5.誕生、超攻撃的盾職
いつもお世話になりますアリス工房(仮)です
相変わらず話を纏めるのがへたっぴです
これでもかなりカットしたのですが…
俺等はギルドに趣き手っ取り早く稼げる方法!即ち、随時討伐対象のゴブリン&オーク(各色)に狙いを付けた。
受け付けのおねいさんに聞いた話によれば、ユーリと特訓していた草原!のさらに先へ進んだ場所にある森林地帯周辺が、この界隈でゴブリンやオークが生息している。数も最も多くギルド指定の討伐対象区域になっている。
魔物は討伐した数だけ報酬が貰えるらしく、ゴブリン一匹あたり銅貨十枚。オークは十五枚。さらに肌の色によって細かく分類されている。
倒したゴブリンは、自動的にギルドカードに○○ゴブリン一と更新され受付でカードを提出するとお金が貰えるシステムになっている。
すごいな異世界の魔法技術!
森林地帯に移動する道すがらユーリに今後の話をする。
「この三日間はひたすらゴブリン達を狩ってお金を稼ぐ。盾を買ったらで良いが、ギルドで正式な依頼を受けてみないか?」
「素材採取ぐらいしかした事ないので是非受けてみたいです」
「そうか!では、さっさとお金を稼ごう。あと質問だが、ユーリはゴブリンと戦ったことあるか?」
「ありますよ。キャンプしてると偶に来るんですよ。気配には敏感なので、何回か盾で叩いたら来なくなりました」
ゴブリンと戦闘経験はある様だ。だが、今ユーリは盾を持っていない。俺の持ってる盾はチョット特殊で貸せないし、どうするかな?
「大丈夫だと思います。私はゴブリンに怖がられてる見たいで、近付くとすぐ逃げちゃうんです」
「そうなのか?でも、他の魔物はとかはどうするんだ?」
「その辺は、ちょっとボロっちいけど盾を持ってるゴブリンに借ります」
大丈夫か?その作戦。武器を現地調達とか凄く不安なんですけど!
「俺が彼奴らの相手するから、ある程度の数を倒すまで隠れていてくれ。途中で盾が拾えたら援護を頼む」
「わかりました。作戦とか初めてで、何かワクワクします」
森林地帯の入り口付近にゴブリンの群れを発見した。数にして十匹、距離は五十メートル位だ!
姿勢を低くしながら近づいて行く。その距離二十メートルくらい、俺は小声でユーリに短く指示した。
「ユーリはここで待っていてくれ。盾持ってるやつが三匹いるから先に仕留める。ある程度数が減ってきたら援護を頼む」
ユーリが頷いたのを確認し姿勢を低くしたまま駆け出す。
十メートル位の所で、数匹に気づかれたがそのまま速度を落とさず接近し剣を抜いた。始めの一振りで一匹、返す剣で盾持ちゴブリンの首をはね飛ばす。
何やらギャーギャー騒いでいたが、気にせず剣を構えてこちらに走ってきたゴブリンを一突きで倒し、他のゴブリンを剣で牽制していると、急にゴブリンの様子が変わった。それは、何かに怯えている感じがする。
「如何したんだこいつら。えっ?」
後ろから物凄いプレッシャーを感じそっと振り向く。すると、右手にゴブリンから拝借した盾を持つユーリが佇んでいた。
一歩、二歩ゆっくり歩いてくるユーリさん!
あまりの静寂に、ユーリさんの草を踏み鳴らす音だけが聞こえる。
ギギャー。一匹のゴブリンがそのプレッシャーに耐えられず逃走。それにつられて一斉にゴブリン達は逃げ出した。追いかけるユーリさん!
マジっすか!ユーリさんなんか怖いんですけど。こんなに怯えて逃げ出すゴブリンを初めて見ました。
結局ユーリさんは、三匹程ゴブリンを盾で撲殺して戻ってきた。
「やっぱりダメですね。何か嫌われてるみたいで相手してくれないんですよ。この盾もすぐに壊れました」
そう言って割れた盾をそっと地面に置いた。
「まあ、何はともあれ結果的に6匹倒せたしこの調子で沢山狩ろう」
俺達パーティの作戦は以下の通りだ!
敵発見→俺攻撃.ユーリ隠れる→敵が押し寄せて来たら→俺逃げる→ユーリさん登場→ユーリさん無双→敵逃げる→追いかけるユーリさん→俺見てる
こんな感じで三日程ゴブリンを狩り続けた。
結果!
三日間で銀貨三十枚の成果に俺達は大変満足したのである!
この世界の通貨は銅貨.銀貨.金貨.白金貨の順番で銅貨100枚で銀貨1枚に繰り上がる。
銅貨1枚あたり日本円で100円換算である。
このあと鍛冶屋に直行し盾の値段を聞いて驚愕した。金貨一枚もの値段がつき当然そんなお金は無いので、森林地帯にて強制労働→鍛冶屋に支払いの繰り返しを余儀なくされた。
二週間後!
