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197 帝国 帝国軍と商店と鍛冶王

 戻ります。

 俺達は帝国にある城のリビングにいます。

 勇者ササキは横たわり、リリさんに介抱されています。

 悪い事したかな? うーん、どうだろう。


「さーて。どうしようかな? 落ち着いたらまた来ます」


「アキラ様、またのお越しお待ちしております」


「偽勇者様、新聞の件は任せて下さい」


 リョウとルリザベートさんが答えます。


「ちょっと待って下さい! 私達も連れてってください!」

「俺達レアスキル保持者だから、使えるぞ!」

「ケーキ! ケーキ!」

「さっき、好きにして下さいって言いましたよね!?」


 囚われてた人達が文句を言ってきます。

 口約束なんてするもんじゃないです。


「分かりましたから、落ち着て下さい。どうすればいいのかな? ケーキだったら別に、商店で出してるし、ここじゃない何処かだったらさ? 魔王城外に街作ったから、住まわせればいいのかな? どうなんだろ?」


「「「「「「アキラ様に任せます!」」」」」」


 女神達は声を揃えて答えます。

 うん。なんでもいいです。

 このリビングに固定転移魔法陣設置させて、魔王城外の街中と繋げようかな?

 てか、余り変な人転移させると面倒くさいから、選別させたほうがいいかなぁ?

 どうやって選別しよう? 適当でいいか。


「それじゃ、ルリザベートさん。ここに転移魔法陣設置させますんで、俺に害を及ばせない人とか、選別してもらっていいです?」


「分かりました」


 俺はルリザベートさんに頼みます。

 てか転移者って、若い人ばっかりなのね。

 俺30歳童貞なのにね。

 あーでも、25歳の男性とかいたよなぁ。この人どうなんだろ?

 弱チェリーも3つ下だから27歳か。

 25超えたらあんまり歳とか、気にしなくなってくるからなぁ。

 何となく、25歳の男性に向きます。


「えーと? 六島むしまさんでしたっけ? 日本酒とか飲みます?」


「え! 日本酒も出せるんですか!? 俺、日本酒大好きなんですよ!」


「すごい食いつきですね……」


「社会人になって飲酒運転で捕まり、刑務所の監獄で死んで以来、異世界で美味い酒なんて飲んだ事ないです!」


「あのー。今、昔話されると、話進まないんで……いいですか?」


「あ、はい! 楽しみにしてます!」


 六島さんの話を聞きました。

 話が全く進まなくなるので、話を中断します。

 気になったからって、話すんじゃなかった。

 マジちゃんが近くに寄ります。


「アキラ様、アホですネ?」


「マジちゃん。ストレートに言われると俺傷つくよ?」


「口が滑りましタ」


 マジちゃんは、俺の思考を読んで話しかけます。

 最近マジちゃん、毒舌になってる気がします。

 そんな所も大好きなんですけどネ?


「マジちゃんなんか言った?」

「いエ? 空耳かト」

「……そう」


 何だろう? 気のせいです。

 それじゃ、転移魔法陣でも設置しようか。


「それじゃ、魔王城の外に固定転移魔法陣、設置させちゃって?」


「「「「はーい!」」」」


 俺は女神達に頼むと、目の前に魔王城の小部屋にも見られた、魔法陣が現れます。

 これ、どこに繋がってるんだろ?

 俺は魔法陣の中に入って見ます。



 あれ? ここって何処だろ?

 魔法陣から出た先は、トイレの個室です。

 外に出て見ると、魔王城外の街中にあった公衆トイレです。

 トイレの個室に、転移魔法陣繋げるとか駄目でしょ?

 やらないか? いいえ、結構です。

 公衆トイレの中から、ぞろぞろと人達が付いてきます。


「ちょっと! 普通の場所に、転移先繋げれなかったの!?」


「近くにトイレあったほうがいいかト」


「近すぎだから!」


 マジちゃんが答えてくれます。

 もー、好きにして下さい。

 目の前にメイド長ルフちゃんが歩いています。


「ルフちゃん。ただいま」


「お帰りなさいませ! 御主人様~。お早いお帰りですね?」


「なんか魔王城に帝国軍3000人が向かってるって、聞いたけど大丈夫?」


「何の問題ないぞい? 既に解決済みじゃぞ」


「え? どこに帝国軍いるの?」


「魔王城の郊外におる」


「え、どうやって制圧させたの?」


「ワシが10人とヤマダさんが向かって、対応に当たったかの? 大丈夫じゃ、一人も殺めておらぬ」


「11人で3000の兵と戦って勝つとか、すごいね!」


「大したことなかったかの? 現在は貴重な労働者として、奴隷登録済みですじゃ」


「奴隷?」


「ただ倒すだけじゃつまらんからの。折角だから、労働者として雇用しようかと思っての? 街の外に農園を作ろうと思って、現在、対応させてる最中かの?」


「……」


「縛る能力位は、マナ魔法使えばできるしの? 奴隷紋章と似たようなものかの?」


「……そう」


 コピールフちゃんはサイドチェストを決めています。

 どうやら取り越し苦労の様でした。


「それで、ルフちゃん。こっちにいる人達、帝国に居たくない人達だから。適当に、街で住まわせるように任せちゃっていい?」


「ほぅ……転移者で、レアスキル保持者か……全部ワシに任せ下され」


 ルフちゃんは、バックダブルバイセプスを決めながら答えます。

 さーて、次は商店と鍛冶王の確認かな?

