68 迷宮都市 ダンジョン攻略
違和感を感じます。
俺達は迷宮都市のダンジョン内に居ます。
ダンジョン攻略は淡々と進みます。
「これより先、トラップ地帯に変化されています。床を踏むと矢が飛び出したり、毒ガスが出るトラップになって居ますが、現に無効化させてもらってます」
途中で女神達が説明します。
あぁ、そう。
別に歩くの疲れてないけどさ?
半分、冷め気味の俺はただただ、歩いているだけでした。
冷め気味になる理由が、これ。
「こちらにある部屋の宝箱は、ミミックです。宝はありません」
「あちらの部屋の奥に、剣は刺されています。剣を抜くと、モンスターが大量に発生します。モンスターを全部倒さないと、扉が開かない仕組みになっております。強そうな剣ですが、鉄くずです」
「通路は行き止まりに見えます。視覚遮断の魔法が掛かっております。なので、普通に通り抜けれます」
「半径50m以内にあル、宝箱のアイテムは取得済みでス」
全部女神達の解説がある為、とても安全なダンジョン攻略中です。
怖さ半分、楽しみ半分を、無くしてるような感じです。
高レベルモンスターも出てきます。
魔法強化が掛かったフルちゃんの魔法攻撃で一撃です。
いい感じにフルちゃん、レベル上がってるね?
もうLv430だよ!
そんな事を思ってたら、20階層の扉の前につきます。
扉を開けると、3匹のでかい黒い羊が居ます。
デカい巻角を持った黒い羊は、槍と盾を所持した二本足で立っています。
なんか強そうだけど、フルちゃんの魔法一撃でぶっ倒れてました。
フルちゃんは諦めたのか、余り驚かなくなってました。
なんていうの?
フルちゃんの場合はDQの世界でFFかな?
DQの世界に、FFのキャラが混じって無双してる感じかな?
チートです。
女神に関しては、FEの世界でFFかな?
違う、DQの世界で、VP位か。
そのうち、DQの世界で、DG位の、レベルインフレ世界とか生まれるんじゃね?
それはそれで見てみたいけど、止めておこう。
これ、そういうゲームじゃないから!
異世界だから!
そんな事を考えながら、次の階段を下りていきます。
(な、なんだと! 魔力特化の盾を持たせてもまだ、一撃だと! ありえない! しかもLv500の特殊モンスターだぞ! しかも3体……! こうなったら奥の手を使うか!)
空中に浮かぶモニター越しに、驚愕の表情を浮かべる者は、思考を巡らせていました。
同じ光景ばかり続いて、飽き始めました。
「この先、落とし穴がありましたが、無効化しました」
「天井が落下するトラップがありますが、無効化しました」
「この先、下り坂になって通り過ぎた後、通路一面に巨大な玉が転がってきますが、事前に無効化しました」
「通路が、行き止まりになる迷路トラップを破壊し、無効しました」
「通路が全部埋まってるので、階段までの通路を作成しました」
「……あぁ、そう」
女神達が、何かある度に報告してきますが、なんかどうでもいい感じになってきました。
女神達が、ダンジョン作ったほうが、よっぽどダンジョンらしくね?
誰も、攻略できない気がするよ!
誰も攻略できないんじゃ、それはダンジョンじゃないよね……?
この世界の常識が、よく分からなくなります。
フルちゃんは、ジャンジャン出てくる、高レベルモンスターを次々に処理しています。
魔法を放つ機械のような、魂の抜けた目をしてます。
なんかブツブツ言い始めたし、ちょっと怖いです。
そんなこんなで30階層の扉に到着します。
扉を開けると、巨大な機械兵が居ました。
「ヨクキタナ! コレヨリ先ハ! 通サナイ!」
巨大な機械兵が喋りました。
シャベッツタアアアア!
機械が喋るなんて、ロマンチックだね。
そんな技術が、異世界にもあるなんて驚きだよ!
どういう原理なんだろ?
プルプル、僕悪いロボットじゃないよ! とか言いそうです。
硬ぇ! ロボットのおっぱい硬ぇよ!
オリエンタル工業見習って下さい!
そうだ、このロボット改良して女の子にしようぜ!
俺天才か!?
フルちゃんはブツブツ独り言を唱えながら、魔法を放ってました。
フルちゃんの放った強化魔法では、一撃で機械兵を倒すことができませんでした。
現に半壊状態です。
それでも耐えきるとか、どんだけレベル高いんだろう?
「グヌヌ……ダメカ……」
そういえば、ダンジョン活性化の原因とか、調べて来てくれって言われてるけどさ?
喋れそうだし聞いてみようかな?
