99 魔法都市 臨時講師 学食
そのまんまです。
今日俺達は魔法都市の学園で臨時講師をしています。
午前中の授業が終わったので今は昼休みです。
俺と、ラッキーちゃんと、姿の消えているマツカは、教室から出ます。
教室から出ると、女神達が待っていました。
「そういえば? 受け持った授業は大丈夫だったの?」
「はい、何も問題はありませんでした」
俺は女神達に聞いたら、問題無いと答えてくれました。
他の女神達も問題なさそうでした。
爆発音が聞こえたけど大したことなかったかな?
そういえばフルちゃんの姿が見えないな?
あたりを見渡して見ると、フラフラになったフルちゃんがこちらに歩いてきます。
何かあったのかな?
「フルちゃん大丈夫?」
「はい、大丈夫です……主張の強い生徒が……いましたので……疲れました」
俺はフルちゃんに聞くと、フルちゃんは疲れた顔色で答えました。
これはなにかあるな?
問題児でも受け持ったのかな?
何とかしてあげたいけど俺ラッキーちゃん見てるしなぁ。
俺がフルちゃんの副臨時講師に着くか迷ったけどさ?
女神居ないと俺役に立たないからなぁ?
「取り合ず臨時講師の休憩所いこうか?」
俺は女神達とフルちゃんに伝えます。
俺達は歩いて行くと直ぐに臨時講師の休憩所に着きます。
5部屋先かよ!
臨時講師の休憩室は5部屋先にあります。
休憩室の隣には、職員室があります。
休憩室に入ろうとすると、職員室から女性講師が出来てきて、こちらに気づきます。
どうやら臨時講師であるフルちゃんを心配しているようでした。
「お疲れ様です。今日から臨時講師を受けた方々ですね? そちらの方は顔色悪そうですが大丈夫でしょうか?」
「だ、大丈夫です……ちょっと口が悪い子の様で……」
「問題児のいる講師に当たったのですね……頑張って下さい。私達、講師の同僚は、問題児を受け持ったのが最後……二度と学園を訪れることはありませんでした……」
「そんなに問題児なら、来ないようにすればいいじゃないですか?」
「そうは言いますがその子は、学園始まって以来の天才児ですので……学園としても出来るだけ、その子を学園から卒業させたいのですよ……」
「学園の方針なら、俺達は何も言う必要はありませんね」
「心が折れないよう頑張って下さい。これから『学園食堂』へ行くので、それでは」
女性職員は俺達に話をして、この場を去ります。
気にしてもしゃーない、飯にしよう。
あれ? 何か引っかかるなぁ。
「あれ? 学園ってさ? 学食ってあるの?」
女性職員の会話の中であった、学園食堂と言うワードに俺は違和感を覚えます。
そりゃこんだけ大きい建物だったら学食の一つや二つありそうだよね?
「学園食堂あるなら案内できる?」
「案内しますー」
すーちゃんが答えてくれたので、俺達は学園食堂に向かう事にしました。
案内されて学園敷地内の建造物に入っていきます。
学園食堂は300名位が食事できそうな空間が広がっています。
食事机の中には植物などの観賞用植物で区切られています。
ボッチ用の小さい机や、大人数が座れそうな大きな机もあります。
天井は濁ったガラス張りになっていて、とても明るいです。
学食の売店では、学生で溢れかえっています。
学食ではたくさんの大きな器の中の料理を、一つのお皿に取って会計するバイキング形式でした。
売店で買うのは無理そうだな?
学食で食べるにしてもさ?
席が人で埋まっていて、大人数が食べれそうなスペースなさそうだな?
困ったな。
そんな事を考えていると声が聞こえる。
「アキラ殿ではないか! こちらに食事スペースが開いてるから、一緒にどうでしょうか!」
声のする方を見ると昨日お茶をした、警備兵隊長のヒルさんとヨルさんが居ました。
その周りにはたくさんの女生徒が群がっています。
「あぁ君達すまない、ちょっとあの方たちと一緒に食事を取りたいのでな? 席を外してくれないか?」
ヒルさんの周りにいる取り巻きに、席を外すように言います。
それを聞いた取り巻きである、女生徒達の一人が俺達に文句を言ってきます。
「貴方達!? 私達からヒル様や、ヨル様を奪って! 幸福の一時を潰そうなんて! 許せませんわ!」
金髪のドリルツインテールのお嬢様を感じさせるような生徒が言います。
なんだろ? テンプレかな?
