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初めての魔王討伐2



たった今現れたばかりの敵モンスター3体が瑠花さんの対巨大生物用機械式大鎚「MA-1KE」通称「ミケ」の一振りで消滅しました。

相手はレベル5だったので完全にオーバーキルです。


「さっさと進もうぜ。こんなんじゃレベル上げにも暇潰しにもなりゃしねぇ」


瑠花さんは自分よりも遥かに巨大な鉄の塊を軽々と振り回しながらさっさと歩いていきます。

ダンジョンに潜って約5分。ここまでは一本道で戦闘も雑魚ばかり。正直言ってまだレベルの低い私でも十分対応できる敵がほとんどです。


ですが、先行していた瑠花さんが立ち止まっていました。どうやら分かれ道に差し掛かったようです。

此処から徐々に手強くなってくるでしょう。運が悪ければ全員トラップに嵌まって全滅と言うことも有り得ます。

しかし‼


「俺の出番かな?」


そう!私達のギルドにはステータスを運に全振りした男がいるのです。


「やれやれだぜ。俺がいないとダンジョンすらまともに潜れない体になっちまいやがって。スッ」

「うるさいわよ」


クラマさんは自分で効果音を口にすると懐からなんの変鉄もない木の枝を取り出しました。

冒険好きな紳士淑女諸君ならば一度は試したことがある棒をパタンと倒して進む先を決めるあれである。正式な名前は知りません。

その効力はまさにたずね人ステッキ!……には探す対象を選べないので劣りますがそれでもこれまでレアなモンスターと遭遇したりレアアイテムを入手できたりと確かな実績を持っています。

クラマさんが大勢の前でその効果を示し、普通の木の枝を売り捌いて金儲けをしようとしたのはまた別のお話です。


クラマさんは棒を立てると手を離しました。一瞬静止した後パタンと倒れましたが、どう見ても壁に向かって倒れています。


「失敗失敗」とクラマさんは言うと再び棒を倒しましたが同じく壁に向かって倒れてしまいます。


「……ルカルカ、やれ」

「あいよ!後その呼び方は止めろ!」


瑠花さんがミケを振りかぶると壁に叩きつけました。洞窟全体が揺れているかと錯覚するほどの衝撃でしたが、壁は崩れてはいるものの奥に通路が現れたりといったことはないようです。


「壁のくせにしゃらくせー‼第3リミッター解除‼ブースト点火‼砕け散れーー!グランインパクト‼」

「グランインパクト‼グランインパクト‼グランインパクト‼」


リミッターを解除したことにより変形してブースターが出現したミケは圧倒的質量と加速、大鎚専用のスキルによって先程よりも破壊力が上がり確実に壁を破壊していきます。

ああ、MPが勿体ない。


「流石の破壊力っすね」

「それよりもこの洞窟崩れてこないかしら?」

「まだリミッターを全解除してる訳でもないし大丈夫だろ、多分」


皆さんのんびりと見物してますが、この衝撃音につられて敵モンスターが集まってこないかビクビクしてるのは私だけですか?

弱いとはいえ数で押されたらピンチになることもあると思うのですが……主に私が。


いつ襲ってくるか分からない敵モンスターに怯えて周囲をキョロキョロと見回しているとふと剛鬼さんが目に入りました。周囲への注意が散漫な他の人たちと違い、SPばりに周囲を警戒してます。


「……」グッ


無言で親指を立ててこっちは任せなと言わんばかりの表情と行動で語る頼もしい姿。

やだイケメン。


「しゃあー!壁の分際で私を阻もうなんざ一億年と二千年早いんだよ‼」

「八千年過ぎた頃からちょっと堅くなった~」

「やかましい」


どうやら他の通路に繋がった様です。

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