「ちょっと、聞きたいんだけどさ? 分かる範囲で答えてくれればいいんだ。ダンジョン活性化って何が原因なの?」
「……ソレハ、創造主ニ聞イテクレ、私ハ何モ、知ラナイ」
そっか、このダンジョンを作った、創造主ってのが居るのね?
この機械兵も、創造主に作られたのかな?
創造主って誰だろう? ダンジョンコアかな?
「ちょっと、そいつ倒すの待っといて? 意思疎通ができて、喋れる奴は俺、嫌いじゃないんだ」
そう言いますが、フルちゃんは魔法をぶっ放します。
反応が無くなった、機械兵をみます。
機械だし、直せるかな……?
……まぁ、いっか。
機械兵が守っていた扉を開けると、そこには台座の上に空中に浮かんだ、ひし形のダンジョンコアと思われる、結晶が置かれています。
へー、これがダンジョンコアなんだなぁ、って思っていました。
「アキラ様、そのダンジョンコアはダミーコアです。本物のダンジョンコアは、この部屋の隠し通路から下にいます。こちらです」
女神達にダミーコアの説明を受けました。
あぁ……そう。
ダミーコアを無視して、俺達は案内されるままに歩いていきます。
隠し階段を下りていくと、広い空間が現れます。
扉は何故か隠されていて、人一人くらいが通れる小さい扉です。
その扉に入って行くと、空中に浮かぶモニターが一面に広がっています。
なんていうのかな?
オペレータ室のような感じがします。
「くくく……よく来たな、人間共よ……」
でかい椅子が、俺達に喋り掛けてきます。
異世界の椅子って喋るのかな!?
俺がそう思っていると。
椅子がクルッと回って、こちらに喋り掛ける人が居ました。
「私が、ダンジョンコアであり、創造主であるダンジョンマスターだ」
見た目、10歳位の薄い茶髪少女が喋り掛けてきます。
なんで女の子なの?
ダンジョンコアとか、ダンジョンマスターとかさ?
もっと爺さんとか、機械だったり、思ってたのに……ドストレートに、少女だとは。
……俺は考えを改めます。
「アキラ様が喜びそうだったので、合えて伝えませんでした~」
ひーちゃんが俺に伝えます。
そんなサプライズ、いらないよ!
普通に教えてくれても、いいんじゃない?
俺、まるでロリコンみたいじゃん。
間違ってないけどさ?
「お前が……ダンジョンコアで、ダンジョンマスターですか?」
「そうだ」
「なんで幼女なの?」
「む……その質問から入るのか、お主も好きよのぅ……」
「ん?」
「私はダンジョンコアであるから、どのような姿にも変身できる、むさ苦しいおっさんや、爺さんよりは、私は、幼女が好きだからな?」
「そうか」
「と、言うのは冗談でな?」
「冗談かよ!」
「活性化する事によって、ダンジョンコアとしての魔力を使用し、ダンジョンの強化を行うのだ。強化を行うことにより、コア自身の魔力量によって見てくれが変わるのだ。ちなみに昨日までは、年を取った婆さんだったけどな? みるかい?」
「見たくないよ! ……ってことは昨日の活性化は、ダンジョンコア自身の、魔力量を使用した結果、婆さんコアから、幼女コアになったってことなの?」
「まぁ、そう言うことになるな」
「なんでダンジョンコアの魔力量を消費して、ダンジョンを強化したんです? あんな高レベルのモンスター召喚したら、誰も攻略できなくなりますよ?」
「あの『爺』に、いつもいつもダンジョンを荒らされて、ただただ、ダンジョンコアというだけで、管理され続ける身にもなってみな。どうしたら、ダンジョンを攻略されないようにするか、考えるだろ? こまめに活性化させても、結局は、狩りつくされてしまうからな? コツコツ貯めた魔力を今回、全力で発散して、絶対的な自信を持った、ダンジョンを作ったはず、じゃったが……まさか、1日で攻略されるとは思わなかった」
俺はダンジョンコアの話を聞きます。
はー、爺さんってクロ爺さんの事かな?
ダンジョンコアも苦労してるのね?
折角、絶対に攻略できないダンジョンを作っても、相手が悪かったね。
「てか、この後どうするのさ?」
「攻略されてしまったらしょうがない。この姿を見てくれ。魔力が戻るまで、当分攻略されないと思ってたが、ご覧の有様だ。魔力が戻らなければ、私はただの10歳の女の子。レベル20の人間でも簡単に、私は壊されてしまうからな? さぁ、ダンジョンを攻略したのだ、私を好きにするといい」
ダンジョンコアは、覚悟を決めていたようです。
たださ? 攻略されなかったら、迷宮都市の人達は全滅してただろうね?
お互い様っていったら、それまでだけどさ?
どうしたもんかね?
ほっといたら、守ってくれる人いないからこの子、壊されちゃうよね?
どうしようかね?
選びなさい。




