100 魔法都市 問題児
やっと登場です。
俺達は魔法都市の学園で臨時講師をしています。
学園食堂で昼ご飯を食べ終わり、俺達は教室に向かいます。
教室の前に着くと始まりのチャイムが鳴りました。
憂鬱そうなフルちゃんです。
フルちゃん頑張って!
なんかあったら対応するから。
俺とラッキーちゃんは午前中受け持った教室に入っていきます。
教室に入っていくと、何も言ってないのに冒険者や学生達が立ち上がります。
「ラッキー先生! よろしくお願いします!」
冒険者や学生達が挨拶をします。
午前中に初めて会った生徒とは思えない程の代わり映えです。
午前中と同じように、ラッキーちゃんは落書きを始めます。
ラッキーちゃんの落書きを冒険者や学生達は、必死にメモを取ったり頷ぎながら授業を聞いています。
なんかこの光景も飽きたなぁ?
昼飯を食べた後なので、少し眠くなりました。
ラッキーちゃんは鼻歌交じりで落書きをします。
教室は静かなもので、俺は椅子の上でうたた寝を始めてしました。
授業終了のチャイムが鳴ります。
チャイムの音で俺は目を覚まします。
やべっ! 寝ちゃった。
慌てて周りを見てみるとラッキーちゃんに冒険者や学生が群がります。
「まさか神を降臨して、仲間を助けるとは想像もしませんでした!?」
「創造神の力を使えば! すべての事が解決するのですか!?」
「奇跡を起こす方法が! これほど簡単な事だったとは! 考えもしませんでした!?」
冒険者や学生がラッキーちゃんに群がります。
戦術の講義じゃなかったの!?
……いったい、何の落書きをを見て、神とか、創造神とか、奇跡という領域に到達するのだろうか?
俺はそう思って黒板を見ます。
うん、ぐちゃぐちゃの絵です。
あえて分かるとしたら、天使の姿をしてる可愛い女の子の絵でした。
ラッキーちゃんは質問攻めにあっていました。
授業開始の合図のチャイムが鳴ります。
直ぐに冒険者や学生は席に着きます。
黒板一杯の落書きを俺は消そうとします。
「「「それを消すだなんて!! とんでもない!!」」」
冒険者や学生は黒板を消さないように叫びます。
そんなん知らんよ。
ラッキーちゃん落書きできないじゃん。
俺は黒板を綺麗にしました。
冒険者や学生は「あぁ……」と嘆きます。中には涙を流すものをいます。
厳つい冒険者や武闘派の学生達は絶望を、味わったような表情をしてます。
だから怖いよ!
引き続きラッキー先生の落書きが続きます。
冒険者や学生達は、一秒一秒を見逃さない位に、目を凝らしています。
ラッキーちゃんの落書きを、見逃さないように目で追っかけて行きます。
午前中と比較したら、とんでもない集中を感じます。
なんか眠たくなってきたので、俺は寝ます。
授業終了のチャイムが鳴ります。
俺はチャイムの音で目を覚まします。
やべ……また寝ちゃった! 大丈夫かな?
俺はラッキーちゃんを見ます。
ラッキーちゃんは落書きを続けていました。
チャイムが鳴ったのに冒険者や学生は、ラッキーちゃんに群がっていませんでした。
冒険者や学生を見ると、全員涙を流して、白目をしながら気絶しています。
黒板を見ます。
しかし落書きはぐちゃぐちゃでよく分かりません。
これは不味いと思いました。
とりあず冒険者や学生が気づかないうちに黒板を消します。
「ひーちゃん! 起こせる!?」
俺は居ないはずのひーちゃんにお願いします。
どこかでひーちゃんの声がしたと思ったら、冒険者や学生は目を覚ましました。
冒険者や学生達は遠い目をしてました。
「神を見た……」
「俺も神を見た……」
「神の力を垣間見た……」
冒険者や学生は、訳の分からない事をいってます。
大丈夫かなこれ?
戦術の講習じゃなかったっけ?
今日最後の授業開始のチャイムが鳴ります。
ラッキーちゃんは鼻歌を混じらせながら、新しく落書きを始めます。
しばらくして俺はトイレにいきたくなります。
トイレに行くタイミングミスったな。
先生! トイレに行ってきてもいいですか!
俺先生だったわ。副臨時講師だけどね。
集中している生徒に気を付けながら、急いでトイレに行くことにしました。
確かそんなにトイレ離れてないよね?
