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192 帝国 スキルドレイン

 スキルドレインです。

 俺とミルちゃんとフルちゃんは、現在帝国地下にあるダンジョン最下層にいます。

 黒髪の黒い学生服を着た少年に、女神達を奪われました。

 人が入っている、カプセルは不気味に光り輝いています。


 ここで死ぬのか。まぁそれもいいかなぁ。

 死ぬ時なんていつも適当だよ。死ぬのも適当だよ。

 生きる目的なんて始めからないのかもしれないし、あったのかもしれない。

 俺が異世界で生きてこられたのは、女神達がいたからであって自分の力でもなんでもないんだよね。


 さて、観念して死のうか。

 女神達に殺されるなら本望だ。

 俺は観念して目を瞑ります。


「ギャアァァ!」


 少年は叫びながら倒れます。

 倒れた後、光の粒子となって消えます。

 ちょっと! 俺、何もしてないんだけど? なんで消えるの?

 これから女神達を使って、俺を殺して異世界生活を終わらせてくれるんじゃないの?

 女神達が俺に駆け寄ります。


「「「「「「数秒とは言え……アキラ様の元から離れてしまうなんて……女神失格です」」」」」」


 女神達は土下座し始めます。

 ヴァルちゃんは正座して、ハラキリの準備をし始めます。

 マジちゃんは頼んでもいないのに、自殺セットを出してます。

 すーちゃんは恥ずかしさのあまり、次元の裂け目に隠れてしまいます。

 ディフェちゃんとマジディフェちゃんは、服を脱ぎ始めます。


「ちょっと! 俺頼んでないから! 別にいいから! 脱がなくていいから!」


「「「「「「それでは、私達の気がすみません!」」」」」」


 ひーちゃんは、消滅したはずの少年を蘇生し、生き返しを続けます。

 生き返った矢先に、マジちゃんは魔法をぶっ放しています。

 ディフェちゃんとマジディフェちゃんは、防壁結界を展開させています。

 ヴァルちゃんは弁慶の泣き所をひたすら叩いてます。

 ラッキーちゃんは、どこから出したか分からないピコピコハンマーで殴っています。


「……ごめんなさい! もう二度としませんから助けて下さい!」


 少年は叫び、助けを乞います。


「一兆回死んで、アキラ様に詫びて下さい」

「貴方の行った行為は、死すら生温いです~」

「輪廻転生できない様、魂の存在を削りますー」

「時空を加速させて肉体的苦痛を味合わせます~。終わったら次は精神的苦痛です~」

「アキラ様に害を成すという事ハ、どのような事なのカ、とことん教えてやりまス」


「……」


 目の前の少年の髪はみるみるうちに、真っ白になってます。

 フルちゃんとミルちゃんは、女神達のマジ切れする様子を見て、手を繋いで怯えています。

 うん、ちょっとやりすぎです。


「ところで、なんで奪われた女神達は、元に戻れたの?」


「スキルを奪う能力を持っていますが、アキラ様のスキルを使いこなせていなかったからです。私達はアキラ様の魔力で構成されています。アキラ様の特別な魔力は桁が違います。数秒でもスキルを奪えたこと自体、多量の魔力を保持していますが、その程度の魔力では私達は制御できないでしょう~」


「うん。よく分からないから、もう少し簡単に教えて」


「簡単に言えば、アキラ様のスキルは、アキラ様しか使えないと言う事です~」


 ひーちゃんが説明してくれます。

 ここで死ねると思ったのに、簡単に死ねないのね。

 少年はパンツ一丁になって正座しています。


「とりあえず、自己紹介と、カプセルに入っている人の説明と、俺のスキルを奪った経緯を教えて下さい」


「はいアキラ様! 俺の名前は『都丸とまるリョウ』といいます! 学生服を着てますが、実際は『450歳』です! 俺はスキル『スキルドレイン』を所持して転移されました! カプセルに入って居る人達は、スキルで奪った人です! スキルを奪った人が死ぬと、奪ったスキルが使えなくなります! その為、カプセルに入ってもらっています! 俺のスキルは7つまで奪ったスキルが使えます! スキルは『監獄プリズンハート』『コピー能力』『変身能力』『分身』『人形劇場マリオネットミュージアム』『魅了』『洗脳料理マインドクッキング』です!」


「うん、スキル7つ使えるのね? 続けて」


「はいアキラ様! 俺は『昔』、イスニアル帝国の勇者召喚に巻き込まれました。昔に勇者召喚されたので、この国の事情は分かります! 自分のスキルを利用して、異世界無双しようとしたんですけど、異世界無双するにしても、何かと金がかかります! 異世界無双する準備の為に、小国のイスニアル帝国を乗っ取りました! 戦争をすれば金が儲かると思い、隣国と戦争しました! 戦争に巻き込み、近辺の都市や国を奪い、現在の大国イスニアル帝国に育てました! 戦争は金になります!」


「うん? 戦争は金になるの?」


「はいアキラ様! イスニアル帝国は450年前は小国でした。小国がこれほどまで大きい帝国になるまでは長い年月が掛かりました! 現在は一番の難敵である、魔王軍を殲滅してから、金儲けをしようとしている最中です!」


「うーん。俺を襲う経緯がよくわかりません」


「すみませんアキラ様! 力を所持している者の情報を得る為に、人形等を偵察に向かわせ情報を得ました! 『偽勇者様』は『大和アキラ様』と分かりました! それと、強力なスキルを所持しているアキラ様を探す為に、帝国で行われている『勇者召喚』で召喚された転移者のレアスキル保持者に命令して、勇者ササキの記憶を読み取らせ新聞を作成しました! 様は、俺のスキルに加えようとする為に、アキラ様を襲わせました!」


「そうですか。後でちゃんと指名手配修正しといてね?」


「もちろんですとも!」


 白髪になった少年は愛しむような瞳をしながら、俺に説明します。

 戦争ねぇ? 戦争って武力だけが戦争じゃないよね?

