84 魔法都市 ブルーレイ
腹減りました。
俺達は魔法都市の闘技場内にいます。
俺が上空を見上げると、闘技場をすっぽり隠すように巨大な円盤が上空に浮かんでいます。
大きさは東京ドーム位だなぁ?
異世界には、宇宙人襲来とかあるのかな?
本当に異世界は何でもありだな!
某映画で、ビルにレーザー砲がぶち込まれるような感じがします。
やっぱり、上空からレーザー砲とか撃ってくるのかな?
巨大円盤にある底面の穴から、光が溜まり始めて、レーザーの様な青白い閃光が放たれます。
マジかよ!?
ホントに撃って来たよ!
俺はビビります。
しかし、円盤から放たれた青白い閃光は、闘技場全体を覆うバリアのような膜で遮られます。
バリアで遮られ跳ね返った閃光は、魔法都市のあちこちに飛散していきます。
飛散した閃光は街に飛び散り、魔法都市のあちこちで爆発音と共に、建物等が炎上していきます。
巨大な円盤は第二撃を放とうと、チャージを始めたようでした。
それを黙って見ている魔法都市の人々は居ないようで、円盤に向かって魔法を詠唱してぶっ放していきます。
逃げる者など居ない様な感じがしました。
火の玉や、氷の刃や、かまいたちや、岩石の塊等が円盤に向かって放たれます。
投げ槍や矢等、遠距離攻撃武器の狙撃等も含まれます。
そこには先ほど闘技場で戦っていた、魔法剣士や魔法使いがいます。
しかし、どんな魔法攻撃や遠距離物理攻撃をしても、円盤がダメージを受けている様子はありません。
その中には、どこから持って来たか分からない位、でっかい大砲で撃たれる様子も見られます。
なんか弾は魔法っぽい感じがします。
しかし、円盤にダメージを負わせることができません。
巨大円盤による、第二撃が放たれようとしてます。
闘技場の周りを張っていた、膜のようなバリアは無くなっていました。
その光景を見て、闘技場の人達は、諦めたような雰囲気を醸し出します。
「なんとかならない?」
俺は女神達に頼みます。
次の瞬間、ヴァルちゃんの姿が消え、円盤に向けて斬撃を放ちます。
豆腐に包丁を入れる様な感覚で、円盤が真っ二つにされます。
マジちゃんは先ほど円盤が撃った青白い閃光を、見様見真似で圧縮させて撃ち始めます。
レーザー魔法は反射されるわけでも無く、そのまま円盤を貫通して穴だらけにします。
落下してくる円盤を、ディフェちゃんとマジディフェちゃんが防御魔法と魔法防御を張り、円盤を魔法都市の外へと押しやります。
ラッキーちゃんはその光景を見てキャッキャしてます。
すーちゃんは周囲を警戒しています。
ひーちゃんは、超強力なエリアヒールで、この都市全体の怪我した人を回復させます。
円盤は魔法都市の外に墜落していき、爆発します。
円盤が落ちる様子を、魔法都市の人々は見ていました。
一体何があったんだ? というような顔で円盤を見ています。
その表情を悟って、俺はここを離れようと思います。
「すーちゃん! 転移頼みます! 場所はあの円盤!」
「了解ですー」
俺はすぐにすーちゃんに頼んで、俺達を円盤の位置まで転移します。
(また、見てしまった……)
とある少女は見ていました。
すーちゃんに頼んで、落下した円盤の近くに俺達は転移しました。
よーし、何がでるかな?
未知への遭遇です。
俺は異世界での第一発見者になるんだ。
巨大円盤から、倒れるように脱出する人影が見えます。
よく見ると女性の様です。
俺達は近寄ります。
近くで見てみると40歳位の女性で、青色の髪をしています。
さっきのひーちゃんの、エリアヒールに掛かってないって事は、円盤の中の人でいいのかな?
