67 迷宮都市 ダンジョン突入
ダンジョンねぇ。
俺達は徒歩でダンジョン入口方面に歩いて行きます。
ダンジョン入口から高レベルのモンスターが這出た為、街の中では食料の買占め等が行われてます。
商店を、閉め始めてる店もあります。
住人も混乱に生じて強盗されない為に、窓や扉を頑丈に閉め始めます。
なんか物騒ねぇ?
そんな中、俺達に近づいてくる人達が現れます。
「お前さん方! 探したぞ! ワシじゃ! 昨日カジノで奪われた、鍛冶屋道具を返してもらった、ドワーフじゃ! 近くの宿に泊まっていると言ったから、虱潰しで宿を探したが、どの宿も『アキラ』という人物が、止まったという情報はなかったぞ! いったい、どこに泊まっていたと言うのだ!? それはいいとして昨日、武器の製作依頼が完了したから、装備を渡しにきたんじゃ!」
昨日、カジノでパンツ一丁で投げ出された、ギャンブル依存症のドワーフのおっさんが俺達に話しかけてきます。
「ワシはあの後、オリハルコンを手にしてから、興奮しっぱなしじゃった! 寝ずに熱い情熱を金槌を込めて、叩き続けた結果! そちらのエルフさんに希望された装備を、作る事ができた! 見てくれ! 作ったのがこの『オリハルコンの短剣』じゃ! この短剣は、魔法が使えないエリアでも、事前に魔力を込めてあれば、魔法剣として使用できる優れものじゃ! 今まで作ったワシの最高傑作じゃ! 受け取ってくれ!」
淡々と説明をして、完成した装備をエルフのフルちゃんに渡します。
受け取ったのを確認すると、ドワーフのおっさんは倒れます。
「お父さん!」
そう言って、ドワーフのおっさんに、ドワーフの娘さんが近くに寄ります。
「あれ程、真剣に鍛冶に取り組む、父を見るのは久しぶりです。アキラ様、ありがとうございます!」
ドワーフの娘さんが俺に、感謝してきます。
ドワーフのおっさん、頑張ったんだね。
寝ずに叩くとか、情熱と鉄は熱いうちに叩けって言う位だしね?
エルフ専用装備だから、弓とかだと思ったけど短剣なのね?
割と地味だなぁ。
とりあえず、フルちゃんに感想を聞いてみます。
「どう? その短剣使えそう?」
「はい! とても手に馴染んで、素晴らしい短剣だと思います。今まで扱った中で、ベスト3に、入りそうな素晴らしい装備だと思います!」
フルちゃんには、割と高評価らしい。
ベスト3とか言ってる位だから、他にもっといい装備持ってたのね?
どんな装備持ってたか気になる所だけど、時間なさそうだから気にすることはないなぁ。
まぁいいっか。
「起きたら、ドワーフのおっさんに伝えといて下さい。確かに装備は受け取った、ありがとうって」
俺はドワーフの娘さんに、伝言を頼みます。
まぁ、無料みたいな感じだしね?
俺、カジノでラッキーちゃんを膝の上に乗せて、座って見てただけだしね?
カジノで貰ったアイテムを、ドワーフのおっさんに渡しただけだからね?
さて行こうかね?
女性陣を連れて、ダンジョン入口に向かいます。
特にこれと言って、買うものが無かったのでそのまま、迷宮都市ダンジョン内壁入口に到着しました。
入口は厳重体制で、門兵が警備しています。
「止まれ! これより先は、現在立入禁止区域になっている!」
「あー、俺達ダンジョン攻略を、迷宮都市のギルド長シンに、頼まれてきました。証明書とかもらってないけど大丈夫なの? これ?」
(お、おい、よく見ろ! さっきの大賢者フル様も、ご同行だぞ?)
(あ、本当だ! 気づかなかった!)
