表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/42

第十九話

「えーと、本題の前に一つ聞いても良い?ミランダはミレーヌと仲が良いの?」

私が尋ねると一瞬だけキョトンとしたミランダは、直ぐにニッコリと笑った。


「そうね。悪くはないと思うわ」

「お友達ではないの……?」

「ええ。ミレーヌ様はお友達ではないけど……どうしてそんな事を聞くのかしら?」

「ええと……素朴な疑問?」

何と言えば良いか分からずに、質問に質問で返してしまった。


ミレーヌには友達がいないとカージナス様もミレーヌ本人も言っていた。

ではミランダとの関係は何だろうか?と、ふと思ったのだ。


「ミレーヌ様と私は協力者といった所かしら?」

ミランダは首を傾げながらもそう教えてくれた。


「……協力者?」

「そう。お互いの利害が一致している《《協力者》》ね」


『協力者』……。

それならお友達の枠には入らないのか。

この関係もきっとカージナス様は把握しているのだろう。


「ミランダとミレーヌの利害って何?」

「ふふっ」

……笑って誤魔化された。


この話についてはミランダはそれ以上詳しく教えてはくれなかった。

……何となくだけど、この件に深入りしてはいけない気がする。

思いがけないミレーヌの裏側まで見えそうだし……。

私は二人の関係を探るのを止めた。


そして、本題に入る事にした。


「相談というか……悩みというか……ある人の前だと失敗しちゃうの」

色々やらかしているだけに言い辛い……。


「もう少し詳しく教えてくれない?」

ミランダが苦笑いをしながら首を傾げる。


ぐっ……。そうですよね……。

諦めて……覚悟を決めた私は、お酒の席でやらかした数々の話をミランダに話す事にした。



****


「……なるほどね」

思いの外、真剣に話を聞いてくれていたミランダがポツリと呟いた。


もっと笑われたりするかと思ったのに……拍子抜けしてしまった。

私的には普通に話を聞いてくれたから嬉しかったけどね。


「何か原因分かる?家ではこんな事にならないの」

「そうね……その現場をしっかり見ていた訳じゃないから、断定はまだ出来ないけど……ミレーヌ様がローズを家に寄越した理由が分かった気がするわ」

「そうなの?」

「ええ。これは私の得意分野だもの」


……ミランダの得意分野って……オーラ鑑定?


「オーラとは違うわよ」

私の思考を読んだかの様にニッコリと笑うミランダ。


「もう忘れてしまったの?バン侯爵家は魔法使いの家なのよ?」

「覚えてるよ。でも、私の事と……その【魔法使い】がどんな関係あるの?」


……忘れている訳ではない。

【魔法使い】をよく知らないからいまいちピンとこないのだ。



「じゃあ、結論から言うわ。私の見立てだとローズは【魅了】を使っているのだと思うわ」

「……え?魅了って……魔法じゃないの?」

「そうよ。魔法ね」

「『魔法ね』……って私の家は魔法使いの血族じゃないよ」


お父様からもお母様からもそんな話は聞いた事がない。

魔法は血で使えるはずなのに、血族でもない私が使えるはずがないのだ。


「ステファニー侯爵家は血族じゃないわ。でもね、伝えられている事が真実だとは限らないわよ?」

「ええと……まさか過去に魔法使いの血が混じった事があるかもしれないって事?」

「そう。その場合だと【先祖返り】になるかしら。現当主夫妻は魔法を使えないみたいだしね」 


そんなまさか……。

しかし、それが100%無いとは今の私には言い切れない。


「もしくはローズの魂が何らかの影響を及ぼしているのかもしれないわ」

「魂が……?」

「ローズは希有な転生者のオーラを持った人だから、普通の人とは違うのかもしれないの」


今の話の流れだとチート感が漂ってくるが……

「私には魔法は使えないよ?」


そう。私は魔法を使えない。

記憶が戻った時に試してみたのだ。

『ファイヤー』や『アイス』等の思い付く限りの魔法を唱えてみたが、何も起こらなかった。


「発動条件や使える魔法が限られているのかもしれないわよ。例えば……『お酒を飲む』や『好きな相手が側にいる』なんかのね。そうすれば辻褄は合うわ」


ミランダが言った二つの条件が当てはまるとしたら……私はもうシャルル様の前ではお酒が飲めない。

それどころか、私はもうシャルル様に会わす顔がない。それでなくともやらかしたのに……。【魅了】って……。

無意識だとしてもそれをシャルル様にかけてしまっただなんて……。


「もっと詳しく知りたいわね。シャルル・オルフォード様との食事をセッティングしましょう」

ミランダは好奇心いっぱいの瞳をキラキラ光らせながらそう言った。


「……ミランダ。私、話の中でシャルル様の名前出した?」

流石にシャルル様の名前は言えずに『ある男性』と伏せてたはずなのに……。


「あっ……。やっちゃった」

ミランダはバツが悪そうな顔をしながら笑った。

テヘペロというヤツである。……可愛いけど。


「ごめんなさいね?実は、軽い事情はミレーヌ様から聞いていたのよ」

「ミレーヌが……」

ミレーヌだったら仕方ないだろう……。

こうやってミランダと話す機会を作ってくれたのは他ならない彼女なのだから。


「それよりも!私がセッティングするから実験しましょう!!」

「え……それはシャルル様の迷惑になるから……」

「大丈夫!!私に任せて!!」

「でも……私はシャルル様には会わす顔が……!」

「心配しないで!!悪い様にはしないわ!!」

「ミランダ……!」

「任せて!!!」


こうして押しの強いミランダによって、押し切られる様に話が進んだ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