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95 魔法都市 ギルド

 魔法都市のギルドです。

 俺達はやることも無くなったのでギルドに向かいます。


 もしかしたら臨時職員よりも、実りのいいクエストがあるかもしれないと思ったんだ?

 何かいい職ないかなぁ?

 さっき食べたクッキー美味しかったら、お菓子屋さんでもやってみるのもいいかなぁ?

 あんまりお菓子は作った事無いから、よく分からんけどね?


 ホットケーキ位だなぁ、作ったことあるの。

 大体一人暮らしの時は、外食はコンビニ弁当で済ませてたからなぁ。

 俺が金欠の時は、閉店間際のスーパー半額セールで凌いでたっけ。

 

 とりあえず、討伐系のクエストは抜かしたとして、他に何かあるかな?

 無いな。昨日の今日でいいクエストなんて無いなぁ。



 エメラルドゴーレムって討伐で、金貨50枚だったよなぁ。

 変異種でも目立つかもしれないし、逆に日常茶飯事って思われるか分からないからなぁ。

 思い込みで判断すると痛い目に合うから、受付嬢に聞いて確認して見ようかな?

 俺達はギルドの受付嬢の前に行きます。


「すみませんーエメラルドゴーレムの変異種って、もし討伐したら、どれ位の報酬金貰えます?」


「討伐されたんですか!?」


「いえ? 討伐したらの場合ですよ?」


「討伐された報告は上がってます! ただ、報告はまだされていません!? 少々お待ちください!」


 どうやら魔法都市の受付嬢は、思い込みが激しい様です。

 たらればの話しただけなのにね?

 ギルドの奥からギルドマスターっぽい、厳つい人が現れます。


「先日、警備隊長から変異種のエメラルドゴーレムの討伐報告を受けた。警備隊長の話を聞く限りだと、隊長のパーティは変異種のエメラルドゴーレムを討伐できず、代わりに9人の冒険者が倒したと報告は受けている。9人の冒険者がギルドに出向いたらと、変異種を討伐したと話を出すものがいたら、こちらに通すように伝えておいたが。受付嬢め。9人の冒険者の部分を省きおって……思い込みだけで呼ばれたが、どうやら勘は当たってる様だな。こっちだ! ついてきてくれ!」


 ギルドマスターっぽい人に案内されました。


 魔法都市のギルドマスターは、幾千の修羅場を潜り抜けた戦士を思わせる雰囲気を出しています。

 なんだろ? 俺達何も言ってないけどさ?

 てか警備隊長って魔法剣士のヒルさんの事かな?

 連絡網はしっかりしてるのね?

 俺達は別室に案内されました。


「よく来てくれた。座ってくれ。俺はこのギルドマスターをしている『ギブス・ホワイト』と申す。先日、変異種のエメラルドゴーレムを討伐されたことに受けて、こちらも討伐確認部隊を送ろと思ったんだが。確認した者が警備隊長補佐をしとる者だから、確認は不要だと思った。それでは、討伐したものがどこの誰かと言う事を調べたのだがな? 最近、ドルフォース王国に冒険者登録したものが、水晶玉を壊した者やレベル500を叩き出したものが7名いると聞いた。俺は耳を疑ったがな? しかし、他のギルドに連絡して聞いた所、数日前迷宮都市では活性化したダンジョンを、1日で30階攻略した冒険者がいるとも聞いた。9人組の冒険者とも聞いた。もし、変異種のエメラルドゴーレムを倒すことの出来る存在は、レベル500の冒険者達だと睨んだのだ。驚異的な行動力で街を転々してるとも聞いている。転移魔法は魔法使いの上位レベルでしか、使える者はいない。使い捨ての転移スクロールを使えば、話は別だがな? ホイホイ転移スクロールを使える裕福なものは少ないはずだ。転移スクロールは魔法都市でも貴重だからな? 魔法都市でも転移魔法を使える者は限られている。そう言う事だ。ごまかそうとしても無駄だぞ? 俺も長い時を冒険稼業に費やしてたから分かるがお前らは黒だ。威圧してるように見えるかもしれんがな? 俺の握られている手ひらの中は、汗でびっしょりだ。力を所持している者がこれ程だとはな。こんな事、ギルドマスターをやって始めてだ。どうか敵対する気持ちを抑えて、俺の話を聞いてくれないか?」


 魔法都市のギルドマスター『ギブス・ホワイト』が一方的に話してきます。


 なげぇよ!

