5 女神の名前付け
キスするのって辛い事なんだね。
女神達の魔力補充が終わりました。
「アキラ様……私達、女神達にアキラ様から呼ばれる『名前』を下さい。そうすれば、私達は不足な事態が起こっても対処できます」
日が暮れかけた頃、戦女神が俺に伝えます。
そうは言うがな少佐。
んー……どうしたもんかね? 俺さ、名前なんて付けた事ないしなぁ。
名前ねぇ~? ん~? 自分が適当に分かればいいっしょ?
日も暮れた状態で、むやみに動いたりしたら危ないしなぁ。
女神達の魔力は少しだけど、あるから大丈夫だとおもうけど……?
今日はここで野宿だとして、名前ねー?
うー。
んー、悩むと茶番が目に浮かぶので、直感で名前を付けることにします。
こ、これだッ!
圧倒的閃き!!
戦女神のヴァルキリーだから、『ヴァル』ちゃん!
魔法のマジックだから、『マジ』ちゃん!
防御だから、『ディフェ』ちゃん!
魔法防御だから、『マジディフェ』ちゃん!
素早さだから、『すー』ちゃん!
運だから、『ラッキー』ちゃん!
回復だから、『ひー』ちゃん!
ハイ終わり! これでいいかな? いいのかな?
かなり投げやりだけど名前付けが終了しました。
与えられた名前を、女神達は声に出して繰り返します。
そうすると、何故か女神達は光り始めます。
うをっ! まぶしっ!
女神達は、数分間光り輝いています。
女神達から放たれた光は空に向かって光柱になります。
そして徐々に光が弱まり、光柱は、女神達に吸収されるように消えていきます。
終わったかな?
すごい光だったな……。
どこかの大佐みたいに、目が~って悪ふざけしそうになったけど止めました。
今日は、さすがに疲れたから寝ましょう。
色々な事があったと、今日の出来事をフラッシュバックさせます。
思い出したく無い出来事が実に多いです。
そういう時は、とっとと寝る太郎です。はい。
何も考えないように、俺は目をつぶりました。
ある村の集落にて、日が暮れた後の夜に突然、東の夜空に光の柱が立ったと伝わります。
その光を、集落から見た村人達の証言によると、その光柱の中に、神様が写っていたらしく、村人全員で膝を折り祈りを捧げていました。
何も無い東の草原から、光の柱が確認されたと、国王の耳に届きます。
「それは、まさか言い伝えにある……」
何かを知っていそうな国王が呟きました。
国王の思わせぶりが凄そうです。
ほぅ……あれが……。