74 エルフの里
腹減ります。
俺達は迷宮都市のとある屋敷にいます。
エルフのフルちゃんは、やっぱり、目に光が無いような気がします。
現実逃避しようぜ!
もっと現実から逃げようぜ!
とりあえず気になることは、どんどん解決していこうか?
解決したら幸せになるかは別だけどね?
やらずに後悔するよりやって後悔した方がいいってきくけどさ?
気になることはやる様にしようか?
問題を放置しても、結局後回しになるだけだからね?
よし、そうと決まれば考えを伝えようかな?
「フルちゃん、落ち着いて聞いてね? 今からエルフの里に向かうけど、フルちゃんが、特殊魔法を使えるようになってるか、調べたいんだ。別に、深い意味は無いけどさ? いいかな?」
「はい、勇者様のお考えに任せます……」
よし、とりあえず伝えたからね?
てか、行けるか分からないから女神達に聞いてみます。
「すーちゃん、フルちゃんの故郷に行きたいんだけど、場所とか分かる?」
「大丈夫ですー! 現に異世界で行けない場所はありませんからー」
すーちゃんが答えます。
そうですか……いけない場所すらないのね?
頼もしすぎます。
なんか楽しみなくなってきたよ。
まぁいいや、とりあえずエルフの里に向かおうかな?
その前に、挨拶済ませないとなぁ。
「ジョアちゃん、ガゼリさん? これから俺達、ちょっと出かけてくるからさ? なんかあったら連絡して? 直ぐに飛んでくるからさ? 後、この屋敷の大事に使ってね?」
「分かりました、色々お世話になりました。いってらっしゃいませ」
「分カリマシタ、イッテラシャイマセ」
「いや? 別にいつでも戻ってこれるしさ? 最後のお別れだとは思わないからね? それじゃ、またね!」
俺はジョアちゃんとガゼリさんに挨拶を済ませます。
後一軒行っとくか。
俺達は、宿屋に歩いて向かいます。
この街でお世話になった宿屋に一言、お別れの挨拶をします。
「いらっしゃいやせ、貴方は! 姉御のおしりあいの方! こんな早い時間にどうされやした?」
「これから少し、迷宮都市を離れようと思ってね? 一言挨拶にきたんだ。無料程、高いものは無いからね? とてもいい宿だった。俺達を泊めてくれてありがとう。もし違う街や都市に行った時は、是非利用させてもらうよ」
「ご丁寧にありがとうございやす。それでは! 紹介状を書かせてもらいやす! 他の支店に紹介状を渡せば、事情は把握してくれるはずです! 少々と待ちください…………これが、紹介状でございやす! それでは良い旅を」
「ありがとう、それでは失礼します」
俺は紹介状を受け取り、宿を出ます。
宿屋のフラグは、いつ回収するのかな?
スキル7柱の女将とか俺、嫌だぞ?
気づいていないとでも思ったのか?
世の中無料より高いものはないからね?。
絶対後々、着けが回ってとんでもない事態に陥るのは、目に見えてるのにね?
紹介状、捨てようかな?
俺は紹介状を『さりげなく』落としました。
「姉御のおしりあいの方! 紹介状落としやした……どうぞ……」
「あぁ……すまない、ありがとう」
俺は宿屋の前で紹介状を落としたが、宿屋の女将が紹介状が落ちたのに気づき、俺に紹介状を再度渡してくれます。
女将の鋭い眼つきに、俺は少し肝を冷やしそうになります。
うん、これやばいやつです。
下手に捨てると、どっかでフラグが発生して問題になる気がします。
うーん、こんな事だったら、律儀に挨拶する必要なかったかな……?
まぁいいや。
次さ? 宿屋行っても、紹介状使わなければいいんだよね?
ってか、使わなくても何かの拍子で使う羽目になりそうだな。
そうだ! 俺が宿屋経営すれば済むな!
そうすれば、宿屋に泊まる必要性無くなるんじゃね?
いや、ライバル宿屋として現れて、恐ろしい強敵になりそうな……気がします。
この案件は一度、保留します。
保留で激熱は外すからこそ、激熱なんだよ!
もういいや!
「よし、すーちゃん! フルちゃんの育ったエルフの里へ転移して!」
「了解ですー」
俺と、女神7人とフルちゃんとマツカは、エルフの里に転移しました。
ここが、あの少女が生まれて育った、エルフの里ね?
