(どうせなら、転職しとけば・・・ブツブツブツブツ)

山田は職場に文句を言いつつも、慣れた環境の居心地の良さに甘め、日々を無為に過ごしていた自分の駄目さに気付いていながらも認めようとはしなかった。

(はぁ・・・。俺が死んでも悲しむのは親ぐらいか・・・。まだやりたい事あったのにな・・・ブツブツブツブツ。)

ひたすら人生を後悔する山田。その時・・・


ーヤマ・・タ・ウ・・よ・・ー


「!?誰?!」

山田の目の前に眩い光と共に美しい女性の姿が現れた。


ーヤマダ タロウよ。私の声が聞こえますか?ー


「あ、あなたは?!」


ー私は女神 アルティミスト。アルテと呼んで下さいー


「女神?!・・・本当ですか?」


ー本当です!あなたに救って頂きたい世界があり、お願いに参りましたー


「俺が・・・世界を・・・?」


ーそうでー


「キタァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」


ー!?ー


「人生一発逆転!異世界転生きたぁー!冴えなかった俺の人生が一転、剣や魔法の世界でチート能力で無双!そして、エルフや獣人の女の子とハーレム!よっしゃー!」


ー何を言ってるかわかりませんが、落ち着いて下さい!ー


「ふうふう・・・失礼しました。それで俺はどうすれば?」


ーはい。今ある世界であなたが来るのを強く願っている方がいます。私がこれからその世界にあなたを転生させます。救いを求めるその者の願いを叶え、そして世界を救って下さい。ー


「分かりました!所で・・・何かチート級のスキルとか特殊能力なんかは頂けるんですかね・・・?」


ーもちろん!その世界を大きく逸脱する様なスキルは与えられませんが、役立つスキルをあなたの働きに応じて授けます。アフターサービスもバッチしです♪ー


「それを聞いて安心しました!是非、俺に世界を救わせて下さい!」


ーありがとうございます。それでは・・・ー


女神アルテが右手を上げると、山田の前に光のゲートが現れた。


ーあの光のゲートに入り、世界を救うため旅立つのです販売員ヤマダ タロウよ!ー


「はい!」


山田はゲートに向かって大きな一歩を踏み出した。

(これから薔薇色の異世界ライフが俺を待っている!)

山田は期待を胸に光の中へと消えていった。


山田が光に包まれてから暫くすると光がはれていき、そこには・・・。

30代であろうおっさんが立っていた。


「うわ?!急に何だ?!・・・ん?お前・・・山田か?!」

「・・・大石リーダー?」


転生をした山田の目の前には、よく知った人物と見慣れた職場の風景が広がっていた。

そう・・・・家電量販店の!


ー第1話 完ー


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