 あれ?


「もしかして、聖堂にいたルル教皇って、リョウ君の手の物だったの?」


「はいアキラ様! よく分かりましたね? 俺のスキル『コピー能力』『変身能力』『魅了』『人形劇場マリオネットミュージアム』を使い、ルル教皇として操っていました!」


「え? ってことはドルフォース王国のラッセル・ルルフォードさんを知ってるの?」


「はいアキラ様! ドルフォース王国の内情は知っていたので、亡くなる予定だった、ルルフォードの姿をさせて、聖堂を攻略する予定でいました!」


「亡くなる予定だった? どういうこと?」


「はいアキラ様! 第二王女リリフォードが企てた計画と、言う事は分かっております。知ったうえで、あえて死んでもなお復活するという、神の奇跡と思わせる為、ルルフォードの姿を借りました!」


「うん。話変わるけどスキルの詳細教えて?」


「はいアキラ様! スキル『監獄プリズンハート』は、スキルで出したカプセルに入れられることによって精神身体を縛り、閉じ込める事のできるスキルです! この中にスキルを所持している者達がいます。順に説明します。


 スキル『コピー能力』はそのままで、相手の能力や思考をコピーできます! ただ、自分のレベル450を上回る能力をコピーする事ができません! 自分の思考として改良して使えます。


 スキル『変身能力』は姿を変える事が出来ます!


 スキル『分身』は分身することができます。しかし7体までです。制限があり、分身する事で力も分散されます。


 スキル『人形劇場マリオネットミュージアム』は透明な糸で相手を操ることのできるスキルです。多くの木人の人形を操る事ができます。


 スキル『魅了』は、見た相手を自分の配下にできるスキルです。以前アキラ様に試しましたが試す前に、消されました。これも上限はレベル450です。


 スキル『洗脳料理』は、料理を食べさせることにより、相手の思考を自分の都合のいいように解釈してくれる料理です。カル前教皇を自分のスキルに加えておこうとしましたが失敗に終わりました」


「一杯スキルあるのね。肝心の『スキルドレイン』が入ってないけどどういうスキルなの?」


「はいアキラ様! 先程も説明しましたけど、スキルを奪った人が死ぬと、奪ったスキルが使えなくなります。その為、カプセルに入ってもらっています。俺のスキルは7つまで奪ったスキルが使えます! 発動条件としては相手と触れた後、10分以内に半径10m以内に入ると可能になります!」


「あれ? 俺いつ触れたっけ?」


「はいアキラ様! 戦女神ヴァルさんの頭を撫でた時に、糸が残っていましたので! その時、触れた事になりました! その後に半径10m以内に入れば操作は可能でしたけど、アキラ様はとんでもない魔力量を所持していたので、自分には扱いこなせませんでした!」


「割と、えげつないスキルだね」


「アキラ様に比べたら、俺なんてゴミみたいなスキルです!」


「所でなんでダンジョンの中に監獄作ったの?」


「はいアキラ様! このダンジョンは階層150階を誇る、難解ダンジョンです! 別名、召喚魔法陣ダンジョンです! 現在の召喚魔法陣ダンジョンマスターは俺で、1階層目にある、勇者召喚魔法陣がダンジョンコアです! 攻略不可能に近いダンジョン最深部に設置すれば、奪われる心配はありません!」


「また、えらくぶっ飛ぶね?」


「あれ? もしかして宿屋の女将とかも何か知ってる?」


「はいアキラ様! 宿屋の女将はわかりません!」


「おかしいな。何か繋がりあると思ったのになぁ。後で、宿屋行ってみるか……」


 俺は白髪の学生リョウの話を聞きました。

 まだ、超姉御とか、魔王軍残党とか、伝説のギャンブラーとか、大聖者とか、大賢者とか、大妖精とか、大勇者とか、大魔王とか、まだ謎が残ってるんだけどどうするんさ?

 黒幕って別にいると思うんだけどどうなの?


 そんな事を思っていると、女神達が消えます。

 白髪の少年は不敵な笑みを浮かべ、俺に向きます。

 

「はいアキラ様! やっと正式に『7柱の女神』を手に入れました! わざわざ時間を割いて、話を聞いてくれてありがとうございます! 後はアキラ様を監獄に入れて完了です!」


 白髪のリョウは嬉しそうに答えます。

 なん……だと……。

 今までのは芝居だったのか……。


「アキラ……レベル450なのに……unknownみえる……おかしいと思った……」


 ミルちゃんは呟きます。 


「私がアキラ様を守ります!」


 フルちゃんは俺を守る様に前に立ちます。

 あれ? これやばくね?

 油断大敵ってこの事をいうの?

 俺はそんな事を思いました。


 まじどうしよ。

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