54 奴隷都市 屋台を出そう 2
なんだ!? このボッチョは!? アチィイイイイイ!?
俺はドラゴン肉を食べようとしてします。
食べようとした時どこからか声が聞こえます。
「ご、ごめんなさいー!!」
俺は、謝る声の方向を見てみます。
声の先には、昨日金貨1枚を渡した奴隷少女がいます。
大人の男性から奴隷紋章を使用され、折檻を受けています。
「どうしてお前は金貨を持ってたんだ! どこかから盗んだんだろう!?」
奴隷紋章を使用し、折檻をしている大人が、少女を疑っています。
んー? あれって金貨渡さずに、普通に銅貨渡した方がよかった系かな?
俺、なんか余分な事やった感じがするなぁ?
やっちまったものは仕方ない。
俺は食べようとしたドラゴン肉を置いて、折檻を受けている奴隷の少女の元に向かいます。
「すみません。ちょっと小耳にはさんだのですが、そちらの少女の持っていた金貨は俺が、昨日その少女からお花を買った金貨です。勘違いでしたら、すみません」
「あぁ!? これは、俺とこいつの問題なんだよ!? こいつが売上金の一部を俺に持ってくるんじゃなくて、自分の母親に持ってたんだよ! 集計の計算が合わねぇから、こいつに問い詰めたらゲロりやがった!」
俺は、奴隷少女と主人の会話内容を確認します。
どうやら俺の勘違いでした。
一度失った信用は、信用を取り戻すまでに大変な時間と労力が必要になります。
奴隷少女の金貨はどこかから盗んだものだと、疑いは簡単に晴れなかったようです。
金貨を渡しても渡さなくても、少女は売上金をくすねて母親に持っていったのね。
ちょっと切ないね。
「ごめんなさい! 私の母さんが、死にそうだったの! 母さんの病気を治すために、お医者様に見せる必要があったの! 私の家族はお金がなかったの……だから私が進んで、奴隷になって……お金を作って、母さんをお医者様に見せたの! でも原因不明の病気で……治らなかったの! それでも……食べないと、治らないとおもって! 栄養のあるものを買って、母さんに持って行ったの!」
奴隷少女は嘆きます。
異世界の医者何やってんの!?
医者エックスでも黒J先生でも、何でもいいから連れてきてよ!
金がないなら治せない?
そうですか。
原因不明の病が、蔓延してそうなきがするなぁ。
ひーちゃんの魔法で治ると思うけど、こういう場合どうすればいいかね?
特効薬とかあればいいんだけどなぁ?
とりあえず、奴隷少女の問題を解決します。
「すみません。少女の母親の、病気が知りたいです。少しの時間、奴隷少女を借りてもいいですか?」
俺は奴隷商人の主人に、金貨10枚を渡します。
「いいに決まってるだろ!? なんなら、こいつを貰ってくれてもいいぞ? こいつを買った値段と、同じくらいだからな! 俺は一度失敗した奴隷は、切り捨てるんだ!」
奴隷少女の主人は、俺に奴隷少女をよこしてきます。
「すみません……奴隷になってから日が……浅いので……昨日、金貨を頂いたのに……ごめんなさい」
「別にいいよ。とりあえず、母親の所に連れてってくれない?」
「はい!」
俺は奴隷少女に、母親の所に連れて行くように頼みます。
マジちゃんに、露店セットを片付けてもらいます。
奴隷少女は母親の所に、俺達を案内します。
奴隷少女に連れられた先に、雨風凌げそうなテントの中で女性の人が寝込んでいます。
原因不明の病って、感染症とかパンデミングとか疑っちゃうけどさ?
どうなんだろうね?
「この人を治しちゃて。後、どんな症状か分かる?」
俺はひーちゃんに頼みます。
「はい、治療しました。これは毒虫による毒ですね。通常の毒ではなく、変異種の毒と思われます。通常の解毒方法では、治りません。私には関係ありませんけどね? 後、栄養が偏っているので少し栄養のあるものを、食べさせた方がいいかもしれません~」
ひーちゃんが俺に説明してくれます。
治療された母親の顔色が、見る見る良くなっていきます。
そっか。パンデミングとか空気感染じゃなくてよかったよ。
栄養ねぇ? ドラゴン肉しか余ってないけどさ。
大丈夫かね?
「マジちゃん。さっきのドラゴン肉出して、食べさせてあげて?」
「了解でス」
俺はマジちゃんに頼んで、ドラゴン肉を奴隷少女の母親に食べさせます。
口の中にドラゴン肉を運ぶと、ドラゴン肉は溶けるように口の中で消えました。
すると、奴隷少女の母親が光り始めます。
顔色の血色が、増々よくなっていきます。
顔色の良くなった奴隷少女の母親が、目を見開いて震えています。
これやばくね?
母親めっちゃ筋肉ムキムキになってね?
服とか筋肉で、はちきれそうになってます。
先程、死にかけてた女性にはとても見えません。
「ひーちゃん、どういうことですか!?」
「はい。ドラゴン肉を食べると、レベルが上がります。一種のレベルアップアイテムです。ドラゴン肉のレベルによって、レベルアップの上限が変わります。現在、この女性はLv150です~」
ひーちゃん先生が説明してくれました。
マジかよ。
俺ドラゴン肉食べてたら、レベル上がってたんじゃん。
街人の女性が、ドラゴン肉一口食べたら、レベル150まで上がるとかどんだけー。
……ドラゴン肉は封印だな。
「流石、勇者様です!」
フルちゃんが俺を褒めます。
原因不明の病が多いと思ったら、毒虫が悪さしてたのね?
変異種って言う位だから、珍しい虫なの?
教えて! ひーちゃん先生!
「先生どうなってるの?」
「はい。毒虫ですけど、突然変異した個体と思われます。どうされますか? 討伐しに行きますか?」
ひーちゃんが俺に説明してくれます。
そうだねぇ。ついでだから討伐にでもいきますか。
っていうかどこに毒虫いるの?
「……勇者様! 助けて下さって、ありがとうございます! お礼は何もできませんが毒虫なら、心当たりがあります。この街から西に行った所に、農場があります。私はそこで、日雇いの収穫作業をしていました。思い返せばそこにいた人達も、私と同じような毒の症状になっていた気がします」
筋肉ムキムキになった、奴隷少女の母親が答えます。
へー農場ね?
早速行ってみようか?
「すーちゃん、近くの農場まで転移できる?」
「了解ですー」
俺はすーちゃんに頼んで、俺達は近場の農場に転移しました。
7人の女神達とエルフ少女と妖精を連れて。
肉が食べたいです。