とりあえず、この人を回復してもらうよう、ひーちゃんに頼みます。
ひーちゃんの回復魔法で、女性が目を覚まします。
「ここは……私は……夢でも見ていたのか……? 調整は万全だったはず……何が間違っていたのだ……」
「あなたが、この円盤を操作してたの?」
「……そうだ」
「なんで、街を攻撃してたの?」
「……」
「黙ってたら、分からないよ?」
俺は、女性に質問をします。
女性は観念したのか、しゃべり始めます。
「……私は、この魔法都市にある、学園長をしています『ラル・ルミナス』と申します。あの闘技場の地下にある……実験施設を、潰そうとしていました……」
「なんで?」
「……魔法を、広範囲に渡って、無効化させる実験施設です。その実験が成功してしまうと、この世界は魔法を、使用する事が出来なく無くなってしまいます……」
「話し合いで、解決できなかったの?」
「相手は、頑固な相手でして……変な話ですが、私が嫌がることを平気でする奴なのです……」
「街の人、巻き込んでいいと思ったの?」
「私が製作した、閃光魔道砲撃は、生命体にはそこまでダメージが無く、対物質に特化した閃光魔道砲撃です。魔道要塞で、実験施設を破壊する予定でした」
「でも、円盤が撃った閃光、バリアで跳ね返って、街のあちこちで炎上してたよ?」
「多少の犠牲は仕方ありません。魔法が使えなくなる方が、犠牲は増えるはずです」
「別に魔法使えなくなってもさ。死ぬことはないと思うけどね?」
「本当にそう思うのですか? 魔法があるからこそ、抑止力が発生するのです。魔法が使えなくなったら人々は、何から己の身を、守らなければいけないか……考えた事ありますか? 魔法が無くなった世界など、考えられません。それに魔法に依存した魔法都市から、魔法を取ったら何が残ると言うのですか」
「俺、魔法の無い所で暮らしてたけど、別にこれと言って困ることは無かったよ? あの時魔法使えたらいいなぁ程度だし」
「そうですか……それなら我々には、始めから魔法なんて、無かった方が良かったのかもしれませんね。魔法の味を知ってしまったら、二度と離れられられませんからね……」
「それでどうしたいの?」
「この魔道要塞を作るのに、25年の歳月を掛けました。私の人生を費やした、魔法の結晶と言っていい存在が無くなって、今は何も考えられません。広範囲の魔法無効化が出来るのも、時間の問題だと思いました……」
「そうか」
一体、何が問題だったのだろうか?
『魔法』は、あったほうがいいのか? 無いほうがいいのか?
よーわからん。
あれば使うし、無ければ使わない。
それだけなんだよなぁ。
どうしよう?
俺にできる事なんてなんかあるかな?
話し合いが駄目なら実力行使する気持ちは、分からなくないけど、最終手段だと思うし。
ラルさん相当追い込まれてたのかな?
とりあえず、その人は何で、魔法無効化の実験をするのか、意味があるかもしれないしさ?
研究してる本人に聞いて見ようか。
「ラルさん。魔法無効化の研究してる相手に、もう一度話し合いする気持ちってあります?」
「あいつは頑固で、いつも論点をすり替えて話し合いにすらならない」
「要は話し合いになればいいんですよね?」
「そうです」
「んじゃ、行って話し合いしようか?」
「無駄だ」
「なんで?」
「あいつは、言っても分からぬ人間だからだ」
「それは俺が決めるから、行こうよ?」
「……分かりました。無駄だと思いますがね」
俺はラルさんと話をしました。
そうと決まれば全は急げだな。
「すーちゃん。魔法無効化を研究してる人の所いける?」
「研究室には行けるけどー、その人の特徴とか分からないと、直接は行けないかなー?」
俺はすーちゃんに聞いてみます。
「ラルさん。その人はどんな人なの?」
「私の幼馴染で、40歳の男性だな。名前は『モル・サイエンス』といいます」
俺はラルさんに聞いてみます。
それを聞いたすーちゃんが特定します。
「分かりましたー。その研究所にいるー、それっぽい人の所にいくねー?」
すーちゃんは、俺達とラルさんを、『モル・サイエンス』がいる研究所に転移します。
魔法を銃と捉えれば、分かりやすいかもしれません。




