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191 帝国 死亡フラグ

 死亡フラグです。

 俺達は帝国にある城のリビングに居ます。

 目の前のヴァルちゃんは、お姫様のスキルによって操られた様です。


「ヴァルさん! 今助けます!」


 勇者の身体が淡く輝き、ヴァルちゃんに向かって行きます。

 リリさんが勇者の足を引っ張り、「ビタン!」っと、床に叩きつけます。


「何するんだ賢者!?」


「勇者様! 冷静になって、よくご覧になって下さい!」


 リリさんが勇者に、ヴァルちゃんの方を見る様にいいます。

 俺もヴァルちゃんの方向を見ます。

 ヴァルちゃんは俯きながら、肩を震わせています。


「……私の剣で切れなかった事は、褒めましょう。ただ、相手が悪かったです」


 ヴァルちゃんそう呟いて、見えない糸を片腕でまとめて掴んだ後、力まかせに引っ張り、姫さんを壁に叩きつけます。

 壁にクレーターが出来ます。

 壁に叩きつけられた姫さんは、木で出来た人形に変わり果てます。

 ヴァルちゃんは変な剣を出して、糸を切り、ゆっくりとこちらに歩み寄ります。


「アキラ様……油断しました。まさか切れないと思わず、ショックで俯いてしまいました。申し訳ありません」


 ヴァルちゃんは俺の前で跪きます。

 俺はデザートを置いて、ヴァルちゃんの頭を優しく撫でます。


「ヴァルちゃんはよくやってくれてるよ。俺、ヴァルちゃんがいなくなったら安心して旅できないよ。ありがとう」


 俺はヴァルちゃんに優しく伝えます。

 ヴァルちゃんは肩を震わせています。

 てか……なんで勇者の糸は切れて、この糸は切れなかったのかな?

 コンニャクかな?

 ってより、お姫様木人形になっちゃったんだけど、誰に新聞の修正依頼すればいいの?


「『アキラ』! ヴァルさんの頭を撫でるなんて! ずるいぞ!」


 勇者は俺に指を向けています。

 ずるいって……何言ってんだろ? まぁ、スキルって知らないからなぁ。


「思ったけど、勇者って何でここに来たの?」


「……それを今聞くか? 俺はお前達を追跡している最中に、一度帝国に帰還した。戻った際に、姫さんに操られてしまって……どうやら説明する時間は無さそうだな……」


 勇者は話を中断して、入口の方に視線を送ります。

 なんか、入口から声がします。

 真打登場ですか? テンプレですか? わかりません。


「ククク、まさか人形遣いまでやられるとはな」

「派遣勇者が、裏切るとは……これまた一興」

「偽勇者の分析は、まだ終わってません! 危険です!」


「ヴァルさんに指一本触れさせない!」


 勇者は入口にいる人物達の前に、立ちはだかります。

 学生服を着た少年が呟きます。


「……弾けろ」

「ボオオオオオン!」


 勇者が煙を上げながら吹っ飛びます。


「勇者様!」


 すかさず勇者をリリさんが空中で受け止めます。


「次はお前達だ。食らえっ! 爆発魔で名の通ったボクの力を見ろ!」

「ボボボッボボン!」

「フハハッハ! 偽勇者といっても所詮、同じ人間よ! ……何っ!」


 学生は言い放ちますが、俺達はディフェちゃんとマジディフェちゃんの魔法結界によって無傷です。

 話をしようともせずに攻撃するなんて、教育がなってないなぁ。


「ちょっと、死なない程度に懲らしめちゃって?」

 