 こんな様子だったら問題なさそうな気がするけど、どうなんだろ?

 まぁいいや。


「こっちにいるのが、ルフちゃんです。転移者の方達はルフちゃんの指示にしたがって、住民登録とか、お願いします」


「分かりました魔王アキラ様」

「はい、お手数を掛けますが、よろしくお願いします」

「ルフさん、よろしくお願いします」


 転移者の6人はそれぞれ答えます。


「それじゃ、商店どうなったか見ようかな?」


 俺は呟き、俺達は魔王城に向かいます。

 リビング倉庫に着くと、獣人女性従業員達は荷物を持ち、慌ただしく動き回ってます。

 『ドワーフの国』と書かれた扉を通り、転移魔法陣に乗ります。


 商店内、裏の倉庫から覗いてみると、店の中は大繁盛です。

 ドワーフが溢れかえっています。

 獣人女性達は、対応に追われてる様子です。

 繁盛し過ぎなので、ここからは出れなさそうです。


 仕方ないので、プレンちゃんの屋敷に繋がる転移魔法陣に乗ります。


 プレンちゃん何処だろ? 鍛冶王の会場かな?

 俺達はプレンちゃんの屋敷から、鍛冶王が行われていると思われる広場に向かいます。

 すーちゃんが案内してくれるので、歩いて行きます。


 お祭り会場の様な露店が並んでいます。

 ドワーフ達が賑やかに展示されている武器を見ています。

 ショーケースの中には、ロングソード等展示されています。


「アキラじゃないか! やっぱり私の事が心配になったんだな!」


 黒髪おかっぱ幼女のプレンちゃんは、俺に声を掛けて近づきます。

 紫色の着物をしているので、目立ちます。

 俺達もゾロゾロ女性達を連れているので、目立つような気がします。


「あら、プレンちゃん。鍛冶王って決まったの?」


「現在採点中だ。前回二位だったドワーフの鍛冶屋も、高評価を叩き出してる。だが、こっちには秘策があるから問題ないだろ」


「秘策ってなんなの?」


「アキラ、見れば分かる」


 プレンちゃんは、惜しむ様に俺に伝えます。

 なんだろ?

 そんな中、鍛冶王の大会を運営してると思われる人の声が会場に響きます。


「皆様お待たせしました! 今年の鍛冶王はいったい、誰が手にできるのでしょうか!?」


「発表します!」


「三位はゴル選手! 見事なまでに鍛えられたオリハルコンの剣です! 流石ギルドマスターと言った所でしょうか!」


「二位はダル選手! オリハルコンの短剣です! 短剣には、魔法無効化エリアでも魔力を込めれば使用できるという、非常に難しい精錬を可能にしています!」


「そして優勝は……前回同様、ウメ選手! 今回見られた剣は、これまで見た事もない、形をしています! 剣の常識を覆す作りになってます! 素材オリハルコンを使用していないのにも関わらず、優勝とは大会始まって以来です! いったいこの剣はどのように作られたのでしょうか!? 鍛冶王ウメさん! どうなんでしょうか!?」


「はい。これは私の先祖代々伝われる、伝統的な精錬法をして作成された剣です。今回の鍛冶王で、初めてこの剣を提示させたのは、いい素材があれば、いい剣が造れると言う訳ではないと、明確にする為です。先日、オリハルコン買占め等の、濡れ衣をかけられました。オリハルコンが無くても鍛冶王になれると言う事を知らしめる必要があると思い、今回、オリハルコンの素材を使用せず、鍛冶王に望みました。これを機に、素材だけが鍛冶の全てではないと言う事を、鍛冶王に参加する全ての人に伝えたいです。お聞きいただき、ありがとうございます」


 ウメさんが壇上にて訴えています。

 演説が終わると、会場から歓声が上がります。


 俺はウメさんが造ったとされる、剣を見ます。

 ショーケースの中には『日本刀』と思われる剣が見えます。

 プレンちゃんが言ってた『秘策』って、刀だったのね?

 刀出すとか、目立つんじゃね?

 どうなんだろ?


「パンッ!」


 そんな事を思ってたら、どこからか発砲音がします。

 壇上に上がっていたウメさんは、膝から崩れ落ちます。

 あれ? やばくね? 俺はそんな事を思いました。


 寄り道します。

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