 俺、まだ何も言ってないよ!

 このギルドマスター、受付嬢よりも思い込み激しいよ!

 あってるけどさ!


「先日円盤を破壊してくれたのは、お前達だと思ってる。街の平和を守ってくれてありがとう。感謝する。円盤は魔法都市のどこかで製造されたのだろう。俺の魔道砲撃すら無効化させる程の存在だ。そんな存在ができるのは他ならぬ、魔法都市の学園を務めてる『ラル・ルミナス』だと睨んでいるがな? だが俺はルミナスには数え切れない恩がある。恩を仇で返すような事はできない。あいつは何かと計算高いから理由があったのだろう? 例えば幼馴染の『モル・サイエンス』を潰す計画でもあったのだろう。あいつらは仲が悪すぎるからな。もし仲直りするとなれば幼かった頃に戻る位だろ? そんなこと不可能だがな。

 肝心な事を忘れていた。変異種のエメラルドゴーレムは、討伐されることに意味があるのだ。変異種が居座り続けると周辺には変異種を生み出し、大量のエメラルドゴーレムも発生する。採掘にも支障が出るのでな? そうだな、変異種のエメラルドゴーレムを討伐報酬で出すと金貨2000枚は下らない。それ以上に純度の高い、変異種のエメラルドゴーレムから採れるエメラルド鉱石は、魔法触媒率が高く、高値取引される。魔法触媒を関わる職人達からは、喉から手が出てくる存在だ。気を付けろよ? もし変異種のエメラルドゴーレム素材を持っていると知られたら、相当の数を手に回す事になるからな? 先に討伐報酬金として金貨200枚を先に渡しておこう。受け取るがいい」


 ギルドマスターのギブスは、俺達の目の前に金貨200枚の袋を置きます。 


 あの? 俺一言もしゃべってないんだけど。

 長いよ!

 大体あってるけどさ!

 これ貰っていいの!?

 貰っちゃうよ?

 重っ!

 マジちゃんにアイコンタクトを送ります。


(了解でス!)


 マジちゃんは金貨200枚を収納魔法で回収します。


「やはり、俺の考えは正しかったようだ。これからも魔法都市のギルドを贔屓によろしく頼む。気がむいたらでいいから、変異種のエメラルドゴーレムの素材を売ってくれると助かる。俺の娘が喜びそうだからな。俺の副業は、この都市で回復魔法アイテムを売っててな? 学園が休講で暇な時は娘に店番を頼んでるんだ。名前は『ユル』といってな? 俺と同じ白い髪をしている。年の割に、とても落ち着きのあるいい娘なんだが。回復魔法アイテムの事になると、何でも自分でやろうとする癖があってな? 一人では実験をしないように伝えてるのだが。たまに帰ってると娘が倒れてる事があるのでな……頼んで見まわりを送っているのだよ。可愛い娘に死なれては困るからな。もしかしたらお前達に面識があるかもしれないが流石に、俺の思い過ごしだろうか」


 ギルドマスターのギブスは一方的に話します。


 大体合ってます。

 むしろ娘さん一度死んでます。


 ユルちゃん『ユル・ホワイト』でいいのかな?

 白い髪が真っ赤にそまって『ユル・レッド』になるのかな?

 見てみたいけど血に染まってる姿は余り見たくないです。

 

「他に何か困った事があったら、俺に聞いてくれ。出来るだけ助けになる様にしようと思う。そう言えばルミナス学園長から連絡あって、臨時職員が埋まったそうだ。話を聞くと高レベルの人を雇ったと言ってたからお前達だろうとは思った。あそこには問題児がいるだろうから気を付けるんだぞ? 問題児は1人ではないからな? 受けもった教師が辞める理由としては精神的苦痛や魔法による肉体的苦痛も含まれるかな? 問題児の取扱い時は、十分に注意するのだぞ?」


 ギルドマスターのギブスは一方的に話します。


 この人思い込みが激しすぎます。

 多分合ってるんだろうなぁ。


「臨時職員頑張ってくれ。検討を祈る」


 最後にギルドマスターのギブスが俺達に告げます。


 最後に俺が「違います」って言っても信じてくれなさそうだしいいかなぁ。

 俺、この人に一言も喋ってないよ!

 これでいいの!?


 俺達はギルドマスターがいる部屋から出ました。



 話が長くなりすぎるかもしれません。

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