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召喚されたサイボーグは、サンダードラゴンの夢を見るか  作者: トウフキヌゴシ


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第十話

 朝、扉を開けると、廊下に二番目の勇者が跪いていた。 

 隣に”土下座”した月の巫女もいる。

 何事もなかったように、そっと、扉を閉じる。


「正宗。この二人どうにかしろ」

 ガーランドの声だ。


 夜明け前からずっとこの状態で、のけようとするとその体勢のまま、音もなく自分の影に入り、しばらくすると出てくる。

 諦めて扉を開けた。


「えーと」


「ミカゲと言う」

「我が一族は、素顔を見せたものに仕える掟が有る」

「何なりとご命令を」

 すっと短刀を出して、受けないのなら首を落とせとジェスチャーして来た。 


「マナお姉さま。おひさしぶりです」


「ん」

 マナと呼ばれた月の巫女も、同じように自分の首も落とせとジェスチャーする。


「・・・わかったよ。これからお前らの主だ」


「御用があれば」

 影の中に消えていった。

 無言で頭を下げて、マオもミカゲを追いかけていく。


 早速、フロー王国の状況を調べるように指示した。



 冬が過ぎ、春が来た。

 フロー王国の頼りにして来た、勇者は残りあと一人。

 新たに勇者を召喚するための”裏聖典”も”生贄”もない。

 (召喚しても来ない)

 反フロー王国の同盟軍は、アレイル王国に集結した。

 その数、約5万。 

 対して、フロー王国軍は約8万の兵力である。

 結局、残りの勇者に対応するために、代表はマガリアとガーランドがすることになった。


 やはり、勇者に頼り切ったフロー王国軍の士気は低く、進行上の都市は次々陥落。

 王都”フロー”の前の平原まで進軍する。

 しかしフロー王国軍はまだ6万の兵を残していた。


 5番目の勇者は、王都に呼び出されていた。

 小柄な体に、白髪。濃い褐色の肌。ダークエルフと人間のハーフだという。

 小太刀を持ち、胸にサラシを巻いた侍装束の女性。

 ”ハヤミ”と言う。

 

「外の者たちをどうにかしてこい。そうだ6番目の勇者は剣では斬れないそうだぞ」

「お前は何でも斬れるんじゃなかったのか」

 アルフ王がハヤミを挑発する。

 言うことはほとんど聞かないが、腕は恐ろしく立つ。

 ちなみに隷属の腕輪は、持ってきたその場で真っ二つにしている。


「私に斬れないものはないわよ」

「・・・おもしろそうね」

 斬れないと言われた6番目の勇者に、興味を持ったようだ。


「それから、そろそろ出てきたらどう?」

 背後の影に向かって声をかけた。


「ほう。我に気づくか」

 ミカゲが影から出てくる。

 次の瞬間、ハヤミに真っ二つにされている。

 既に小太刀は納刀されていた。


「あら?」

 別の影から飛んできた黒いダガーを、最低限の動きで避ける。

 

「ひいいい。依頼はどうした。2番目の勇者」

 

「うるさいわね」

 一言でアルフ王を黙らせたハヤミは、一瞬で三体のミカゲのミラージュボディー(幻影体)を斬り飛ばす。


「影技、散弾(ショットガン)

 

 次の瞬間、全周囲の影から放たれたダガーが、ハヤミに殺到する。

 

「ふーん」

 忍術系の空間跳蹴術で、空中を三次元機動で移動しながら、

「そこね」


 一つの影を斬る。


 少し離れた影からミカゲが出てきた。

「不覚」

 右腕がすっと落ちる。


 大慌てでマナが物陰から現れて、ぺこりと頭を下げ右腕を回収。

 右腕を持ったマナを、左腕でミカゲが回収。

 影の中へ消えていった。

    

「お姉さま~ かっこよかったです~ 最高です~ ナイスです~」

 どこからともなく現れた、黒髪ツインテールの月の巫女が、ハヤミの周りをくるくると回りながら言う。


「そ、そう?」

 少し引き気味である。


 ハヤミについた月の巫女”ミヤコ”は、ツインテールをぶんぶん振りながら首を縦に何度も振った。


 

 しばらくした後、4回目の”大地の怒り”が起こった。



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