55 奴隷都市 虫
腹減りました。
俺と女神7人とエルフと妖精は、奴隷都市の外にある農場にきてます。
一面見渡す限り野菜畑が広がっています。
ここに毒持った、毒虫がいるのね?
ここがあの虫のハウスね?
俺が畑をみると、野菜に小っちゃい芋虫がみえます。
うーん、これは普通の芋虫かな?
たまに、青っぽい色のちっちゃい芋虫が見えます。
こっちの青いほうが、普通の毒持った芋虫かな?
どうなんですか?
「この辺りには、普通の芋虫しかいませんね? あら~? ちょっと、魔力とは違う反応がありますね? これは……マナでしょうか? あちらの方角ですね~」
ひーちゃんが指をさす方には、畑が抜けた先にうっすらと森が見えます。
(マツカ。マナとか感じる?)
(はい。あちらの森から、少しマナの感覚が感じられます)
妖精マツカが、俺の頭の中に直接話しかけます。
んじゃーよく分からんから、あの森に行こうか。
「すーちゃん、あの森付近まで転移してもらえる?」
「了解ですー」
俺はすーちゃんに頼んで、俺達を畑が抜けた所の森に移動します。
俺達は森の中に入ってみます。
ここら辺にいそうかな?
マナがあるって言ってたけど、ここってさ? 前いた森に似た感じがするなぁ?
俺はそんな事を思っていました。
俺達の前に虹色に輝く綺麗な蝶が、鱗粉を出して飛んでいます。
飛翔チャンスかな?
近くに寄ると、エルフのフルちゃんがぶっ倒れました。
「ひーちゃん、回復して?」
「はい。分かりました~」
直ぐにひーちゃんがフルちゃんへ、回復魔法を施します。
俺は、この蝶が原因だと悟ります。
フルちゃんが倒れた拍子で、持っていた瓶の蓋が開いてしまいます。
瓶の中から、妖精のマツカが飛んで出てきます。
(ちょっと、あの蝶とお話してみますね?)
マツカが俺に告げると、飛んで虹蝶に寄って話しかけてます。
妖精って虫と会話できるのかな?
うむー?
(わかりました。この蝶は何故自分がここにいるのか、分からないと言っています。人に近づこうとしても相手が倒れてしまう為、困ってるみたいです。この蝶は魔力とマナの、両方を兼ね備えています。鱗粉には毒があり、人間の雌に反応して発症するみたいです)
マツカが説明してくれます。
そうなのかー。
用は蝶を、何とかすればいいのかな?
殺すとか後味悪そうだな。
一寸の虫にも五分の魂っていうくらいだしねぇ。
確保しても後々面倒臭そうだよね?
俺は思考を巡らせました。
「この蝶を、普通の状態に戻せない? 後、蝶が出す鱗粉から特効薬って作れる?」
俺は女神達に頼みます。
そうしたらマジちゃんは、蝶の魔力をドレインしてます。
マジディフェちゃんは、蝶を囲むように魔力結界を張ってます。
ひーちゃんは、蝶が入った魔力結界の中に回復魔法を掛けてます。
虹色の蝶は、白い蝶になっていました。
「特効薬ですネ? 大丈夫でス。それなら出来まス」
ひーちゃんはマジちゃんと相談してます。
ひーちゃんがマジちゃんの手を握っています。
よし、いいぞ! もっとやれ!
ひーちゃんの回復イメージをマジちゃんを通して、小さな球が生成されます。
正露丸かな?
「できました~。鱗粉の毒から、検出されるパターンを解析して解毒できる薬を作りました~」
ひーちゃんが説明します。
んじゃ、適当な量作ってさっきの奴隷少女の所に戻ろうか?
マツカは白くなった蝶にお別れをした後、瓶の中に入りました。
「すーちゃん、さっき治った女性の所に行ける?」
「了解ですー」
俺はすーちゃんに頼んで、奴隷少女達が居たテントに戻ります。
元気になった、奴隷少女の母親に向かいます。
「この街で同じような症状になってる人に、この薬を飲ませるようにしてみて?」
俺は奴隷少女の母親に薬を渡します。
「ありがとうございます! 勇者様! 早速薬を渡しに走り回ります!」
俺に礼を言って、奴隷少女の母親は薬を受け取ると、陸上選手並みの脚力で、街中に消えて行きました。
本当に病み上がりかな?
元気有り余ってますね?
取り残された奴隷の少女は、余りの出来事に呆然としてます。
「流石です、勇者様!」
エルフのフルちゃんが、俺を褒めたたえます。
そういうリアクションなんか飽きました。
もっと違う、反応してほしいです。
露店で売れる物無いし、どうしたものかね?
何かするたびに問題抱えそうな気がします。
宿に行って引きこもろうか。
宿に帰る途中先ほど焼肉を与えた子供達に、俺達は群がられます。
「勇者様! ごはんくれてありがとう!」
「勇者様! 今まで、どんな旅をしてきたの? 聞かせて!」
「勇者様! どうしたら勇者様になれるの?」
子供達が俺達にお礼や、質問をしてきます。
中には奴隷の子供も含まれています。
色んな子供が群がるけど、俺レベル1だから!
そんなに、もみくちゃにされたら俺死んじゃう!
エロ同人誌みたいに、もみくちゃにされる感じ嫌いじゃないけどさ!?
俺達が歩いてる横の少し大きめの建物から、爆発音に紛れて叫び声が聞こえます。
「この街を仕切る、ドンの勢力が落ちた! 今がチャンスだ! 第二勢力であるビリ-様が、この街を支配するんだよ! グハハッハ! 手始めに、孤児院からだ!」
この街の第二勢力である、ビリーが声明しています。
そこら中から、子供の悲鳴や泣き声が聞こえます。
あれー? これ。
奴隷商人ドンちゃんの勢力落ちたから、第二勢力が成り上がるって感じなの?
ドンちゃん、偉かったんだね?
無駄に勢力、削っちゃったかな?
俺達は、爆発音のする方に歩いて行きます。
虫の仕業です。




