66 迷宮都市 ダンジョン攻略会議
何度目だ別室!
エルフのフルちゃんと、俺達一行は迷宮都市のギルドに呼ばれました。
部屋に案内されると、部屋の中にはカジノ経営者のクロ爺さんも、同行しています。
その他にもクロ爺さんの部下と思われる、黒服2名が座っています。
今回のダンジョン活性化により、高レベルモンスターを倒したという情報を聞きつけて、一度情報を収集したいとギルドに集めたようです。
「これから、冒険者達が集めた情報をまとめます。ダンジョンから這出てきた高レベルモンスターを、そちらのエルフ様……大賢者フル様が、入口で殲滅したという話でよろしいでしょうか?」
痩せ気味のおっさんが、こちらに話しかけきます。
どちら様? みたいな表情をフルちゃんが、こちらに話しかけている痩せ気味のおっさんに向けます。
「失礼しました、紹介が遅れました。私は迷宮都市のギルドマスターをしている、レンと申します」
レンと名乗る男が、俺達に自己紹介してきます。
中年のおっさんは、痩せて見える為、そんなに強そうには見えません。
情報管理を主体にして、活動してそうな感じがします。
中間管理職の課長みたいな感じが、しっくりきます。
「いやはや、昔はこちらに居るクロ・グーイさんが、迷宮都市のギルドマスターをしておられました。隠居してカジノの運営と、ダンジョン業を専門にしたいという事なので、私は今の地位に、就かせてもらってます」
「私の昔話はいいから、先に進めてくれ!」
クロ爺さんがレンに注意します。
「はい……それでは本題に入ります。前日に起きたダンジョン活性化により、迷宮内の通路やモンスター配置等が、変わっている事が確認されています。1階層や入口ではクロ様が、ダンジョンを看破した時に確認された、下層部にしかいなかったモンスターが、徘徊していることが確認されています。今回ダンジョン入口から出て来たモンスターの一部は、ダンジョンコアの扉を守っていた、鋼色の骸骨兵が、多数確認されています。以前このダンジョンは全30階層で構成されていまして、ダンジョン活性化がある度に、そちらに居るクロさんが何度も、ダンジョンを看破されております」
ギルド長レンが説明してくれます。
へー、やっぱりクロ爺さんすごい人だったんだね?
ダンジョンコア活性化する毎に、看破してたらカジノの景品も一杯溜まるわけだわ。
楽しそうなダンジョン家業してそうじゃん!
「今回は討伐メンバーを選び、一度ダンジョン攻略に、努めて貰おうと思いまして、こちらに集めました。大賢者フル様の、冒険者カードは古い物ですが、Sランク冒険者と確認されています。そちらに居る7名の女性方は、冒険者ランクCですが、全員レベル500と明記されていました。偽造の可能性を疑い、登録支部に確認をした所、間違いない事も確認されています」
へー、ギルド長めっちゃ仕事早いじゃん?
結構有能なのね?
「現在の状況から判断するのは危険ですが、全階層は30階とは限りません。予想とされるダンジョンコアを守る、扉の番人レベルは推定900です。これは現代の魔王や勇者のレベルが600だとすると、はるかに高い数値になっております。私の経験則からしても、今回のダンジョン攻略は大変危険です。看破率20%と言った所でしょうか……?」
ギルド長レンが計算高く伝えます。
この人ちょっと、有能過ぎない?
レンは俺を見ます。
「こちらの男性は……Lv1だと確認しておりますが……? 何故、ここに居られるのでしょうか? 攻略会議は攻略に参加するものが、聞くはずなのですが……どこで手違いがあったのでしょう?」
ギルド長レンが、俺に向けて疑問をぶつけます。
まぁ普通そうだよね?
レベル1が高レベルモンスターが居るダンジョンに向かうとか、お荷物以外の何物でもないしね?
お荷物って言うより、死にに行くだけだしね。
ダンジョンって、全自動自殺製造機かな?