「いいですか? あの方々は、今日から学園の臨時講師を務める、方々であります。卒業生としても、学園に頑張ってもらう為、臨時職員は大事にしたいと思います。現在この学園は職員不足に陥っているのはご存知でしょう? なので私は臨時講師の方々と親睦を深めたいと思います。それが嫌でしたら、私達がこの席を離れますが? よろしいでしょうか?」
「ヨ、ヨル様?」
「そう言う訳だ、席を外してくれると助かる」
「ヒル様まで……分かりました……」
ヨルさんやヒルさんが女生徒に言います。
その言葉を聞いて取り巻きの女生徒達は、席を外し始めました。
「いいのですか?」
「貴方方には恩があります。それ以上にヴァル先生の講義は大変勉強になりました。午後の授業もよろしくお願いします」
ヒルさんがヴァルに頭を下げます。
「私もマジ先生の授業を受けれて、とても有意義な時間を過ごせました。午後の授業楽しみにしております」
ヨルさんがマジちゃんに頭を下げました。
なんか知らない所で物語が進行している気がします。
てかさ? ヒルさんやヨルさんって卒業生なのに授業って受けれるの!?
そんな事より飯食べようよ!
昼休み終わっちゃう!
飯取ってこなくちゃ!
「そんな事もあろうかト! 学食は既に入手済みでス!」
マジちゃんが全員分の学食を取って用意してました。
いつの間に並んで取ってきたの?
気が利くね!
パンとシチューみたいな定食が出てきました。
よく見てみるとカレーかな? 違う、ビーフストロガノフみたいな料理でした。
これ結構好物だったんだよなぁ。カレーもいいけどね?
お米はなさそうです。残念。
ものすごく美味しそうです!
それでは、頂きます!
口の中一杯にビーフの風味が広がります!
それに牛肉の歯ごたえがあって、とても美味いです!
ヒルさんとヨルさんは顔をしかめています。
フルちゃんは野菜の盛り合わせを食べてます。
不思議がっているヒルさんとヨルさんにも、マジちゃんがビーフストロガノフを用意してました。
マジちゃん気が利くね!
俺達だけ食べても浮いちゃうからね!
ヒルさんとヨルさんは、初めて目にするような料理に、顔をしかめながら食べ始めました。
一口食べたヒルさんとヨルさんは、背景に「!?」が見える位、目を見開いています。
ヒルさんは一心不乱に黙々とビーフストロガノフを食べます。
ヨルさんは、目を見開きながら涙を流しています。
そんな大げさな?
学食にある物食べてるだけでしょ?
「どの場所に、この料理はあったのですか!? お替りを要求します!!」
「私は……この料理を……信仰の対象に付け加えます……」
ヒルさんとヨルさんは学食を食べて感動していました。
お替りっていっても、昼休み終わっちゃうし料理残って無さそうだよね?
「お替りありますヨ?」
マジちゃんが気をきかせて、ヒルさんにビーフストロガノフのお替りを出します。
黙々とヒルさんは食べ始めます。
どこの大食いの人なのかな?
ヒルさんが食べる終わる先から、マジちゃんがポンポン出します。
いつの間にかフードファイト会場になっています。
ヒルさん? フードファイターだったのね?
いったい、どこにそんな量が入るのだろう?
ドルフォース王国で出会った、竜族のナルさんを思い出します。
ナルさんは竜族代表だとしたら、ヒルさんは異世界人族代表でいいのかな?
どうなんでしょうね?
分かりません!
「そろそろ昼休み終わるから、教室戻ろうか?」
俺は食事の終わった女性達に伝えます。
ヒルさんもお腹一杯になったのか、腹を支えています。
あ、そういえばフルちゃんの問題児の対処法、忘れてました。
まぁいっか!
フルちゃん頑張って!
俺達は教室に戻ります。
「……食べたかった……」
とある少女は涎を垂らしながら見ていました。
学食の中にはビーフストロガノフはありません。
(知ってた)




