1 異世界へ
異世界に、到着しました。
目を開けます。
青い空が広がっています。
風が心地よい草の匂いを運んできます。
あー、ここどこだろー?
夢かなー?
夢ならもう一度寝ようかなー?
もう一度目を瞑っていると、何かの気配が感じます。
何か? 頭の上を覗き込むような、多くの気配を感じます。
狼とかだったら、俺死ぬなぁ……目を開けた瞬間、死ぬのは勘弁してほしい。
取り合ず死んだふりだな……これ。
俺は死んだふりを続けます。
しかし、俺に対する視線や気配は消えません。
仕方ない。
薄目で、ゆっくり目を開けて行こう。
小学校時代の通信簿は薄目でゆっくり開いて、ダメージを減らそうとするタイプです。
そう思って、ゆっくり目を見開いていくと……白い服が見えます。
白布の服を着た女の人達が、俺の顔を心配そうに覗き込んでいます。
なんの罰ゲームなんですか? と思っていると、不思議そうな顔で見ています。
「起きた! 起きた!」
ちっちゃい女の子がはしゃいでいます。
俺は女の人達を観察してみます。
白い布を着た、白い羽と、天使の輪っかがついた、女の人が7人います。
直ぐにテンときます。
これが『スキル7柱の女神』なのかな?
俺は思いました。
そうしたら、女の人達が微笑みを浮かべながら、こちらを見ています。
「「「「「「「おはようございます。アキラ様」」」」」」」
女の人達が、俺に挨拶をします。
俺に挨拶したのかな?
誰に挨拶したのか分からない為、もう一度辺りを見渡します。
俺と女神7人以外は、目立ちそうな物がありません。
見渡す限りの……草原が広がっていました。
女神達に囲まれた。
逃げますか?
はい
>いいえ