ついにユーリの元に最強の盾(金貨一枚)が降臨した。両膝をついて盾を掲げながらユーリは歓喜の言葉を綴った。
「つ、ついに!私の手元に、さっ、最強の盾が!」
鍛冶屋のオジサンに聞いたが、素材そのものは鉄製で盾の表面をミスリル(異世界定番素材)加工及び魔力で
強度を最大にした一品。
オジサンも、金に糸目をつけずノリノリで作ってくれた。実際儲けは殆ど無いらしい。オジサンは「いい仕事をした」と、とても良い笑顔をしていた。
「ありがとうございますナツメさん。これで盾を拾う生活ともおさらばです」
長かった………装備を準備するのに結構時間が掛かってしまったが、これでやっとギルドの依頼が受けられる。さて、どんな依頼が有るかな。
「やっとギルドの依頼が受けられますね」
ニコニコ笑顔のユーリちゃん。
「そうだな。ユーリは何かやって見たい依頼とかあるか?」
ユーリは腕組みしながら少し考える。
「そういえば、あまり掲示板とかに張り出されている依頼見たこと無いです」
「そうなのか。じゃあ、ギルドで良さそうな依頼があったら受けるとしよう」
その後、他愛もない会話をしながら歩いていると突然ピピピピーっと電子音が鳴り出した。
「何ですか今の音」とユーリが首を傾げながら聞いてくる。
まずい!山田さん(天使様)からの緊急呼び出しコールだ!
「えっ、気のせいじゃないか。ちょっと宿屋に忘れ物したからユーリは、先にギルドへ向かってくれ」
取り敢えず誤魔化した。
「はぁ、そうですかわかりました。ギルドで待ってます」
ユーリに一言告げ、急いで人気の少ない場所へ移動した。
「夏目です。どうかしましたか?」
連絡すると虚空に、画面越しの山田さん(天使様)が顕現された。
「スミマセン夏目さん。急にお呼びだてしてしまって」癒し系ボイスで仰られた。
「全く問題ありません!山田さんのコールでしたら、たとえドラゴンと戦闘中でもでますよ」と力強く答える。
「ステータスウィンド上の危険指数を確認できますか?」
天使様に言われた通り確認すると、危険指数が六七%に減少していた。
「数値が下がってますね、なんでだろ?」
「ここ最近でユーリさんに何か変化とかありましたか?」
なんだろ…ここ最近はずっとゴブリン討伐していたのと、盾を新しく買った。それぐらいだと思う。そのことをお伝えする。
「そうですか。考えられる要因は、ユーリさんのレベルが上がったからではないでしょうか」
「それですと、もっと前に数値が下がっても良かったと思います。ユーリのレベルはもっと前から上がっていました」
現在、ユーリのレベルは10まで上がっている。
アレだけ倒してレベル10って、ゴブリンの経験値少なっ!
「単純にレベルアップだけじゃない気がします。そうなると、後は盾を買ったことくらいしかないです。本人、物凄く喜んでいました」
「対象者が喜ぶと数値が下がる。みたいな事って、実際あり得るんですかね」
「そういった事例は特に無いと思います。今の所は、何とも言えませんね。引き続き、こちらで調べてみますのでよろしくお願いします」
「了解しました!」と、いって通信(天使様との会話)
を終えた。
対象者の気持ち一つで、危険数値が変動するのもなんか凄いな。まさか、ユーリが怒ったらこの世界が崩壊とか無いよな…マジで!
ギルド内の待合所で、ユーリの姿を見つけた。盾を布で磨きながら時より二ヘラっと笑顔になるのが面白くて暫く眺めていたら、俺の存在に気づいたらしくユーリは顔を真っ赤にしながらプンスカと怒った。
「もう!見てたのですか、酷いです!」
やばい、いきなり怒らせちゃった。数値を確認したが67%ままに安堵の溜息をついた。でも、今のは正直ちょっと可愛かったな。
「掲示板でも見に行くか」
平静を装いながら、ユーリに声を掛け移動した。
冒険者はランク分けされている!
一番上がSランクで、そのあとからA~Fランクまであり、それぞれ依頼の成功やギルドの推薦などによりランクが上がる。
依頼には難易度があり、当然ランク指定の依頼などもある。
俺のランクはD
ユーリのランクはE
ユーリに会うまでに何個か依頼をこなして居たら、知らぬ間にランクDになっていた。
ユーリは、殆ど薬草素材集めしかして来なかったらしくランクEだそうだ(本人談)
ゴブリン達は何体倒そうがランクは上がらない見たいだ。
一つ、デカデカと書かれた依頼が目に付いた!
緊急!冒険者依頼します
オーガ討伐
場所
森林地帯の奥地
内容
オーガがオーク達を引き連れて、集落を作っているのを冒険者が調査確認した。
討伐資格
ランクC~Eまでの冒険者
最大三パーティ
賞金一パーティにつき金貨一枚! 別途討伐した魔物の数だけ上乗せします。
「この依頼を受けて見たいがどうだろう?」
「勿論受けます。最強の盾がついに使えるのですね!」
受付のおねいさんに話をすると、丁度最後のパーティだったらしく依頼が受理された。
討伐は三日後。俺たちは初めての討伐依頼に向けて準備するのであった。
次回からオーガ討伐編です多分尺的に前後編になると思います!
次回もサラリーマンの奮闘に乞うご期待
皆さんの暇つぶしになれたら幸いです