 俺は女神達に頼むと、入口に居た学生達は床に伏せます。


「対象者に5倍の重力を付与させました~」


 マジディフェちゃんが答えてくれます。 


「お前達……ボク達にこんな事して……どうなっても知らないぞ!」

「どうなるの?」

「生きて……帝国から出れると思うなよ!」


 学生達は床にひれ伏せながら叫んでます。

 出れないと困るね。


「出れますヨ?」

「なんでしたら、今直ぐにでも転移魔法で逃げましょうかー?」


 マジちゃんとすーちゃんが答えます。

 逃げるって、解決になってない気がするよ。

 せめて問題解決させてから逃げようよ。


「アキラ様、この方達含め、城内に多くの人達が、洗脳や、魅了が掛けられています。治しましょうか~?」

「あぁ、そう? んじゃ治しちゃって」

「分かりました~。終わりました~」


 ひーちゃんは魅了や洗脳を掛かってる人を治します。


「ううう……」

「俺は……何をし……助けて……」

「……」


「この学生達、死にそうなんだけど助けてあげて?」

「わかりました~」


 俺はマジディフェちゃんに頼んで、学生達に掛かっていた重力を元に戻してもらいます。

 過剰防衛すると、どっちが加害者なのか分からなくなります。

 それより、この新聞の訂正できる人いなくなったんじゃない?

 俺は女神達に向きます。


「新聞の訂正、どうすればいいの?」

「本物の姫を救出して、訂正に充てさせればいいですー!」

「本物の姫が居るのね? どこにいるの?」

「地下にダンジョンがあり、最深部にて囚われていますー!」


 すーちゃんが答えてくれます。

 地下ダンジョンに本物の姫が囚われてるのね?

 それじゃ、地下ダンジョンにいって姫さん助けようか。

 その前に、そういえばこの料理って、大丈夫だったのかな?


「この料理って食べても大丈夫だったん?」

「「洗脳料理でしたが、あらかじめ防いでありますので、従来の味を楽しめますぅ~」」


 ディフェちゃんとマジディフェちゃんは顔を見合わせて答えてくれます。

 洗脳料理っていうのもあるのか。

 洗脳料理食べたって、俺は何ともなかったけど他の人はどうなんだろう?


「てか他の人は料理食べて大丈夫だったの?」

「……アキラ、私はあえて食べてない……」

「……」


 勇者やリリさん、ミルちゃんは目の前の料理に手を付けてませんでした。

 フルちゃんを見ると、目が虚ろになっています。


「フルちゃん大丈夫?」

「だ、大丈夫です。意識がもうろうとしますが……何とか意思を保ちました」


 フルちゃんは洗脳されそうになった所を、ギリギリ耐えたようです。

 うーん、そうなると人形使いのレベルは450前後位になるのかなぁ?

 どうなんだろ。


「それじゃー、地下ダンジョンに行って本物の姫さん助けようか」

「「「「「「「はーい!」」」」」」」


「ぐっ……俺も連れていけ! アキラ……!」

「勇者様! まだ動いては行けません! 回復魔法の最中です!」


 勇者はリリさんの回復魔法を受けています。

 無理して動かなくてもいいのに。


「それじゃ、すーちゃん姫さんがいるところまで転移頼みます」


「了解ですー」


 俺はすーちゃんに頼んで転移して貰います。



 俺達は転移します。

 着いた先は、台座の上にカプセルが淡く光って陳列されています。

 複数ある、カプセルの中を見ると……人が眠っているようにいます。

 先程見られた、ルリザベートさんも眠っています。

 このカプセルって何でできてるだろ?

 ガラス? どっちかって言ったらプラスチックみたいです。

 触ってみると暖かいです。

 うーん、白馬に乗った王子様にキスされると、目覚めるパターンなの?

 誰かがこちらに来て、声をかけてきます。


「貴方が大和アキラですね」

「誰ですか?」

「名乗る必要はありません。貴方のスキルを頂きます」


 黒髪で黒い学生服を着た少年は、短く言い残します。

 女神達は黒い学生服を着た、少年の方へ歩いて行きます。


「貴方のスキルは頂きました。へー、『7柱の女神』って言うんだ。召喚魔法の一種か」


 黒い学生服を着た少年は、微笑みながら喋ります。

 どうやら俺のスキル『7柱の女神』が奪われました。

 女神達は俺達に向きます。


「……アキラ、まさか女神達が奪われるとは思わなかった。危険だから一緒に逃げる……」


 ミルちゃんは、箒の様なものを出します。


「アキラ様は私が守ります!」


 フルちゃんは俺を守る様に前に出ます。

 あれ、これやばくね?

 死亡フラグ成立してるんじゃね?

 そんな事を思いました。


 どうしよ。

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