「お呼びでないなら、俺帰るね?」
俺はレンに言って立ち上がります。
それを見た女神達7人と、フルちゃんが立ち上がります。
俺が扉に向かっていくと、女性達も付いてきます。
「ちょ、ちょっと! 貴女達は残ってもいいんですよ!?」
慌てて、ギルド長レンは彼女達を引き留めようとします。
「アキラ様は私達の主人です。アキラ様を置いて行くなどありえません」
「アキラ様は貴方達と違って、忙しいご身分なのです。私もアキラ様方々は、修行の旅をしておる最中であり、この都市は通りすがっただけにすぎません。アキラ様の言動は私たちの言動と捉えて頂いて構いません」
ヴァルちゃんとフルちゃんは言い放ちます。
それを聞いた、ギルド長レンは頭を抱えました。
「分かりました。……失礼しました、アキラ殿。……しかし、無駄死にさせても、こちらは一切の責任は取りません。それでもよろしければ作戦会議に、参加して頂けませんでしょうか? それでダンジョン攻略の方を、そちらの貴女方と、一緒に宜しくお願いします……」
考えを改め、ギルド長レンは、俺に参加する様お願いします。
「やだよ! 俺死にたくないし!」
俺は即答します。
「そこを何とかお願いします! アキラ殿が居なければ、ダンジョン攻略は不可能といっていいでしょう! 攻略不可と分かれば、この迷宮都市は落とされてしてしまいます!」
レンは俺にお願いしてきます。
まぁ、街が落とされたらせっかく貯めたコイン無くなるしなぁ。
落とされる前に、全部換金して逃げるのも有りだけどね?
どうしようかね?
その思考を読んだのか、クロ爺さんがこちらに向きます。
「ダンジョン攻略を手伝って下されば、そちらに、今あるカジノの景品すべてと、換金率を1:1にしたコイン換金権利を付与できますがどうされます?」
クロ爺が俺に提案します。
それを聞いた黒服2名は、顔面蒼白です。
そうだねぇ。
悪い話じゃないんだけど、命あってのお金だからね。
女神達居ればさ? 死ぬこととか想像できないけどさ?
まぁいいか。
「分かりました、受けましょう」
そう言って俺は、椅子に座りなおします。
俺が座ると女神達も、椅子に座りなおします。
椅子に座りなおしたのを見て、ギルド長レンは、ほっと一息つき安心します。
「それでは攻略方法を説明します。クロ様方と大賢者フル様で、前線を切り開いていただき、そちらの女性陣7名でアキラ殿を守りつつ、残りは殲滅するような陣形でよろしいでしょうか?」
「やだよ!? 面倒くさい! その日に会って連携陣とか取れるほど俺、冒険稼業やってないよ! それだったら俺と女性陣8人でダンジョン突入して、クロ爺さんと黒服2名は、入口から出てくるモンスターを殲滅して貰ってた方が、楽だよ!? 俺はやりたいようにやるから!」
それを聞いたギルド長レンは、また頭を抱えています。
「……分かりました。その案件でいきましょう……ただし、攻略した階層はギルドにきっちり報告していただきます様、お願いします。後、攻略できるか分かりませんが、活性化した原因が分かるまで、ダンジョンコアは壊さないようにお願いします。迷宮都市の命運を、左右する存在なので」
ギルド長レンは説明しました。
報告とか面倒くさいなぁ。
まぁ、その条件飲んでくれるならいいかな?
「それでは今すぐに出発してくれ! とは言いません。一度準備を行ってから、向かって下さい」
「お主らに、これを渡しておこう。緊急脱出用の、アイテムだ。本当に危険になった時は、これを使って逃げてくれ」
レンの説明があった後、クロ爺は使い捨ての転移魔法を、俺達に渡してきます。
これって、カジノの景品にあったやつだよね?
確か金貨500枚分相当かな?
「このアイテムを使えば、一時的に転移陣が発生し、ダンジョン入口に転移できるようになる。ダンジョン入口から離れすぎると、使用できなくなるから気を付けろ」
ありがたく頂きます。
フルちゃんに、持たせておこうかな?
転移は、すーちゃんができるからね?
別に転移できるとか、言う必要はないかな?
貰えるものは貰っておかないとね。
儲けたぜ!
「健闘を祈る」
ギルド長レンが俺達に言った後、部屋を出る事にしました。
とりあえず露店で必要そうなものを見ながら、俺達はダンジョン入口に向かいます。
マツカ:出番がないよー!




