6.マジで準備の3日前
いつもお世話になりますアリス工房(仮)です
討伐編へ行く前の準備編になってしまいました
スミマセン
前編を書いたのですが長くなり過ぎて
読み辛いかなと思いまして今回は準備編という事で
討伐依頼を三日後に控えた俺等は、それぞれ準備に明け暮れる。
「ナツメさん、ナツメさん。おやつとか買っといた方がいいですよね、果物はおやつに入るのかなぁ」
もはや遠足気分である。
討伐依頼が決まってからのユーリは、終始ご機嫌で早く次の日になりたいからと夕方に寝ようとする始末。こういう子に限って、当日風邪とか轢きそうだから気を付けないといけない(完全に保護者目線)
「今から気合い入れすぎると、当日まで持たないぞ!」
「そうですけど凄く楽しみです。討伐ですよ、討伐!三日後には私の盾が火を噴くんです」
あの盾は何時から火属性付与したんだっけ?
「楽しみなのは解ったけど体調だけは崩すなよ!」
「は~い」と元気に手を挙げながら答えるユーリちゃん(小学生)
俺の方の準備はというと、救援物資が会社から送られてきた。
事の発端は、いつものように定時連絡で今後の予定を報告。三日後に受ける討伐依頼の事も伝えた。すると会社側から思わぬ事が告げられる。
今回の案件は、過去に無い異例案件らしく。特に予報対象者の扱いに会社上層部が、かなり慎重に対応せよとお達しが下った。
会社で調査した結果。ユーリの感情がかなり危険数値に影響を及ぼすとの事。中には、支店の奴には任せられないと本店側が圧力を掛けてきたが、支店の事業部長(うちのBOSS)が今いきなり現地のメンバーを替えて何かあったらどうするのだ。それに内の部下は優秀だ、俺の事を擁護してくれた。
大陸崩壊は、世界問題のみならず俺等の星にも多大な影響を及ぼす。その為、無茶なゴリ押しは出来ないと本店側も判断し引き下がった。
現状、現地の対応は全て俺に任され、会社側は全面バックアップという名の丸投げする事が、全社役員会議で決定した。
失敗したら会社首どころじゃ済まないな。という事で今に至る。
もう開き直って物資のチェックをした。中に入っていたものは以下の物資だ!
・ユーリ専用装備一式
・空気圧縮魔力砲
・名剣TAKAHASHIモデル
(製造部武器製造課の高橋さん56歳作成)
・その他
すげぇ、どれも最新モデルばかりだ。名剣に関しては
追記があった。
「元気にしてるみたいだな。偶には現場に来い、お茶くらだしてやる。それと、これは俺からの餞別だ。しっかりお嬢ちゃん守れよ」
元々製造課出身の俺は、この名剣の作成者高橋さん(56歳)の元で仕事をしていた。
もう厳しい事なんの。でも俺のサラリーマンとしての基礎は、この人から教わった師匠でもある。
弟子想いの良い師匠である。今度コッチの酒でも贈っとこうかな。
うちの師匠!何を隠そう全社標準装備の剣の作成者であり、TAKAHASHIモデルの剣といったら、この業界ではトップクラスの剣である。
俺が今使っている剣もTAKAHASHIモデル量産型だ。
その中でも、世界に七本しかない剣の一本を今回!俺の為に提供してくれた。
名剣MASAKO(TAKAHASHIモデル)
名前の由来は高橋さんの好きな歌手からとられている。
ありがとうございます師匠!大事に使わさせてもらいます。
三日後の朝。
宿屋の一階で待っていると、新しく新調した装備を着たユーリが二階から大荷物を背負って登場した。
「ユーリさんや、荷物多すぎやしないか?」
「そんな事ありません。私はキャンプのプロです!だから、これ位の荷物は必要なんです!」
腕を組んで力説するユーリプロ!
ああ野宿のプロね……
「ユーリさんは、今回どのくらいキャンプするおつもりですか?」
「安心して下さい1ヶ月は戦えます」
自信満々にプロは仰った!
この子どんだけ戦う気だ。
「その荷物を貸しなさい!」
ユーリから大荷物も受け取るとアイテムウィンドに収納した。
「じゃあ出発するか、忘れ物とか無いよな」
あれだけの大荷物あるわけ無いと自分に言い聞かせた
「ハイっ!頑張りましょう」
ユーリは元気に返事をした。
どうなることやら。俺は期待と不安(ユーリが暴走しないか)が入り混じりながら出発するのであった。
いよいよオーガ討伐前編へ
次回もサラリーマンの奮闘に乞うご期待!
皆さんの暇つぶしに少しでもなれたら幸いです