88 魔法都市 クエスト
腹減りました。
すーちゃんの転移魔法で俺達は魔法都市に移動しました。
街を見ていると、多くの人達が商店で賑わっています。
昨日の円盤騒ぎすら、些細な出来事だと思わせる感じを覚えます。
多くの人達の中でも目立つのが、箒で空を飛ぶ魔法使い達は、高台にある建物に向かっているのがよく見られます。
高台にある大きな建物って学園なのかな?
確か昨日『ラル・ルミナス』と名乗った女性は学園長だと言ってたなぁ。
現在は6歳程の幼女になったけど大丈夫かな?
他人を心配するより、まず自分の心配した方がいいよね?
俺達は昨日トラブルがあった商店街を避けつつ、街の中を散策していきます。
一度はギルドに向かっていった方がいいかな? 金が稼げないと生活できないしね?
俺はそう思い、魔法都市のギルドがある方向に俺達は歩いて行きました。
ギルドと思われる白い建物にはすぐ着きました。
俺達はギルドの中に入る事にします。
ギルドの中では冒険者や魔法使いが実入りのいいクエストを受けようと掲示板に群がっている。
人混みは余り好きではないので、また昼過ぎ位に見にこようかな?
女神達に頼んで、無理やりクエスト掲示板に群がっている人達を追い払って掲示板見るのも悪いしなぁ?
女神達に頼んで内容だけ教えて貰えばいいかな?
女神達が魔法使うと魔力感知で察する魔法使いとか、下手したらいる可能性もあるし下手に魔法できないよね?
いや、あえて魔力感知されな程の巧妙な魔法で見て貰えればいいかな?
そうと決まれば、女神達に聞いて見ようか。
「この掲示板でよさげなクエスト探して貰える? 魔法使う場合は、魔力感知されないようにできる?」
「そんな事もあろうかト! クエスト内容は全て確認済みでス! 魔力感知されない魔法で確認しましタ!」
俺は女神達に頼むと、魔法の女神であるマジちゃんが答えてくれます。
流石マジちゃん! 仕事が早いね!
「その中でも三件ほど依頼クエストを厳選しましタ!」
「マジちゃん? 選んでくれたんだね?」
「一件目が『研究室の実験依頼』でス! 報酬は一日金貨1枚でス」
「二件目が『New・学園の臨時教師依頼』でス! 報酬は一日金貨1枚以上でス」
「三件目が『討伐依頼』になりまス!」 報酬は金貨50枚でス」
マジちゃんが俺に依頼クエストを厳選して教えてくれます。
うん、一件目が研究室ね? これさ? 昨日地下闘技場にあった研究室じゃないよね? なんか嫌な感じがするのでパスかな。
二件目が学園の臨時教師ね? Newって書いてあるから今日発行されたやつかな? 俺教えるの苦手だからこれもパスかな? あえて女神達に教えるって感じでもいいけど離れて教えさせる訳にも行かないからなぁ?
三件目が討伐依頼ね? 何の討伐するか知らないけどさ? 実の入りがいいんならこれでいいかな?
金貨1枚が40,000円位だから高額だよね?
「それじゃマジちゃん? この『討伐依頼』って言うのが気になるからこのクエスト受けれるかな?」
「分かりましタ! このクエストハ、討伐証明するモンスターの部位を持ってくればクエスト完了となりますのデ、ギルド受付に登録する必要はありませン!」
「了解マジちゃん! すーちゃん? それじゃどこか分かんないけど早速行ってみようか!」
「了解ですー」
俺達はギルドから出て裏路地に入り、すーちゃんに頼んで討伐依頼の対象がいる場所に転移してもいます。
(見てしまった……)
とある少女は見てしまった。
すーちゃんに頼んで『討伐依頼』対象がいる場所に移動しました。
ここはどこだろうね?
周りを見てみると山岳地帯と思われます。
目の前に3m程の洞窟が見れます。
「こちらの中に対象のモンスターがいます」
「うん、とりあず行ってしてさくっと討伐しようか?」
ヴァルちゃんが俺に説明してくれた後、俺達は洞窟の中に入って行きます。
洞窟の中は真っ暗だな? そんな事を思ったら、マジちゃんが光の玉を行く先々に出して洞窟内を照らしてくれます。見やすいです。迷宮都市にあったダンジョンは中は光ゴケで照らされて明るかったのにね? 普通の洞窟はやっぱり真っ暗なのね? 洞窟の中には普通のモンスター等は居ないようです。
「……ボーン……ドーン」
洞窟内をしばらく歩いてると、向かう先に爆発音や金属音が聞こえ始めます。
誰か先客がいるのかな? そんな事を思っていると、洞窟内で開けた空間に出ます。
その中では二人の女性が体長10m程のゴーレムと戦っています。
二人は昨日魔法都市の闘技場で戦っていた、魔法剣士と魔法使いの様です。
ゴーレムの方を見てみると体全体に緑色の宝石ちらばられており、鉱石で出来たような身体をしています。
「討伐対象のエメラルドゴーレムでス、こちらのゴーレムは変異種デ、鉱石の純度が高くなっていまス」
マジちゃんが答えてくれます。
変異種って沢山いるのね?
