『外から見た崩れの風景』
『外から見た崩れの風景』
㈠
「無理しなくていいと思うよ、分かってもらいたい人にだけ、わかってもらえばいいと思うよ。」
その経典は、確かに衝撃だった。思っていた世界が崩れ去った、跡形もなく。しかし、崩れの風景は、美しい旋律に満ち溢れていた。当然だが、当たり前のことは、当たり前ではない。奇跡が奇跡でしかない様に。
㈡
「思考を改めても、現実が変容しなければ、本当の思考ではない。」
こういうアフォリズムからも、精神は崩れ去る。現実に耐えて忍ぶ時、経典は強く自己変革を迫る訳で、例え何かを放棄しても、自分の思考が変容するかどうかに、掛かっている様だ。
㈢
「現象に似てない?苦痛観念が、何かを生むから。」
単なる言語の邂逅ではなく、実質的な言語の移動からも、苦痛観念が何かを生むと言われれば、確かにその通りだと認識するまでなのである。経典には、観念は、載ってなかったはずだ、後から付け足したのだろう。