196 帝国 もういいや
もうだめぽ。
書類の手続き超面倒くさい! 源泉徴収とか被扶養者とかわけわかめ。
もう何も考えずに生きたいです。猫になりたいです。
どうした俺、再就職って大変だな。
何でここまでして生きないといけないの? もう楽に死なせてください。
また奴隷にならないといけないとか、死にたくなります。
毎日にストレス感じずにふにゃけながら生きたいなぁ。
もう十分遊んだでしょ? 1年と8ヵ月無職で楽しくスロプロで遊んだでしょ?
金が無くちゃ生きていけないんです。
リアルウシジマくんみたいな30越えニート生活とかありえないよ。
いくら退職金があったからって生きて行けない事位分かってよ。
始めから思考の渦に飲みこまれてます。
こんな精神状態じゃろくな話すら思いつきません。
プロットなんて始めからあってない様なレベルの箇条書きだからなぁ。
面白い話を書くんならもう少し練った話すればいいのん。
裸の王様みたいな全裸マンになってパンツ無双しようか。
パンツ穿くから人間だよね?
俺、人間なのかも分からないから全裸で街を走り抜けようぜ。
やだよ。面倒くさい。
何も考えられません、まったく頭が回りません。
俺達は帝国城にある、魔法陣ダンジョン最深部にいます。
周りを見ます。
女神達は白い布に 白い翼姿をして、ちゃぶ台の前に座りながら食後のお茶を飲んでいます。
うん。目立つよね。
俺は女神達に向きます。
「あー、とりあえずいつもの街の服装に着替えれる? ちょっと、地上に戻るにしても女神達の恰好、目立ちすぎるからさ?」
「「「「「「はーい」」」」」」
女神達は答えると、街人の女性服姿になります。
変身シーンとか、魔法少女みたいにキラキラしません。
味気ないです。
「それじゃ地上もどろうか。折角だから、転移魔法陣使って行ってみようか」
「それでは、私が案内します。こちらに転移魔法陣があります」
ルリザベートさんが案内してくれる様です。
それじゃいこうか。
俺達は案内されるままに歩きます。
拘束されてた人達も付いてくるみたいです。
少し歩くと開けた空間にでます。
多くの小さい魔法陣が設置されてる部屋の様です。
魔法陣の数は、30個位あります。
これどこに繋がってるんだろ?
「この固定転移魔法陣が、地上に戻れる魔法陣――」
ルリザベートさんが案内すると、目の前で光っていた魔法陣が消えます。
「どうやら、城内の転移魔法陣が破壊されました。困りましたね」
ルリザベートさんが答えると、周りにあった設置魔法陣も数個消えてます。
地上での反乱が激しいのかな?
あれ、魅了解除しないほうがよかったやつなの?
よくわかりません。
「面倒だなぁ。すーちゃんここにいる全員、地上に転移お願いします」
「分かりましたー!」
俺はすーちゃんに、転移する様に頼みます。
俺達は転移します。
どうやら、さっきまでいた城のリビングに転移します。
城の中では、たくさんの爆発音がけたたましく鳴り響きます。
面倒臭いなぁ。
帰ってゴロゴロしたくなります。
「面倒くさいです。城内で暴れまわってる人達の精神、落ち着かせちゃって? んで、壊れた城直しちゃって。後、怪我してる人治せます?」
「「「「「「分かりましたアキラ様!」」」」」」
俺は女神達に頼みます。
直ぐに、城内で鳴っていた爆発音は止みます。
リビングの壁が修復していきます。
ここまでする必要無いと思うけど、異世界でまったり過ごすのに支障出そうだからなぁ。
「「「「「アキラ様、終わりましたー」」」」」
女神達が答えます。
どうやら終わったようです。
何をしたのかよく分かりません。
「これが魔王の力なのか……」
「凄まじい能力です……」
「チートです」
「魔王アキラ様、流石です!」
転移者の6人が口々に呟きます。
