205 弱チェリー物語 1
※弱チェリー視点です。
何か大切な事を忘れている気がする。
俺の名前は『弱チェリー』。
何故か身体は女のまま、黒バニーガール姿。
今は、目の前のスロットに打ち込む毎日。
始めは魔王城の郊外にあるカジノ。施設内にあるスロットコーナー。
2年の間、色々あった。
ある日を境に、世界へと解放された魔王城。魔王からの和平。
急激に発展していく魔王城郊外。その敷地内にあるカジノ。
街が発展してくと同時にカジノも繁盛しすぎで中毒者多数、借金債務者多数。
その中で問題視されてるのが借金債務者。
借金債務者はもれなく魔王城地下ダンジョン行。
ある意味、冒険稼業より恐ろしい場所。
24時間営業だったカジノ。
俺は、毎日魔王城郊外にあるカジノに入り浸りだった。
3日3晩寝ずに打ち続けて倒れたのが原因で、営業時間の見直しが行われた。
入り浸りできない様に、時間制限が設けられた。
畜生ッ!
そんな中、俺はスロットを打ち続ける。
理由はこれ。
何故か俺だけが使える魔王城カジノ交換リスト。
・お好きな願い 1,000,000,000枚
・奴隷解放権利 10,000,000枚
・お好きな魔法譲渡 1,000,000枚
・一日外出権利 100,000枚
・好きな飯 10,000枚
コイン100万枚貯めるまでの道のりは長かった。
ちまちまスロットでコイン稼いでも無理じゃね? と、思ったのが間違いだった。
カジノのルーレットで倍プッシュしてボッシュート。
地下ダンジョンにて1ヵ月タダ働き!
ダンジョンコアのダンジョンポイント稼ぐ為だけの、ダンジョン軟禁借金返済生活!
なんでダンジョン内に軟禁なのか説明を聞くと、ダンジョン内で生活するとダンジョン内で死んだ者や、吸収された物によってダンジョンの糧なり、1割をそのままダンジョンコアの魔力にできる。
後、ダンジョンに生命体が入ると対象の魔力を、1時間に0.1%の魔力を吸収する事ができる。
なので高レベル冒険者達を招きいれると、効率がいい事を聞いた。
要はダンジョンポイント稼ぎか。
ダンジョン生活が始まった。
軟禁中暇だったので、自分で出したスロットをひたすら回した。
ちなみに働いてない無い部下も交代で軟禁生活。
改めて俺にはスロットしかないと反省した。
借金返却が終わり、解放された時、俺に電流走る。
「ダンジョンマスターになって、ダンジョンに街作ってスロットさせれば儲かるんじゃね?」
この考えが画期的だった。
ダンジョンコアを、魔王城地下ダンジョンの管理者に工面してもらったり。
ある意味魔王城の裏ボス、ルフさんとかに頼んで工面してもらったり。
なんとか形になって、運営まで持っていける事ができた。
魔王城地下ダンジョン10階に街ができた。
地上⇒10階行は無料、10階⇒地上への帰りは有料の転移魔法陣を設置してもらった。
モニターには客が必死になって、スロットを打つ姿が捉えられてる。
中には冒険者、裕福な貴族、様々な人種がスロットに打ち込んでいる。
獣人の里で培い、過去の反省点を改善した管理職が活かされた。
「今の『遅れ』俺じゃなきゃ見逃してるね」
「今の『無音』俺じゃなきゃ見逃してるね」
「今の『演出矛盾』俺じゃなきゃ見逃してるね」
ダンジョンのVIPルームにて今、沢山のモニターを眺めている。
それと同時に俺も、スロットを打ち続けている。
ダンジョンマスターになって、ダンジョンポイントが溜まる。
それに金も回収する事ができる。
客は勝てた時の喜び。負けた時の悔しさ。ギャンブルを楽しんでいる。
金が無くなった冒険者は、ダンジョンに潜って攻略して稼ぐという。
俺、客、ダンジョン共に、WIN-WIN-WINと良いサイクルが生まれた。
始めに叶えた願いは「好きな飯」だった。
勿論、時間や手間を取らない『キロリーメイト』を頼んだ。
1t程。
1回の食事で1か月分を食溜めした。
量に制限が無いなら、食い貯めするのは当たり前だよな?
それ以降、三度の飯よりスロット! おさしみ食べたくても我慢!
その分スロットに集中できた。
そして『お好きな魔法譲渡』を願う時がきた。
「俺とスロットが! 今よりもっと強くなる魔法を!」
そう強く願った時、コインは消失して何かが俺の中に入り込んできた。
スロットで勝つために足りないもの。
それは圧倒的な『運』!
これで、ストレス貯めて台パンする日からもさよならだ!
スロットダンジョンを経営し、軌道に乗ってから貯コインに余裕も生まれてきた。
別のスロット店に行ってみたくて『一日外出権利』使ったりしたっけ。
ある日、よく分からんスロット勝負吹っ掛けられたり。
又ある時は、妖怪1ゲーム遅いや、妖怪1ゲーム早い等、変な妖怪が現れたっけ。
自分自身スロットを打つことによって、強くなる自覚が芽生えるのが分かった。
スロットを打ってる中、成長してる自分が居て自信を持った。
楽しかった。
打ち続けてるうちに変化もあった。
眷属『リリチェ(赤)』『リリス(緑)』『リリベ(黄)』の部下が加わった。
頼れる部下です。
販促でスロットやりながら戦うアイドルみたいだけど?
俺の出番無さそうだしどうでもいいです。
大体な事は部下に任せっきりで、スロットに集中できます。
スロットを打ち込むにつれて、スキルやレベルが上がり召喚する台も増えました。
レベルは777⇒888⇒999⇒1111⇒2222と
何故かゾロ目だった。
その度に自分の姿も変わって行った。
ある時はピエロに。
ある時はトマト農家に。
ある時は花火職人に。
ある時は魔法少女に。
スロットだけに生を費やし、スロットのみに生涯を捧げる事を決めた狂人。
スロットが打てる喜びに感謝を込め。
1日に『感謝』を込めたレバー打ち込み1万回。
そして。
時は経ち数十年。
いつしか1万回転させても日が沈まなくなった。
リールは音を置き去りにした。
「台が壊れた」
スロットを打ち込んでる時間より、祈る時間が増えました。(ロングフリーズ)
俺、異世界で生きてます。
先輩。
強い(確信)