半径50m以内にトイレはありました。
急いで駆け込んでおしっこを済ませます。
……ふぅ、すっきりした。
「……見ちゃった」
隣には少女がいます。
おゎっ! なんでここに少女が居るんだ!?
よく見ると学生服を着た14歳位の少女でした。
薄紫色の髪をしています。
「駄目だよ!? ここは男子トイレだから! 女の子は入って来ちゃダメだよ!?」
「知ってる」
「じゃぁ、何で入って来たの!?」
「私は貴方に興味がある」
「なんで!?」
「貴方からは何も見えない。普通なら名前や、スキルや、知られたく無い過去すら見える」
「そうなの?」
「私のスキルはそういうもの……それで……貴方の名前は何て言うの……?」
「俺は今日から配属された、副臨時職員の『大和アキラ』だけど?」
「そう、私の名前は『ミル』すべてを見る者」
「へー、ミルちゃんって言うのね? っていうか講義は?」
「臨時講師のフルってエルフの子なら、教壇で気絶してます」
「え!?」
「大丈夫、死んではいない。逆に自害しようとしたから、止めました」
「もしかしてミルちゃんって問題児?」
「よく言われます」
俺はミルちゃんと名乗る少女と話しました。
うん、このキャラやばい気がするな。
俺の思考を読んでいるか分かりませんが、少女に先手を打たれます。
「先に言っておきます。私は『転移者』です」
「なん……だと……」
「私知ってます。昨日、今日、貴方方が食べていた物は、私の住んでいた、元の世界で食べられたものです」
「たまたまじゃない?」
「ありえません。この異世界にチョコレートを作れる機構はまだありません。先ほどのビーフストロガノフも料理として発掘されていません。あるとしたら転移者が、自分達で楽しむ程度だと思います」
「そうか……話して聞きたいことは山ほどあるけどさ? その前にフルちゃんを助けたいけど、話は後からでもいい?」
「任せます」
俺はミルちゃんの話を中断して、フルちゃんが教える教室に行きます。
教壇の上でフルちゃんが倒れています。
教室を見ますが誰もいません。
「あれ……? 机一つしかないけどなんで?」
「私は特別学級の生徒だからです」
ミルちゃんが答えてくれます。
先生トイレ行ってもいいですか?
駄目です。
脳裏にとあるシーンが浮かびます。
それはいいとして、フルちゃんを起こそうか?
下手に触ると良くないって聞いたので、ひーちゃんにお願いする事にしました。
「ひーちゃん? フルちゃん回復できる?」
俺はひーちゃんにお願いします。
どこかでひーちゃんの声が聞こえたと思ったら、フルちゃんは目を覚まします。
「筋肉はイヤァアアアアアアアア!!」
フルちゃんは叫びながら目を覚まします。
「フルちゃん錯乱してるのね!? マジちゃんお願い!」
俺はマジちゃんにお願いしました。
どこかでマジちゃんの声が聞こえると思ったら、フルちゃんは錯乱状態から回復しました。
「フルちゃん何があったの?」
「いえ……私、この子から沢山の質問を受けて、答えられなくなって……訳が分からなくなって……自分の魔法で、自分を傷つけようとしてました……」
「ミルちゃん? 何を言ったの?」
「なんで今も黒ハイレグビキニ着てるの? とか? なんで310年も生きてるのに、数日前までLv399しかなかったの? とか? アキラ様が居なかったら、筋肉天国の毎日なの? とか?」
俺はフルちゃんから事情を聞いて、ミルちゃんに聞きました。
あートラウマほじくり返されたのね。
そりゃ死にたくもなるわ。
それより筋肉天国ってなんでしょうね?
「あんまりフルちゃんいじめないで?」
「分かった」
「それでこれからどうするの?」
「私は貴方に興味があるから、貴方と一緒に付いて行きたい」
「ミルちゃん? フルちゃんの過去を知ってる事は、俺の正体ってバレてる?」
「『スキル7柱の女神』を所持してる所まで」
「そっか、このまま放置してても、いいことは無さそうだな。一緒に付いてくるとしても家族は心配しないの?」
「転移者だから家族はいません。元々居た世界では、両親は既に死んでいます」
俺はミルちゃんと話しました。
さてどうしたもんかな?
放置して喋られると生活し辛くなるからなぁ。
俺もっと異世界生活満喫したいのになぁ。
どうしたもんかね?
その時、授業終了のチャイムが鳴りました。
ホントどうしようかね?




