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熱砂の彼方 1

熱い砂が海原のように少しずつ姿を変え、時折風と砂に白く(さら)された獣の骨が現れた。

「フェンネルに再び出会うまで俺は生き抜く」とダリオは思った。

駱駝の背に乗り薄茶の麻布を頭から被って巻きつけ、(たずさ)えた革袋から水を啜り彼はフェンネルに出会ったオアシスを目指した。

刻々と熱と渇きに身体中の水は奪われてもはや汗すら出ない。

こんなにも遠かっただろうか。

フェンネルと出会ったあの時は、隊商から戻る道すがら目にしみるような緑のオアシスに気づいて吸い寄せられて行ったのだったな。

あれは全くの夢幻(ゆめまぼろし)だったのだろうか。

それとも砂漠の中に消えては現れるという伝説の湖のようなものなのだろうか。

やがて視界の端に緑が現れたが、それは別の小さなオアシスだった。

記憶に残るあの風景とは違っている。

一歩足を踏み入れると深い森を感じ、空気の中に含まれる水の目に見えない粒までもが踊っているようなあの景色とは。

ダリオは駱駝に水を飲ませ、短い草の上で休んだ。



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