37 ある日、森の中、〇さんに出会った。 その3
飯食ってきます。
俺と女神達は街の宿屋にいます。
宿屋のモーニングコールで俺は、1人分の朝食を済ませます。
女神達は俺による、魔力補充でご機嫌の様です。
「いってらっしゃいやせ……」
俺は、宿屋の女将に挨拶されて外に出かけます。
今日もいい天気だな。
雲一つない青空が広がります。
今日は昨日取りそこなった食材を探しに、女神達を連れて近くの森に行くことにしました。
街から少し離れた『森』に来た所で、食材なんて狩りつくされてるだろなぁ?
森の中を歩いてみます。
近くに薬草や果物がなっているので、取りながら進んで行きます。
歩いた先に、小さい水辺がある空間が現れます。
「……キーーーーン」
遠くから飛行機が鳴らす音が聞こえます。
口をあんぐり開けながら、ジェット音を目で探してみます。
その音は上空から聞こえて来て、黒い点のような物体が見えます。
黒い点は段々近くなっていき、目の前の水辺に目掛けて落下してきます。
「なんぞこれ!?」
俺はビビリながら叫びます。
「キューーーーン……ドオオオオオオオオン!!」
水しぶきと土埃が、目の前に広がります。
目の前に何かが墜落します。
未確認飛行物体のUFOかな?
水蒸気が晴れて見てみるとドラゴンが不時着してます。
空からドラゴンが降って来た?
親方!
空からドラゴンが降って来たよ!
俺はドラゴンに近寄ってみます。
ドラゴンを観察してみると大きさは5m位で、鱗は赤黒い光沢でキラキラ光っています。
ドラゴンの身体はビクンビクンしています。
所々怪我しているのか、弱っている感じがします。
ドラゴンの肉って美味しいのかな?
「お腹減った……」
そう思っていると赤黒いドラゴンの方から、女の子の声が聞こえます。
異世界のドラゴンってしゃべるの?
はぎ取りますか?
はぎ取りませんか?
そんな選択が出ますが、言葉を喋る知性を持ったのを食べるとかって、捕鯨団体とかに訴えられそうな気がしたので、食べる選択肢を止めて助けることにします。
「ひーちゃん。とりあえずこのドラゴン回復して」
俺はひーちゃんに回復を頼みます。
ひーちゃんの回復魔法でドラゴンは、見る見る内に回復していきます。
回復した赤黒いドラゴンが、意識を戻したのか話しかけてきます。
「お主が、我を助けてくれたのか……?」
ドラゴンが喋り掛けてきます。
「回復してくれて感謝する……我の名は、ナル……助けて貰って悪いが……すまぬがお腹が減って……生きる力がわかぬ……何か食べ物を……頂けぬか……?」
ドラゴンが食料を求めてきました。
このドラゴンお腹減ってるのね?
空腹で辛いのは同情するよ?
ぼ、僕はおむすびが好きなんだな。
「このドラゴン腹減ってるみたいだから、マジちゃん昨日の余り出して」
「了解でス!」
俺は昨日少し余らせた、焼肉を出すように、マジちゃんに頼みます。
回復したドラゴンに焼肉を持っていきます。
鼻をスンスンさせながら、ドラゴンは焼肉を軽く舐めた後、恐る恐る食べようとします。
「!?」
ドラゴンは味わう様に一口食べた後、目を見開き残りの焼肉をガツガツ食べていきます。
「おかわりだ! この料理のおかわりは無いのか!? もっと食べたい!!」
ドラゴンはおかわりを要求します。
「すみません。残りはそれだけです」
俺はドラゴンに告げます。
まるで死の宣告を受けたように固まり、ドラゴンは落ち込みます。
代わりにさっき取った、果物を分けてあげます。
結構食ったなぁ。
今日取った果物が大体無くなります。
お腹が一杯になって落ち着いたのか、ドラゴンがこちらに向きます。
「取り乱してすまぬ……改めてお礼を申す。ありがとう。我の名は……ナル……竜族の……娘だ」
竜族のナルは、グルルルと喉を鳴らし、可愛らしい声で俺達にいいます。
「俺の名前は大和アキラで、こっちの女性7人は俺の嫁達です」
竜族のナルさんに説明します。
「助けてくれて感謝する。我は、訳あって探し物をしていた。昼夜飛び続け、空腹の余り意識がもうろうとし、水場が見えた所で意識がなくなり、落下して今に至る」
竜族のナルは説明します。
探し物はなんでしょか?
見つけにくいものでしょか?
グフッフー。
「それよりも気になるのは、先程の料理は一体何なのだ!? どのようにしたらあのような美味な、肉の味になるというのだ!?」
「え? 仕込んで焼いただけだけど?」
「どのようにして仕込んで焼いたのだ!?」
「えーと」
俺は竜族のナルさんから質問攻めにされます。
なんだろ?
面倒くさくなってきます。
「とりあえず面倒なので、一度見てもらった方が早いかもしれません。俺達、食材を探しにこの森に来たので、食材が無いと料理できません。調理器具とかないんで、街に行ってからじゃないと調理できません。後、ナルさんは、ドラゴンだから街に入れませんよね?」
俺は、竜族のナルさんに聞いて見ます。
「ふむ。分かった! この森で食材をとってから、街に向かって調理してもらおうか! 姿はそうじゃなぁ……こんな……感じか……?」
竜族のナルさんが俺に言うと「ポンッ!」っという音と共に、竜族のナルさんの周りに煙が発生します。
煙が晴れていくと、美しい女性が現れます。
「これでよかろう?」
人間の女性になった、竜族のナルさんが立っています。
人間の姿になったナルさんは、赤黒い年齢16歳位で、痩せていてとてもスリムです。
赤黒く長い髪の毛は、綺麗に整っていて、まるでお姫様を想像させるような雰囲気です。
すごいなー。
竜族って変身できるんだね。
勉強になるな。
異世界の常識!
非常識!
この森、呪われてるんじゃね?