警備兵はヒソヒソ話をしています。
俺達の後ろに居て、隠れて見えなかったエルフのフルちゃんはむくれています。
「お前達! 警備ご苦労! その者達は確かに、ギルド長にダンジョン攻略を頼まれている! 通してやってくれ!」
「これは! クロ・グーイ様! 了解しました!」
都合よく、クロ爺さんが声を掛けてきます。
「すまなかった、門兵への言付けが遅れた。お主ら、これより先は危険だと思われるが、頼んだぞ?」
「まぁ、適当にやりますよ。それじゃ行こうか~」
俺はまるで、ピクニックに行くような雰囲気で女性陣にいいます。
そして、ダンジョン入口に入って行きます。
これより先は一方通行だぜ、ヒャッハー!
ダンジョンに入ってみたけど、思ったより明るいなぁ。
光ゴケの影響なのか、ダンジョン内はうっすらと明るい光で照らされています。
なんていうかね? ダンジョンに何があるのか、分からない感覚、冒険心くすぐるね!
ワクワクしてくるね!
「アキラ様、これより先は、私達7人が誘導させていただきます。極力、私達と離れない様にして下さい」
「現ニ、このダンジョンの内部ハ、探知魔法で検索済みでス。どこになんの宝箱があっテ、何のモンスターが居るのカ、どの様なトラップがあるのかハ、把握してまス」
「「私達が居る限り、アキラ様に指一本触れさせませんからね~?」」
「それじゃー、皆ー、道案内行くよー?」
「「「「「「はーい!」」」」」」
女神達がダンジョンの説明をします。
俺のワクワクを返して下さい!
「とりあえず、フルちゃんのレベルあげたいから、敵が現れたらフルちゃんに、魔力強化してあげて、倒させて?」
「分かりましタ」
「……」
俺達の会話を聞いたエルフのフルちゃんは、言葉を失っています。
お! 早速、第一ダンジョンモンスター発見!
さっきの地上に居たような、高レベルのモンスターだね?
めっちゃ筋肉ムキムキのゴブリンLv250です。
フルちゃん頼みます!
フルちゃんの強化された魔法で、モンスターは粉砕されてます。
あまりの威力に、驚いた表情のフルちゃん。
そんな事お構いなしに、次々とモンスターが目の前に現れます。
ガンシューティングゲーみたいな感じで、次々にフルちゃんが風魔法をモンスターにぶっ放して倒していきます。
倒したモンスターをマジちゃんが、回収していきます。
誘導されるがままに、歩いてると階段が見えます。
さて下りますか?
その前に、魔力ぶっ放し続けてたフルちゃんを心配します。
「あんなに魔法ぶっ放して、フルちゃんの魔力残量って大丈夫なの?」
「問題ないでス。魔力残量減った先かラ、私の魔力譲渡デ、魔力は随時補充してありまス。私達ハ、アキラ様が近くに居れバ、魔力は使いたい放題なのデ」
「体力等も、回復魔法で常時スタミナ等も回復しておりますので、今日中なら休憩無しでも行けます~」
マジちゃんとひーちゃんが説明してくれます。
うん、チートだね。
んじゃ、サクサクいこうか!
俺達は、階段を下り歩いていきます。
階層を下がって行くにつれて、レベルの高いモンスターが現れますが、そんなのお構いなしにどんどん倒していきます。
俺の歩みは止まることが無く、2時間くらい歩き、階段を下りるを繰り返していると、10階層で扉が現れます。
ちなみに10階層でのモンスターのレベルは350近くまで跳ね上がりますが、やっぱりフルちゃんの強化された魔法で、一撃で倒されてます。
10階層の扉を開けると、中には金色をした骸骨兵が20体ほどいます。
面倒だからさくっと行こうか?
フルちゃんの強化された風魔法一撃で、金色の骸骨兵の群れは、バラバラになり倒します。
俺は歩みを止めず進みます。
(ありえない! 私が作ったダンジョンの中でも高い魔法防御力を誇る、黄金骸骨兵(Lv450)が魔法一撃で倒されるなどありえない! しかも20体だぞ! こんなバカな事が起こっていいのか!?)
一方その頃では、空中に映るモニターを眺めて、驚愕の表情を浮かべているものがいた。
不落のダンジョンを作ったと思って安心してたら、矢先に攻略される等、全く想定していなかった分、落ち込みは激しい。
(これはまずい、全力で防衛しなくては……)
空中に浮かび上がる、モニターを食い入るように見つめている者は、考えていました。
……一体誰なんだ。