魔王じゃないんだけどなぁ。
「どういうことだ! 偽勇者アキラは魔王だったのか!? と言う事はヴァルさんは魔王の手下だったのか!?」
勇者ササキが慌てた様子で、リビングに入ってきます。
続いてリリフォードさんも後ろに付いてきます。
パンツ一丁のリョウが走ってきます。
リョウ:「アキラ様の手を煩わせるなど、面目ありません!」
サキ:「アキラ様の配下に着きますので、またケーキを食べさせて下さい!」
トオル:「お、俺も頼みます! 配下に加えて下さい!」
キリエ:「わ、私もお願いします!」
リカ:「ルリザベート姫が黒幕だと分かり、この城に居たくありません!」
オウカ:「わ、私からもお願いします!」
アキラ:「……好きにして下さい」
ササキ:「アキラが魔王と言う事は、俺の敵でいいんだな?」
アキラ:「リリさん本当にこの勇者に付いて行くの?」
リリ:「がんばります……」
ルリザ:「とりあえず、落ち着いて下さい。勇者ササキ」
ササキ:「うるさい! 俺はヴァルさんと一緒に旅をするんだ!」
ヴァル:「私はアキラ様と共にあります。お前と一緒に行くことはできない」
アキラ:「はー。そういうことなんで、すみません」
ササキ:「は? お前の様な輩にヴァルさんは勿体ない!」
リョウ:「ただ今、イスニアル帝国は魔王アキラ様の手に落ちました」
ヴァル:「ラッキーちゃん、離れてはいけません」
ルリザ:「きいた通りです。勇者ササキ。私の上司はアキラ様になります」
ササキ:「マジか! と言う事はヴァルさんと一緒にいれるのか!?」
アキラ:「すんません。一言も俺、上司になるって言ってないけど?」
ササキ:「……」
上司の上司ってなんだろ?
部長かな?
アキラ:「うん? リョウさん。ダンジョンコアって大丈夫だったの?」
リョウ:「なんとか持ち直しました! 魔王アキラ様のおかげです!」
アキラ:「それじゃ、適当に街散策するんで後は頼みます」
ルリザ:「観光でしたら、私がご案内いたします」
アキラ:「別にいいよ、それより新聞の修正お願いします」
ルリザ:「分かりました」
ササキ:「ヴァルさん! 俺の師範になって剣技を教えて下さい!」
ヴァル:「アキラ様に聞いて下さい」
ササキ:「俺にヴァルさんを下さい!」
アキラ:「いや、俺ヴァルちゃんの父親でもなんでもないし?」
ヴァル:「アキラ様に頼むなど言語道断です」
ササキ:「どうすりゃいいんだ!」
アキラ:「てか、何度も説明するけど俺、魔王じゃないから!」
ササキ:「魔王の魔の手から、ヴァルさんを取り戻せなくてはいけないのか!」
アキラ:「世紀末の主題歌が流れるんですけどなんです?」
ササキ:「俺は愛の戦士となろう! いざ尋常に勝負だアキラ!」
アキラ:「ヴァルちゃんお願い」
ササキ:「ヴァルさんを盾にするだと! 卑怯者め!」
ヴァル:「アキラ様を卑怯者呼ばわりするとは、許せません」
ササキ:「ヴァルさん! これも貴女の為です! 行きます! ゴフッ……」
勇者ササキはその場に倒れます。
動きが早すぎて、何したのか分かりません。
すかさず、リリフォードさんが手当てします。
アキラ:「ヴァルちゃん、勇者殺してないよね?」
ヴァル:「大丈夫です。気絶してるだけです」
俺はヴァルちゃんに確認します。
んー、読みやすいけど、長くかけないな。
何言ってるの俺?
そうだね、プロテインだね。
てかこの国、新聞の指名手配出回ってるから、訂正直るまで出歩かない方がいいかな?
先に戻って鍛冶王でも見に行こうかな? どうなんだろ?
帝国軍数3000人が魔王城に向かってるとか、大丈夫かな?
鍛冶王大丈夫かな?
支店問題無く営業できてるかなぁ?
不安と面倒事で、ろくに観光ができません。
戻ろうかな?
俺は思います。
ホントどうしよ。