俺達はエルフの里に着きました。
よーし、どんどん行こうか。
「人間共止まれ! これより先はエルフの里だ! 要件を聞こう!」
なんか金髪のエルフ男性が、こちらに止まる様に指示します。
よーし、これからどんどん進もうと思ったのに、止められちゃったよ。
仕方ないね。
エルフのフルちゃんが前にでます。
「私です! 今は亡き、長老の娘フルです! ここを通してください! こちらの人々は、私の大事なお客様です!」
「……フル? フル様で在られるか!! これは失礼いたしました! 仲間にもフル様がご帰還されたと、伝えます!」
フルちゃんがエルフの男に声を掛けて事情を話します。
「すみません……一度私の家に向かわせてもらって、大丈夫ですか? こちらになります」
そう俺達に話してフルちゃんが案内してくれます。
歩いて行くと、里のエルフの人々が次々とフルちゃんの周りに集まってきます。
「フル様! 元気でしたか!? お帰りなさい!」
「フル様! 私達は貴女のお帰りを、お待ちしておりました!」
「フル様が帰還されたぞ! 今宵は宴だ!! 準備をしろ!」
なんか、この里だとフルちゃんお偉いさんみたいです。
エルフの群れに囲まれて、フルちゃんは身動き取れないでいます。
数メートル離れた所からフルちゃんを眺めてて、めっちゃ人気者だと感じます。
そんな中、駆け寄ってくるエルフの夫婦がいます。
「フル!! 私の可愛いフル! 心配しました! 連絡が無いから、事故に巻き込まれたのかと思いました!」
「フル!! 俺達を心配させて! 俺達がどれだけお前の事を思い続けたか!」
エルフの夫婦は、フルちゃんに近づき抱きしめます。
「ごめんなさい、色々心配させました。事情はあるのですけど、一度里に帰りました。お父さん、お母さん」
フルちゃんは両親に挨拶をします。
フルちゃん両親いたんだね?
見た目『新婚さんらっしゃい!』に、出てくるような若々しい夫婦なので一瞬、性の喜びを知りやがって! と、逆切れしそうになる所でした。
にしても若いなぁ。本当に両親かって疑う位若いです。
フルちゃんが310歳だから、この両親は700歳位になるのかなぁ?
積もる話は、家に入ってするようです。
そんなフルちゃんは、奴隷市場で買ったんですけどね?
余裕で事故に巻き込まれてました。
俺達は、両親に囲まれながら嬉しそうに話します。
フルちゃんを眺めながら、俺達は案内されました。
一軒の木造住宅に到着し、家の中に入ります。
「紹介します。こちらに居ます方が勇者様です。そしてこちらの女性方が、勇者様の奥様であり、大賢者様方々です」
フルちゃんが両親に、俺達を説明します。
忘れてた。
まだ勇者様のネタ引きずってました。
押し通すか?
話すか?
まぁ、そのうちばれるかな?
そんな事言ってると、後々問題になってくるのは分かってるけどさ?
うん、好きにして。
「フル! ついに勇者様を見つけて、勇者様のパーティに入ったのか! これでこの里も安泰だ!」
フルの父親は大喜びです。
「勇者様、私の両親を紹介します。私の父『フラット』お父さんと、私の母、『フリュー』お母さんです」
フルちゃんは、フルの父の名はフラット、フルの母の名はフリュー、と説明してくれます。
そういう面倒くさい説明いいんで、とっとと扉の特殊魔法である宝庫の開錠が使えるかどうか、確認したいんだよなぁ。
キャラ名つけると、魂持っちゃうじゃん。
フル父、フル母でいいです。
「それでは! 宴の準備を手伝ってきます! ゆっくりしていってください!」
フルちゃんの父であるフラットは部屋から出ていきます。
ゆっくりしていってね!
「勇者様……あの人達をお父さんとお母さんって、いってますけど。実は……あの両親は私を……養子に迎えくれてくれたんです。父である長老が他界して、身寄りの無い私を、あの二人が引き取ってくれたんです。なので……あの人達の血は、私に流れていません。辛い話ですが義母は、子供が産めない体になっているのです。原因は、何なのか分かりません……黙っていて……すみませんでした。あの人達の嬉しい顔を見たら、言いそびれてしまいました……」
フルちゃんが話してくれました。
重いな……そういう話やめて下さい。
空気読まずにとっとと宝庫の開錠しに行くの、気が引けちゃうじゃん。
でも……空気読まずに……行きます。
フラグ……まとめると、これってさ?
無理やり宝庫を開錠させたら、ボス出るパターンかな?
ほっといても、何か出てくるフラグたっちゃったかな?
困ったな。
でも確認しようか。
「フルちゃん……とりあえず宝庫の扉に、行こうか?」
「はい……」
俺はフルちゃんに宝庫に行くよう伝えます。
フルちゃんは、俯きながら答えます。
そう言って俺達は立ち上がり、フルちゃんに案内されて宝庫の扉前に移動します。
「こちらが秘宝が収めておられる、宝庫です」
「早速この宝庫を、特殊魔法の鍵で開錠して見て下さい」
「それでは……開けさせてもらいます!」
フルちゃんは魔力を高めます。
なんかすごい魔力が高まってる気がするね!
「お願い! 扉よ! 開いて!」
フルちゃんが、叫び魔法を放ちます。
「………」
しかし、扉は開きませんでした。
おかしいな?
てっきり、開くもんだと思ってたのになぁ?
なんで、開かないんだろうね?
なんでだろ?
なんかいまいちです。