普通のモンスターの方が少ないのかな?
そんな事を思っていると、魔法剣士と魔法使いが吹き飛び倒れます。
「ヒル!? 逃げて!!」
女性の魔法使いが魔法剣士に叫びます。
変異種のエメラルドゴーレムが近寄り、魔法剣士に攻撃を加えようとしてます。
ヒルと呼ばれた魔法剣士は気絶してるのか、動いてる様子がありません。
「やっちゃって?」
その様子を見て俺は女神達に頼みます。
次の瞬間ヴァルちゃんの姿が一瞬消えて、また元の位置に戻ります。
10m程のゴーレムの体はバラバラになってエメラルドの塊が崩れ落ちます。
俺はヴァルちゃんが何をしたのか全く分かりませんでした。
とりあえずエメラルドゴーレムを回収しようと近くに寄ります。
「……今のは一体……?」
女性の魔法使いは呟くと、目の前で起きた状況が分からない様子です。
そんな事は気にせずに俺は女性に声を掛けます。
「横殴りでしたらすみません。手っ取り早く、討伐クエスト終わらせたかったので」
「あなた達は……?」
「いえ? 名乗る程のモノじゃないですけど? エメラルドゴーレム倒したんで、素材貰って帰りますね? あ、そちらの女性倒れてるけど大丈夫?」
「はい……多分、気を失ってるだけだと思います。申し遅れました……私の名前は『ヨル』と言います。こちらに居る者は『ヒル』と言います。助けて頂きありがとうございます」
「はぁ、とりあえずこのエメラルドゴーレムの素材回収してもいいです?」
「はい……どちらかと言えば私達は、倒される側でしたからね……ドロップ取得する資格はありません。どの様な方法を使って、ゴーレムを倒したのか全く分かりませんでした……」
「普通、冒険者だったら自分の手の内を、相手に教えるとかしないよね?」
「それは……そうですけど……」
「それじゃ回収するね? マジちゃん、回収できる?」
「了解でス」
俺は女性と話すと、マジちゃんに頼んで素材を回収して貰います。
(!?)
マジちゃんの回収する様子を見た、ヨルと呼ばれる女性は驚いた表情をしています。
やべ、普通の量の収納魔法ならよかったけど、量が量だから驚かせちゃったかも?
まぁ過ぎた事はしゃーない。
次からは気を付けよう。
「それでは俺らは戻るんで失礼しますね? それでは」
俺は魔法使いのヨルさんを残し、洞窟の外に歩いて行きます。
洞窟の外に歩いて行く最中に変異種のエメラルドゴーレムは、レベルどれ位だったの? と女神達に聞いて見ます。
レベル500で高い物理耐久と魔法耐久を備えたモンスターだと、女神達は答えます。
先ほど居た魔法剣士と魔法使いがレベル400って思い出したけど、相性悪かったのかな?
まぁいいや。そんな事を思いながら歩いて行くと、洞窟の入口に着きました。
んじゃ、転移魔法で街にもどろうか?
「すーちゃん魔法都市まで頼みます」
「了解ですー」
俺はすーちゃんに、転移魔法で魔法都市に移動するように頼みます。
ちなみにフルちゃんは、俺達の後ろを歩いているだけでした。
俺達の行動を当たり前のような感じで見ていて、討伐する時も余り驚いた様子がありませんでした。
大丈夫フルちゃん、ちゃんと出番ある様にするから!
すーちゃんに頼んで魔法都市にあるギルド前へ俺達は移動します。
てかギルド前に移動して気が付いたけどさ?
変異種のエメラルドゴーレムを、討伐依頼であるギルドに提出したら目立つんじゃね?
どうせまた「別室行だー!」ってなって、ギルドマスター直々に面談とかする羽目になりそうで面倒くさそうだなぁ? 討伐確認で討伐確認部隊を派遣してさ? なんちゃらこうちゃらーみたいな感じでまた問題事が発生する気がするよね!? 提出できないじゃん。 ダメじゃん! 金稼ぎできないよ! 畜生メェー! 討伐しても金に換える為に問題を受けるのは得策じゃないし、どうすりゃいいんだよ!? とりあえず今後、討伐クエスト系は自分からは受けないようにしよう……受けてもどうせさ? 「変異種だー! 特殊種だー! 新種だー!」とか言いって出てくるんだろ!? それぐらい分かってるよ! とりあえずどうしようか?
俺は魔法都市のギルド入り口前で、考えを巡らせていました。
どうすりゃいいんだよ!




